表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/304

~軍師エレーナ~

 ~軍師エレーナ?~


 テントを設営して二日が経った・・・

 僕たちが、この場所にテントを張ってから、ツーソンの町全体を見ても、特に異変のようなことは起こっていない。

「う~ん、これといって変化らしきものは無いね、どうするエレーナ?」

 僕はこの警戒活動がちょっと無駄に思えてきて、思い切ってエレーナにどうするか聞いてみた。

 そしたら、エレーナから意外な言葉が返ってきた。

「ユウト、今夜あたり何か起こりそうですよ、異変の主もそろそろ我慢の限界でしょう」

「え? 今夜? というとエレーナは最初からこのタイミングを待ってたの?」

 エレーナは最初からこの警戒行動の結果を得るには数日掛かるというのがわかっていたようだ、でも、あえてそれは言わず、僕やタミーたちに緊張感を持っていてもらい、さらにここの住人やこの空間全体に緊張感を持たせるのが目的だったようだ。

 エレーナは自慢げに笑みを浮かべて、

「はい、そうです!」

 いつも真面目顔のエレーナが久々に見せる満面の笑み! いやぁエレーナの笑顔、癒される~ッ^^

「でも、今夜かどうかまでは判らないんじゃないかな?」

「はい、なので起こるではなく、起こりそうと言ったのです、私たち巫神は予知者ではありませんから未来のことまでは判りません」

「そうなんだ、ということは一種の山を張るってことだね、ハハハ」

「ヤマヲハル? なんですかそれは?」

僕が何気なく言った山を張るはエレーナも初めてのワードだったようで、数日ぶりに僕が教える立場になれた、気のせいか生徒の立場になったエレーナはメチャカワイイッ!。

 さっそく生徒エレーナに山を張るの意味を教える。

 まずは教師としての威厳を現すために咳ばらいを

「オッホン!」

「え~と、山を張るっていうのは、ここらへんじゃないかと、あらかじめ予想してみることだよ、わかったかなエレーナ?」

 我ながらいい解説になってると思った^^。

「えぇ、大変解りやすかったです、ありがとう。ユウトは教えるのが上手いですね、先生になれば生徒に人気の先生になれそうですね、ウフ」

 僕はエレーナから教えるのが上手いなんて言われたもんだから、先生の威厳なんてことは吹っ飛んで、耳まで熱くなるくらい照れまくってしまった。

「え、いやぁ上手いなんて言われると、照れちゃうよエレーナ、ハ、ハハハ・・・」


 そして、陽が傾き、エレーナの言う「今夜」がやってきた。

「エレーナ、今夜あたり来そうなのよね?」

「えぇ、そろそろだと思っています」

「アルも今夜が怪しい気がしてるよ!」

 アルったらエレーナの山張りに乗っかってるよ、まったく調子のいいヤツだな。

 エレーナはテントの周囲だいたい500mくらいの範囲を結界のようなもので覆い、今夜あるであろう異変に備えた。

 僕やタミー/アルも特に何をという訳ではないんだけど、気持ち的に「今夜こそ」と備えてる感じ。

「ユウト、今夜は頑張って邪魂をやっつけようね」

 アルは少し前に巫神のカリーナから巫神の神術の一部を授けてもらっているので、今夜はそれで使って手柄を立てようと燃えてるようだ。

「アル、あんまりムリするなよ、僕たち4人で力を合わせることが大事なんだから、ひとりで先走ったりしちゃダメだよ」

 僕はアルのやる気が行き過ぎた形にならなきゃいいと心配だったので、一応アルに注意をしておいた。

「ユウト、私も頑張るわ、エルフの術でユウトを守ることもできるし、できるだけ私から離れないでいてね」

 タミーは僕を心配してくれてるようで、エルフの優しさを感じる。

 しかし、そのタミーの言葉を聞いたアルはいきなり超不機嫌! 頬を膨らませて不満プンプンみたいだ。

「フンだ! アルだってユウトを守れるモン!」

 異変に対応する前からアルの機嫌に対応しないといけないようで、今からなんだかヘトヘトだよ・・・

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