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~どこでも女子は甘いモノ好き~

~どこでも女子は甘いモノ好き~


 その後、僕たちはリーガンさんの家を出て、いったん宿まで戻り、支宮への結果報告と薫の件についての相談をすることになった。


 僕たちは来た道を戻り、今朝まで泊まっていた宿に再度チェックイン、宿側も空き部屋があったので喜んで受け入れてくれた、もし、部屋は無ければ今夜は野宿になる覚悟もしてたけど、部屋があって助かった。

 部屋に入ると、早速エレーナは支宮へ結果報告と薫の件の相談をするため部屋を出て行こうとしていた。

「待ってエレーナ、薫のことも話すんなら、僕も行きたい、支宮の人達に薫のことちゃんと理解してほしいから」

 エレーナを信用していないわけじゃないんだけど、やっぱり薫のことだし、自分で説明したいと思った、しかし・・

「ユウトの気持ちは十分判っています。でも大丈夫ですよ、必ず私がいい結果になるよう伝えて来ます」

 エレーナは笑いながらそう言って部屋を出て行った。

「大丈夫よユウト、エレーナを信じなさいよ、あぁ見えてエレーナってけっこう位の高い巫神なのよ、そこいらの役人なんか恐れ慄くくらいなのよ、ハハハ」

 タミーは心配してる僕を安心させるため、そんなことを聞かせてくれた。

「そうなの? エレーナってそんなに高位の巫神なんだ、知らなかった・・」

 するとアルも、

「なんだユウトはそんなことも知らないでエレーナと一緒にいたの、ボ~ッとしすぎだよ、エレーナが怒るよ、へへへ」

 またもアルに突っ込まれちゃったよ。

「でも、ユウトは判らなくて当然よ、召喚者だとエレーナが纏っている高位者独特のオーラって感じないらしいわよ」

 タミーが上手いこと僕のフォローをしてくれた、タミーはこういうところが子供のアルと違ってイイんだよなぁ・・・

「ナイスフォロー! ありがとうタミー」

「あら、ユウトに感謝されちゃったわ、それじゃ、お返しに今夜お酒付き合ってもらおうかなぁ・・ウフフ」


 そんなレベルの低い会話を僕たちがしてる間も薫は部屋の隅のほうでこっちをみてるだけ、そんな薫が気になってしょうがいない。

「薫、どうしたの? タミーたちとおしゃべりしていいんだよ」

 僕が薫に話かけると、タミーも薫に寄ってきて。

「そうよカオル、あなたは邪魂ではなくて迷い魂とリーガンさんが言ってたじゃない、だからあなたは私たちの仲間になったつもりで、もっと堂々としてていいのよ」

 タミーが優しく薫に言葉を掛けてくれたお陰で、ずっと硬かった薫の表情に初めてわずかだけど笑みがみえた。

 タミーに続きアルも薫に話しかけてくれた。

「カオル、あなたもユウトのこと想ってるなら、私たちと一緒に邪魂退治をするのを手伝ってちょうだい! そしたらアルもあなたを認めてあげるよ、どう?」

 アルのほうはちょっと上から目線だけど、一緒に行動すれば薫のことを認めてくれるらしい、アル的にはかなり頑張って出た譲歩条件だと思う、なので僕もアルに感謝した。

「アル、薫のこと認めてくれる方向を出してくれてありがとう、なにかお礼をしないといけないかな?」

「じゃあ、この宿の向かいの店でソフトクリーム奢ってちょ・う・だ・い・ね!」

「また、食べ物かよ・・まぁイイよ、ソフトクリーム奢ってあげるよ」

「やった~ッ!! じゃあさっそく向かいの店に行こうよ」

 まったくアルったら自分の好きなもの、特に美味しい食べ物が絡むと別人のような行動力を発揮する、まぁそれって女子らしいってことかもしれないけどね^^

「じゃあ私も奢ってもらえるのかしら、ユウト?」

 タミーもアルにノッテきた、まぁこれも当然の展開と予想はしていたので、仕方ないので僕はOKした。

「薫はどうする? 一応ついてきてみたら? なにか興味の持てるモノがあるかもしれないよ?」

 薫はまだ僕たちのチームの空気感に慣れてない、一緒に行動し始めてまだ1週間も経ってないしそれも当然なんだけど、いつまでもひとりで浮いてる感じでいるのもよくないし、タミーやアルと一緒に町を回ってみるのもイイかと思った、幸い、薫のことは他の住人には見えないようだから、薫が浮遊して町中を動いても大丈夫なはず、まぁ一部術師などに出くわすと面倒なことになりそうだけど・・・

 若干の不安要素も残しつつ、僕とタミー、アル、そして薫の4名は宿の向かいにある店に入った。

 ここは人間界でいうと「ド〇ール」とか「ベ〇ーチェ」のような場所って感じ。

 店に入って、注文カウンターへ向かう、心配してた術師のような人物はいないようで、タミー、アルはそれぞれ好きなものを注文、僕も二人に続いてコーヒーに似た飲み物を注文して空いてる席に着いた。

 可愛そうだけど薫は実体が無いので飲み食いができない。

「薫、ごめん、僕たちだけで・・・」

 僕は周りにバレないよう、小声で薫に話しかける、薫も小さい声で。

「大丈夫、私のことは気にしないで」

 タミーも薫のことを気にしてるようで、薫に対して小さく頭を下げた。

 アルはというと、周りのことなど1ミリも気にしてないようで、席に着くなり注文したトッピング載せソフトクリームを口に運んでいる。

「う~ん、甘くって美味しい~っ、これ毎日食べたいッ!」

「こんな甘いモノ毎日食べたら、ブクブクのおデブになるわよアル」

 アルは口の周りにクリームを付けながら、もう半分しか残ってないソフトクリームを見ながら、

「こんなに美味しいモノを我慢するほうが身体に悪いよ、ちょっとくらいカロリー摂ってもそのぶん運動すれば大丈夫だよ~だ、へへへ」

 その答えを聞いてタミーは手で「ダメだこりゃ」ゼスチャーしながら、

「おバカ」

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