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~異変調査開始~

 ~異変調査開始~


 それからややあって僕たちは宿をチェックアウトし、この町の異変を調べに向かうことにした。

 この町、ツーソンでの異変は人命に関わるような重大なことではないようだけど、その頻度が問題のようだ。

「エレーナ、この町の異変ってしょっちゅう起こってるの?」

「そのようです、ですから町の住民から役所に苦情が殺到してるとのことです」

 そんな状況だと聞いたタミーが、不満顔して。

「そんなことなら、町の保安官が対応すればいいことなんじゃないかしら? わざわざ巫神や私たちが出ることでもない気がするわ」

「でも、邪魂かもしれないんでしょ、それならアル達の出番だよね」

「そうだったわね、邪魂が絡んでるなら私たちの出番だわ」

「イェ~イ!」

パンッ(ハイタッチの音)

 さっきまで微妙な空気感だったタミーとアルが、いまは意見が一致してハイタッチしてる、女心となんとかって聞いたことあるけど、これがその女心ってやつ?

 このツーソンという町は他の町より規模が大きい、歩きながらエレーナが町のことをいろいろ教えてくれたけど、そこから想像すると町の大きさは東京23区の半分くらいって感じ、そこに3000人くらいしか住んでないらしい、人間界で言ったら十分過疎地って言える人口密度の低さだ。

 僕たちはそんなツーソンの町を宿のあった周辺部から中心部方向へ進んでいる。

 すると、進む方向にの先に町の住人らしき人影が見えてきた。

 そのひとりがこっちに手を振っている。

「誰かいるね」

「手振ってくれてるよ、エレーナの知ってる人?」

「いえ、この町には知り合いはいません、異変に困っている人達でしょう」


 その人達は僕たちの到着を笑顔で迎えてくれた。

「いやぁ、はるばるどうもありがとう、エレーナさんとはあなたですか?」

 住人のリーダーと思われる人がエレーナを見て聞いてきた。

 やっぱり、エレーナの容姿は4人のなかで一番流麗で目を引くんだろうな。

「はい、巫神のエレーナと言います、私たちへ依頼をされたのはあなたたちすか?」

「そうです、お待ちしてました、エレーナさん皆を救けて下さい」

 それから僕たちは近くのリーダー格の人物の家に招かれた。

 その人物はロルヴァという人だった。

 ロルヴァの話では最近妙なことが起こって町の自警団に警備を頼んでみたら、その相手がどうやら邪魂らしいことがわかって巫神に依頼したとのことだった。

 しかし、巫神支部の話では邪魂と確定はしていないようだったけど・・

「エレーナ、支部ではまだ邪魂と確定させてなかったよね、どうする?」

「そうですね、でも、せっかくここまで来たのですから、町の人のお役に立つのもいいでしょう」

 ロルヴァの説明では、その邪魂と思われる相手が邪魂と確定できない理由もあるとのこと、それについて、

「その邪魂は他と違って、人を殺めたりせず、町にも具体的な被害がないのが不思議なのです、まぁそれが逆にうす気味悪い感じで・・」

「じゃあなにが、問題なんですか?」

 僕はややまどろっこしくなって聞いてしまった。

 すると、ロルヴァはちょっと困惑気味な顔になり。

「夜な夜な町を徘徊してるようなんです、それもなにか言葉のようなものを発しながら・・」

 徘徊? 言葉を発する? まるで泥酔したおっさんみたいだね?

