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~美味しい朝食~

    ~美味しい朝食~


 一夜が明け次の日の朝がきた。

 人間界の僕はなかなか起きず、いつも母親に起こされ、嫌々起きていたんだけど、こっちの世界に来てからは自分でも驚くくらい早く起きるようになってる、まぁ寝るのもかなり早いから早寝早起きをしてるだけだけど・・・

 こっちには時計というものが無いらしい、少なくとも僕はいままでこっちでは時計らしきモノを見ていない。

 だからだけど、いつも朝は、だいたい陽が昇ると朝と認識し、陽が沈むと夜と認識する、まぁこう言うとかなりアバウトな世界と思えちゃうけど、それで特に問題になってるような事も無いらしく、実際僕たちも特に不自由はない、それでもエレーナの早起きには驚く、毎日4人のなかで一番早く起き、陽に向かってお祈りのようなことをしてる、前に何をしてるのか聞いたら「朝の巫神のお勤め」とのことだった。

 今朝も僕はまぁまぁ早く起きたんだけどエレーナはすでにテントを出て、お祈りを捧げていた。

 朝のお勤めが終わったエレーナに声を掛けた。

「おはよう、エレーナ、今朝も早起きだね」

「おはようございますユウト、巫神のお勤めは毎日の日課です、しないわけにはいきません」

「相変わらずエレーナはマジメだね」

「そうでしょうか? 私は当然のことと思っていますよ」

「だろうね、まぁエレーナのそういうところ、僕はスキだけどね・・」

 僕は変なことを口走ってしまって、言った僕自身が恥ずかしくなってしまったけど、そんな僕をエレーナは見透かしてるように、

「あら、嬉しいことを言ってくれるのですねユウト、私も頑張ってくれているユウトがスキですよ、ウフッ」

 えぇ~っ! すっ、スキって、そのっ! え~と、そういう意味の好きってことかぁ~っ??

「ユウト、顔真っ赤ですよ、フフフ」

 そんなわけわからない状況になったとき、ちょうどタミーが起きてきた。

「おはよう~、あらユウトも起きてたのね、ふたりで何話してたのかしら、怪しいわね、ウフ」

「いっ、いやぁなんでもないよ、今朝も気持ちイイって言ってただけ」

「あら、そうなの? それにしては顔が真っ赤なのはなぜかしらね、ユウトく~ん?」

「・・・」

「おはよう、タミー、そんなことよりそろそろアルを起こしてくれませんか?」

 タミーに妙な勘ぐりをされても表情一つ変えずに話を変えたよ! さすがエレーナ!

「また私がアルを起こすのぉ~、私アルのお守り役じゃないわよ~もぉう・・」

 タミーはエレーナに文句を言いながらも、アルを起こしにテントに戻った、文句を言ってもしっかり役目をはたしてくれる、ホントタミーはイイ人、いやいイイエルフだ。

「コラ~ッ! いつまで寝てる~ッ! 起きろア~ルッ!!」

 テントでアルにタミーが怒鳴りつけてる、いいエルフだけど少々手荒なところもあるみたい・・まあそこは目をつぶっておくことにしようと思う・・・

ガシャンッバンッ

 タミーに怒鳴りつけられたアルが渋々起きてきた、タミーがアルの後ろからブツブツ言ってるみたいだけど、聞こえない。

「も~う、タミーって起こし方が怖くってキラ~イ!」

「何言ってるのよ、私だってやりたくないわ、アルがもっと早く起きればイイだけよっ!」

まったく、また小競り合いか・・いつものことだけど、こんな状態でもいざとなるとしっかりチームとして邪魂と戦えるんだから、このチームはホントすごいチームだと思うよ・・・^^


 朝からドタバタはあったけど、これでみんな揃ったわけで、揃ったところで早速朝食となり、アルに昨日仕留めたコーバットを取りに行ってもらう。

 ただ、このコーバット、少々大きく重いらしいので、僕もアルについて行き回収の手伝いをすることになった。

 林を奥のほうへ少し歩いた木にコーバットは翼?の部分を木の枝で木に固定されていた。

「アル、これアルがやったの?」

そう聞いてアルのほうを見るとアルはコーバットをニコニコしながら眺めてる。

「ア~ル? 聞いてる?」

「ん? あぁゴメン、何ユウト?」

「やっぱり、聞いてなかったか・・あの固定はアルがやったの?」

「そうだよ、コーバットは重いからいつもこうやってあとから何人かで取りに来るんだよ」

 僕にとっては木に固定されてるコーバットの画ズラは「グロい・・」というワードそのものだ。

 僕はコーバットという生き物を初めて見たんだけど、ザックリ言うとイタチにコウモリの羽を付けたって感じ、人間界では見ない生き物だろう・・たぶん・・・

「アル、あれを持って帰って、誰がさばくの?」

 僕はコーバットをさばくとかは絶対にムリだと思ったので、一応アルに聞いてみたんだ、するとアルはこともなげに。

「あぁ、コーバットをさばくのはアルがやるよ! アルたちキャットピープルはみんなコーバットさばくくらいは出来て当然なんだよ。へへへ」^^

「そうなんだ、すごいね・・ハハハ」

 いやぁアルがさばいてくれると聞いてマジ安心した、生き物をさばくなんて絶対ムリだと思ってたから、ほんとホッとした・・


 コーバットを木の枝に括りつけて、前後を僕とアルで担いでテントへ戻った。

 テントに戻るとエレーナとタミーがコーバットを調理する準備をしていた。

「エレーナ、タミー、お待たせ~ッ、コーバットだよ~ッ」

 アルは昨日自分が仕留めたコーバットを自慢げにふたりに見せて、ニコニコしてる。

「すっご~い! こんなに大きいコーバットよく仕留めたわね、さっすがキャットピープル! 見直したわよ、フフ」

「すごいですねアル、こんなに大きいなんて思ってなかったです、これで朝食はまかなえますね、感謝します」

 タミーはコーバットが想像より大きかったようで、本気で驚いてるようだ、エレーナもタミー程ではないけどかなり驚いてる。

 そんなふたりの言葉を聞いてアルも珍しく謙遜している。

「い、いやぁそんなに言われるほどのことじゃないからさぁ・・・へへへ」

 コーバットをアルがさばいて準備してあった火にかけて、丸焼きにし、それにスパイスになる木の実や香草、オリーブオイルのような油を掛けてみんなで食べた。

 実はこっちにも塩がある、だから塩とスパイスで味付けできるから、食生活的にはすごく助かる。

 コーバットの肉は初めて食べたんだけど、見た目とは違って旨かった! なんか豚肉に鳥皮をのっけた感じかな? 脂がのっててとにかく旨くて、できればまた食べたいくらいに旨かった^^

 4人でコーバットを美味しく食べて朝食終了!


今話は、サブタイトルをどうするか、迷いました。

結局このタイトルにしたんですけど、わたし自身、まだしっくり

きてないんですよね・・・

でも、このままじゃ明日になっても決まりそうにないので、

これにしちゃいました、ゴメンナサイ・・・

こんな感じですけど、今話も読んで頂けて感謝です!!

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