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~心配顔のエレーナ~

   ~心配顔のエレーナ~


 それから少しして、エレーナが戻ってきた。

「エレーナおかえり」

 帰ってきたエレーナはやや険しい顔つきをしている。

 この町の異変について何か思わしくない情報でもあったんだろうか?

 そんなエレーナの雰囲気をアルもタミーも気づいたようで。

「エレーナ、何か心配ごと?」

「どうしたのエレーナ? エレーナをいじめるヤツはアルが許さないんだから!」

「皆さん、心配してくれてありがという、この町の異変について支部で聞いたんですが、異変の元は邪魂の可能性は高いらしいのですけど、今までの邪魂とは少々様子が違うようなのです」

「様子が違う? エレーナにしては珍しく歯切れが悪い言い回しね」

「そうだね、イマイチはっきり特定できてないってこと?」

 アルは顔とゼスチャーで分からな~いって言ってる。

「そうなのです、ほぼ邪魂であるということは確かのようですが、その邪魂の態度というか行動が不自然らしいのです」

 邪魂の行動に自然も不自然のない気がするけど、巫神支部が言ってるんだから不自然なんだろうな・・。

 タミーも今のエレーナの言葉に更に疑問が増したようで、少々きつい言い回しで、

「不自然って何よ? まったく意味が判らない話ね、要するに支部もしっかりと把握できてないってことじゃないかしら?」

「確かに、かなりアバウトな言い方だよね、判ってるのは邪魂が絡んでるってことだけっぽい」

 僕もタミーもどうしようもないから、事前情報なしで調査して戦うしかないかもと考え始めた。

 そんな中、アルにいたっては、呑気にお茶を飲み始めちゃう始末、まぁそのくらい度胸が座ってるほうが平常心で戦えるかもしれないけど・・・

「それで、どうするのエレーナ? 特に情報無しのまま、出かけるしかないようだけど?」

「皆さんがそれを納得してくれるのでしたら、私は出発したいと思います」

 そう言いながらエレーナの顔色は晴てないように見える。

「それじゃあ、行きましょうよ、途中で何か情報を得られるかもしれないわよ」

 やや暗い空気になったことを察したタミーがポジティブ思考のコメントで空気を変えようとしてくれてる。

「そうそう、どんな悪条件でも、僕たちは進めなければダメなんだよねエレーナ? なら、いろいろ考えてないで前に進もう!」

 タミーの言葉に励まされて、僕もちょっと強気になれたかな? そう思ったらやっぱりタミーにいじられた。

「あら、ユウトにしては珍しく強気ね、そういう男子、わたし好きよ、ウフッ」

 タミーに言われて、自分の言ったことがメチャハズイように思えて、耳まで熱くなっていくのがわかった。

「あ、ユウト顔真っ赤! オモシロッ!」

 あ~あ、アルにまで・・・。

 そんな僕を見ていたエレーナが助け船的なことを言ってくれた。

「二人とも、あんまりユウトをいじめないようにして下さい、ユウトはチームに大事なメンバーなんですからね」

「は~い」

「はい、はい、でもエレーナ、私たちは仲がいいからこそ、いろいろ言えるのよ、これが他人だったらこんなこと絶対言えないわ、ウフ」

 アルは素直にハイと言ったけど、やっぱりタミーはひとこと言い返さないといられないようだ。

「そうかもしれませんね、それは認めます」

 あらら、エレーナもタミーの言うことを認めちゃったよ・・

「ユウトも言ってたけど、ここにいてもしょうがないからさ、エレーナが聞いたことを頼りに異変を調べに行こうよ」

 アルが急にびっくりするくらい積極的なことを言うので僕はびっくり。

「アル、どうしちゃったの? 今日は妙に積極的だね^^」

 アルの言葉にエレーナもびっくりしたようで。

「アルも頑張って下さいね」

「うん! アル、ユウトとエレーナのために頑張る!!」

「アル~、私は入れてくれないの?」

「タミーはオマケかな? へへへ」

「わたし、おまけ!? ひっど~ッ!」

 タミーとアルの漫才みたいな会話でちょっと沈んでたみんなの気持ちにも明るさが戻った、相変わらずタミーとアルは微妙なようだけど、まぁ四人の空気が明るくなったからいいかな・・・

昨日はアレルギーで更新できませんでした。

読んで下さってる皆様、ごめんなさい・・

今夜はなんとか更新できましたので、よろしくお願いします!!


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