「ユウト、またニヤニヤしてる、ヘンなの」

 また僕がいろいろ想像してるとアルがツッコミをいれた、でもそのツッコミがあることに繋がった。

 ロルヴァと共にいた住人カイがあることを思い出した。

「そうだ、その邪魂は徘徊しながら、ユウトって言ってたって聞いてる、あんたユウって言うんか?」

「あ、はい、僕はユウトって言います」

 僕がユウトと知ると、あからさまにロルヴァとカイが僕を見る目が変った。

 ユウトって言ってたって言うけど、僕とそのユウトって聞こえたことと、関係あるとは思えないけど・・・

 エレーナも僕と同じに思ってるみたいで、

「特に根拠が無いうちはユウトというだけで、彼との関係は無いと見るのが普通です」

「そうね、ユウトって聞こえても、実際には別の言葉かもしれないわ」

 タミーも違う見方で僕へ対する変な誤解っぽい部分を打ち消せるよう救けてくれた。

「しかし、ちょっと気になることもあります、今夜はここで様子を見ることにしましょう」

 でも、エレーナも言う通り、正体不明のヤツのつぶやきがユウトと聞こえたというのは僕も気になる部分だ。

「そうね、一晩くらい確認の必要がありそうね」

 タミーもそう言って同意してくれ、アルもうなずいている。

 そこまで決まるとエレーナがロルヴァに。

「ロルヴァさん、今夜私たちはこの近くでテントを張って一晩様子を見てみます、よろしいですか?」

 するとロルヴァが驚いて。

「テントだなんて、とんでもないです! この隣の家が空き家ですので、そちらを使ってください」

 と言って空き家を提供してくれる旨言ってきた、しかし、それは断ることにした。

「ロルヴァさん、お申し出は嬉しいのですが、何か異変があったらすぐに動きたいので、テントのほうがイイと思います」

 とエレーナがロルヴァの申し出を丁重に断った。

 ここでいつもならアルが一言言いそうな場面だけど、意外にもアルは黙っている、なぜ?

 気になってアルを突っついてみた。

「アル、今夜はテントだって、フカフカベッドじゃなくて残念だな」

「そんなこと全然ない! アルの大事な未来の旦那様のユウトが疑われてるの、ほっとけないよ、今夜はずっと寝ないで見張ってるつもりだよ!」

 鼻息荒くアルが意気込みを語ったけど、なんなんだ、その未来の旦那様って?

「おいおい、聞いてないぞ、いつから僕が未来の旦那様になったんだ、アル?」

 僕は半笑いで、アルにツッコミをいれたつもりだったんだけど、当のアルのほうは結構マジだったようで、

「アルはもうユウトの奥さんになるの決めてるんだよ、前にアルを抱きしめてくれたでしょ、あのときに将来は夫婦になるって決まったんだよ、ユウト知らなかったの?」

「抱きしめた時?」

 僕はアルを抱きしめたなんて、記憶にない・・・。

「そうだよ、アルが死にかけたときに抱いてくれたじゃないっ! 忘れちゃったの?」

「あぁ~、あの時か、思い出した、そうだ、そうだけど・・あれを婚約のように受け取られても、ちょっと困るかなぁ・・・」

 いやぁ、マジであのときのことを婚約みたいに言われても、そんな気は1ミリも無かったし、困っちゃうよ。

 すると、タミーが救いを差し伸べてくれた。

「あの時はアルが緊急自体でユウトだけじゃなく私やエレーナも動揺してしまってて、だからあの時ユウトが抱きしめてくれたのは思わずの反応だから、ノーカウントってことにしないアル?」

 さすがタミー! どこにもスキのない説明だよ! これでアルが納得してくれればイイんだけど・・・

「えぇ~! それじゃあユウトはその気も無いのに抱きしめたのっ? ヒッド~イ! アルもうお嫁に行けないよ~」

 いやいや、それじゃまるでテレビドラマじゃん・・・

 見かねたエレーナがアルに寄ってきて、

「アル、あのときはアルが死んでしまったのかと私たちは皆、狼狽して正気をなくしてました、ユウトもアルに死んでほしくないという一心からアルを抱きしめてました、アルの気持ちも分かりますが、あの時のことはそういった意味ではなかったと納得して頂けないでしょうか?」

「えぇ~・・・でも、エレーナが言うならしょうがないな、でもアルはユウトが大好きなのは変らないよ!」

 エレーナの言葉でやっとアルのダダが収まった、エレーナありがとう!

 でもアルはまだ僕のことを完全に諦めたわけではないようで・・・

「絶対、ユウトはアルの旦那様になってもらうもん!」

 一度思ったからはなかなか修正は効かないみたいだな・・・

「ユウト、今夜のテントはアルの横に寝てね、アルが横でユウトをずっと守ってあげるからね^^」

 だそうだ、僕としてはイイ香りのするタミーの横のほうが、イイ夢を見られそうでイイんだけど・・・


新しい仕事を受けて、調査へ向かうユウト達を書いた今話ですが、

いかがだったでしょうか?


そういえば気が付かなかったんですけど、いつのまにかこのお話のPVが1000を

超えていました、これはすべてご訪問して下さってる皆様のお陰です。

ホントにありがとうございました!!

これからもがんばって続けていきますので、よろしくお願いします!!



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