~力付いた?実感ないよ・・~
~力付いた?実感ないよ・・~
「巫神が来るとは珍しいこともあるもんじゃ、わしに何の用じゃ?」
術師と聞いてたけど、出てきたのは、どこかの老人ホームにでもいそうなヨボヨボ爺さんだった。
「初めてお目にかかります、私は巫神のエレーナといいます、そしてこの3人は私の邪魂退治チームのメンバーです」
「・・・」
リーガンさんは僕たち3人を舐めるようにギロギロと見ると。
「エレーナといったな、3人ではなく、あんたを含めて5人じゃろ、そこに浮いてるのは邪魂とは違うようだが・・迷い魂だな」
「?!」
マジッ! リーガンさんには、薫の姿も見えてるらしい!
「さすがスゴ技の術師ですね、そこに浮いているのは元人間界の女性、カオルという名の魂です、訳あってこの世界に流れてきていますが、危害を加える意図はありませんのでご安心ください」
「あぁ、危険な邪魂なら、即刻ワシ自身で退治してやっとるわ」
薫が危険じゃないこともリーガンさんは見抜いてくれてたようで、ありがたかった。
リーガンさんは僕たちを家に入れてくれ、リビングのような部屋に招いてくれた。
「で、今日ここに巫神とエルフやらいろいろ来たのは、なんの用じゃ?」
リーガンさんの問いにエレーナが答える。
「はい、私たちは邪魂退治をして廻っています、私のほかエルフやキャットピープル、そして人間界から召喚されたユウト、いままでもそうでしたが、私たちにはいまひとつ、力が足りてないのです、そこでリーガンさんのお力で、その足りない力を授けて頂きたいのです、どうかお願いします」
エレーナの言ったとおり、僕たちはやや力不足の面もある、それについては僕も感じている、でも、それがこの術師になんとかできるものなんだろうか? ハッキリ言って、このリーガンさん、ヨボヨボ過ぎだし大丈夫かな?
エレーナのお願いに、リーガンさんはしばらく考え込んでいた。
「う~ん、力か・・・エルフとキャットピープルには簡単に授けられるが、召喚者と巫神のほうはなかなか難しいモノだ・・・」
タミーとアルには簡単に力を付けられる? マジ? 術師スッゲ~ッ!!
タミーとアルがパワーアップしたら僕たち無敵かも?
でも、僕とエレーナのパワーアップは難しいらしい、う~んできれば僕もパワーアップしてほしいんだけど、ムリならタミーとアルだけでもいいか・・・
「難しいことは承知しています、しかし、リーガンさんにしかできないことなのです、どうかお願いします」
エレーナの必死の頼みにリーガンさんもがんばってみると言ってくれた。
「巫神の頼みじゃ断るのも気が引ける、どこまでできるか判らんが、やってみよう」
おぉ! やった!! これで僕もパワーアップできれば文句なしだッ!
「ありがとうございます、リーガンさんのお力で私たちのできることが増えそうです」
「まぁ、そういうのは出来てから言ってくれ」
そう言ってリーガンさんは、まずタミーを術を掛けるための部屋に連れて行った。
数分後・・・
奥の部屋からタミーとリーガンさんが戻ってきた。
「タミーどうだった? なにか変化とか感じちゃった?」
アルが戻ってきたタミーへ変化を聞いた、アルの顔はリーガンさんの施術への期待いっぱいでワクワク顔だ、しかし、タミーの返事は・・・
「う~ん、変化したという感じはないわ、だいたい、奥の部屋でやったことと言えばリーガンさんが私の頭に手を乗せて詠唱をしただけよ、それ以外はないもしてないわ」
「術は今施術したばかりじゃし、自覚的な変化などありはしない、わしの術は内的変化が主、次に邪魂と対するときに、今日の成果が見えるはずじゃ」
「そうかぁ、何か変化するのかって、アルちょっと期待しちゃったけど、ザ~ンネン」
その後、アルも施術してもらい、僕もアルの次に施術してもらった。
タミーの言うとおり、実感としての変化は全く無し、ちょっと期待ハズレ的でもあるけど、次の邪魂退治のときが楽しみになった^^
「じゃあエレーナも施術してもらいなよ」
「そうね、私たちだけじゃなく、エレーナもせっかく来たんだし、やってもらうといいわ」
僕も当然エレーナにも施術するものと思っていた。
しかし、エレーナは施術しなかった、その理由はリーガンさんが話してくれた。
「エレーナは巫神じゃ、巫神という存在はわしら術師の技を介さなくとも、その都度必要な神術を得ることができるのじゃ、まぁワシらのような俗物の力など無用といったところじゃ」
へぇ、やっぱエレーナ達ってスゴイ力を持ってたんだなぁ・・・それに比べて僕は召喚者って言ったってたいして力ないしポンコツだなぁ・・・
役立たずと言われないように、もうちょっと頑張らなきゃな。
術師リーガンさんから力をもらうお話でしたけど、
この「リーガン」って名前、実は数代前のアメリカ大統領ロナルド・レーガンさんが
大統領に就任したての頃に、日本で紹介される際に呼ばれてた名前表記なんです、
わたしもリアルでは知らないんですけど、英語を日本語で表記するとき、
「レ」なのか「リ」なのかハッキリしないなんてことたくさんあるっぽいですよね。
なので当時も間違っちゃったんでしょう、
でもこのお話では、その間違えた呼び方を頂きました、これもリサイクルでしょうか?^^
では、よろしくお願いします!!