~馬車で出発~
~馬車で出発~
僕たちは薫が待つ部屋へ戻った。
「薫、待たせてゴメンね」
「いえ、裕翔お帰り^^」
「今日はどんな予定で行くのかしら?」
ややご機嫌が好転したタミーがエレーナに今日の予定を聞く。
「今日はこの町ツーソンを出て、次の町へ向かおうと思ってます」
「次の町?」
「はい、正確に言うと次は町ではなく、町と町の間になります、原野といっていい場所で旅人を襲う輩が出没していて、それを駆除するお仕事です」
エレーナは支宮で新しい仕事を受けてきていたらしい、今度の仕事は邪魂退治ではなく、山賊のような奴らの駆除とのこと、それなら邪魂より楽そうだ。
「それじゃあ、さっそく出かけましょうかね」
タミーはご機嫌もすっかり良くなって、明るくみんなに声を掛けてる。
「お仕事、お仕事~っ!!」
アルも仕事に出発するのをよろこんでる。
そして宿の玄関を出ると、驚いたことに、今回は支宮から支給されたホーサーの引く馬車を使えることになってて、ホーサーの馬車が僕たちを待っていた。
「うわぁ~、馬車使えるんだね、うっれし~!」
「これで移動が楽になるわね、ありがとうエレーナ」
タミーとアルはホーサーの馬車を見た途端、飛び跳ねてよろこんでいた。
「皆さんが邪魂退治を頑張ってくれてることへのお礼です、ただし、今回だけですが・・・」
エレーナは少々申し訳なさそうに、ホーサーの馬車が今回だけと僕たちに話した、すると案の定アルが、
「えぇ~、馬車乗れるの今回だけなのぉ~、もっとずっと乗ってたいよ~」
「ごめんなさい、我慢してくださいアル」
今回だけでも場所に乗れるようになったのはたぶんエレーナの頑張りがあったからだろうけど、それでも文句を言われちゃうエレーナが可哀そうでしかたない、だから僕はアルに注意した。
「アル、今回だけでも馬車を用意してくれたエレーナに感謝しなきゃダメだろ、そんなことも判らないアル、僕は嫌いだな」
ちょっとズルいとは思ったけど、アルにはこの言い方が一番効くと思った、そしたらその狙いはズバリ的中!
「えぇ~! ユウト、アルのことキライになっちゃやだよ~」
そう言って、アルは半泣き状態でエレーナに謝った。
「エレーナ、ゴメン、馬車用意してくれてありがとね、グスッ」
そんなちょっと子供っぽい謝り方のアルに対しエレーナは妹をあやす姉のように、
「いいのですよ、次はもっと長く使えるように交渉してみますね」
出発前ちょっとあった後、僕たちはエレーナの用意してくれたホーサーの引く馬車に乗り込んだ。
「この馬車、誰が操って行くのかしら? 私はムリよ」
乗り込んですぐにタミーが手綱手がいないのに気づいた。
「私が手綱を操れます、お任せください」
エレーナが自分が操ると言う。
「エレーナってなんでもできちゃうんだなぁ・・凄すぎだよ・・・」
薫も入れて5人が乗り込んだ馬車は、ドライバー席にエレーナが座り、隣町であるメサへ向かって出発した・・・
今日はGWど真ん中の5月3日、
こんな日に読んで頂けるか少々不安ではあるんですけど、
毎日投稿しなきゃって思えてきてるので、
こんな日ですけど、投稿させていただきました!
皆さま、よろしくお願いします!!!




