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~予定外の邪魂狩り~(その1)

 ~予定外の邪魂狩り~ (その1)


 僕たちは焚火のあと片付けなどをしっかりして、ツーソンへ向け再び歩き始めた。

 ランチもしっかり摂ったし、イイ天気だし、歩くにはピッタリな気持ちのいい日だ。

 でも、歩き始めてしばらくすると、タミーがしきりに辺りを気にし始めてるのに気が付いた。

「タミー、辺りを気にしてるようだけど、どうかした?」

 そうい聞くと辺りを気にしながら歩いてるタミーがいぶかしげそうに。

「さっきから辺りが騒々しいのよ、ユウトは感じないかしら?」

「感じる? なにを? 僕は何も感じないけどな、タミーはどんな風な感じ方なの? 邪悪な感じとかかな? それともプレッシャー?」

「そうね、どちらかと言えば友好的な感じは無いわね、ずっとこっちを覗いてる感じかしら・・」

 エルフであるタミーには他種には察知できない空気感みたいなモノの変化を感じ取る能力があるみたいで、今回もそれが反応してるみたいだ。

 そこまで話してるとエレーナとアルもタミーの異変に気づき、周囲を警戒し出した。

「タミーには感じられてるけど、ユウトには感じないということなら少なくとも邪魂の可能性は低いようですね」

 そう言って、エレーナが冷静に状況を分析したけど、相手が何者かまではさすがに判らない。

 するとエレーナが危険回避のためとして防障神術を展開した。

 薄いベールのような幕が4人を囲うように拡がった。

 エレーナが展開した危険回避の外をタミーやアルが見まわしている、しかし、いまのところ目視では変化はみられない。

「なにもいないようね、もしかしたら私の勘違いだったのかしら、ごめ」

 そこまでタミーが言ったとき、僕たちから右側の100mほど離れた場所の空間に裂け目のようなモノが現れた!

ギギギギッ(空間が裂け始めた音)

「何ッ!!」

 アルがその裂け目のようなモノをみて思わず叫んだ。

 その直後、裂け目状の中から、なにやら見覚えのあるのギラギラと異様な輝きがこちらを睨んできた。

 その瞬間、僕の目にはその相手がすごく暗い紫がかった塊となって写っていた。

「邪魂だッ!」

「邪魂ッ?!」

 アルはミミがピンとし、しっぽが張り、背筋がピンと伸び、その出現状況に驚きを隠せない様子だ。

「あんな現れ方をする邪魂なんて、いままで見たことないわよっ!!」

「しかし、ユウトの目には邪魂として見えてるのですから、間違い無いハズです!」

 タミーとエレーナもその現れ方に驚いている、しかし、さすがエレーナ、すぐさま先ほど展開した防障神術のレベルを対邪魂レベルに上げたようだ。

 驚いていたアルも、エレーナたちの動きに触発されたようで、いつもの鞭状の武器と短剣を取り出し戦闘態勢をとっている。

 タミーも術を使いその手のひらに、妖光火炎弾を準備してる。

 邪魂は他の魔物相手とは違い段違いに手ごわい、だから4人とも始めから手加減無しの全力のガチ勝負でいく覚悟。

 今までも僕はこの異世界に来て以来、数回邪魂と戦った経験があるけど、その度に4人で命がけの勝負をしてきて、そのすべてに勝ち邪魂を冥府へ送っている。

 しかし、今回はいつもとは少々違う気がする、うまく言えないけど、なにか違う・・

根本的に遭遇の仕方から違っている、今まではどこかに潜んでいる邪魂をこっちが探すというスタイルだった、でも今回は邪魂のほうから現れた、というより襲ってきた感じだ。

 しかも空間の亀裂からの出現なんて、想像を超えてる感じで、そこだけでも十分怖いビジュアルだし、しかもまだ鋭く光る目しか見えてない。

 その圧倒的な怖さ抜群の画ズラにアルのしっぽはさっきからピンと立って毛が逆立ち膨れ上がってる。

「何か違う・・・なんだろう、この違和感みたいなモノ・・」

 僕がそうつぶやいたとき、空間の亀裂が少しづつ拡がりはじめた。

ビシッ! ビシッ!(空間の裂ける音)

 エレーナがその音に反応して。

「来ますっ! みなさん、準備してッ!!」

「いつでも掛かってくるとイイわっ!」

「アルも全力でいっくよ~っ!」

 タミー、アルもエレーナの言葉に威勢のいい返事を返してる。

「ユウト、邪魂はどのような姿なのか、わかりませんか?」

 エレーナに聞かれて僕は亀裂の中の紫がかった塊を凝視したけど、はっきりした形までは判らない。

「まだほとんどが亀裂の中だから、形ははっきり見えない!」

「でも、少しづつこっちへ出てきてる感じだっ!」

「この距離では危険ですね、もう少し邪魂から離れましょう」

 エレーナの言う通りだ、こんな出現の仕方の邪魂だ、どんな攻撃をしてくるか想像がつかない、用心に越したことはない。

 僕たちが邪魂の這い出してこようとしてる空間の亀裂から離れ始めたとき、亀裂が一気に拡がって邪魂の全身が見えるほどになった!

ガッガッガッガガッ!(裂け目が拡がる音)

「出てこようとしてるッ!」

 アルがそう叫んだとき、なんと、直前までそこに見えて、こちらの空間に出ようとしていた邪魂が消えたのだ!

し~ん(一瞬の無音・・)

「?」

「姿が見えないわッ! どうしたの?」

 邪魂が消えてしまったことでタミーも動揺している。

「どこ? 邪魂はどこへ行ったの?」

 アルにいたっては邪魂が消えたことで動揺どころか怖がってしまってる。

 しかし、エレーナは違っていた、しっかりと状況の把握に努めている感じで、邪魂の所在を僕に聞いてきた。

「ユウト、あなたには邪魂は見えていますか?」

「い、いや、僕にも見えなくなった」

 僕の返事を聞いたエレーナは今までに見たことないような険しい顔になり。

「これはマズいですね、ユウトにも見えなのでは邪魂が近くに居るのかすら判らない、目を塞がれてるようなものです」

 僕にも邪魂が見えなくなってしまっては真っ暗の中、戦おうとしてるようなものだ、

誰から言うでもなく僕たちは互いに背中を合わせるようになり、四方に目を配って警戒した。

「タミー、火炎弾はしまって、あなたも防壁を拡げて邪魂の攻撃に備えて下さい」

「分ったわ、私の持てるだけの力で防壁を作るわッ」

 エレーナの指示に従いタミーも防壁術を展開し、僕たちの周りをエレーナとタミーの二重の防壁が包んだ。

 しかし、いくら防壁で身を守ることが出来たとしても、邪魂自体の姿は一向に見えてこない。

 すると見えない邪魂は予想外の方向から攻撃を掛けてきた!

 なんとその方向は、僕たちの真上からだった・・・

初めての分割話です。

どこで割ければいいのか、ちょっと迷っちゃいまして、

ほとんど適当に割けたので、読みにくいかもしれません、ゴメンナサイ・・

ご迷惑をお掛けしますけど、どうか読んで下さいませ!

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