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 ~毎日こんなだとイイんだけど~

     ~毎日こんなだとイイんだけど~


 どのくらい時間が過ぎたのか? 傍の木の上でタミーがハープで優しい音色を森に流している。

 よく見ると、タミーのいる木の周りにはいろんな動物が集まって、タミーのハープの音色を楽しんでいた。

「タミー、もうそろそろお昼なんじゃない?」

「あら、ユウト、起きたのね」

「お昼前に宿に戻っておいたほうがいいよ」

「そうね、では戻りましょうか、もう少しここにいたかったけど、待たせても悪いわね」

 タミーは集まっていた動物たちに、お礼とあいさつをして森を後にする。

「へぇ、タミーは動物としゃべれるんだね、エルフの見た目にピッタリでイイ感じだね」


 僕とタミーが宿に戻ると、アルがひとりで待っていた。

「ユウト、どこ行ってたの? タミーと二人だけでなんてずる~い、アルも行きたかった~」

 アルは自分だけ待たされてたことが不満だったようだけど、寝ていたのだから仕方ない。

 僕はアルの機嫌を損ねないような適当な理由を思いついてアルに伝えた。

「僕はタミーと森のほうを探りに行ってたんだよ、アルは寝てたから、起こすと可愛そうだと思って二人で行ったんだけど、ごめんよアルも行きたかった?」

 そう言うとアルは機嫌を直してくれたようで、

「アルも行きたかったけど、ユウトがアルを寝かしておいてくれたならイイ!」

 アルは素直な娘だからこういうときは助かる、僕はタミーに目でサインを送って、「うまくゴマかせたね」

 と伝えた、するとタミーはすぐさまウィンクで答えてくれた、タミーが僕にウィンクしてくれるなんて初めてだ、ただでさえ美人だし可愛いいタミー、そのタミーのウィンクなのだからその破壊力は計り知れない! 僕のハートはこの一撃で完全に撃ち抜かれてしまった感じ、僕は無意識にタミーを目で追ってしまっていた。

 男子の本能なのかもだけど、その本能に抗えない自分がハズイ・・・


 少しするとエレーナが戻ってきた。

 エレーナは支宮で本宮からの指示を受けてきたらしい。

「エレーナ、本宮からはなにか指示があったの?」

「はい、今日の指示はこの町から一日くらい離れた別の町での異変です」

 今回は邪魂じゃなく「異変」ってことらしい、ちょっと歯切れが悪い感じが気になる、するとタミーも同じように感じたらしく。

「エレーナ、異変とは何? 邪魂絡みじゃないってことかしら?」

 さすがタミー! 僕が聞きたいことをバッチリ聞いてくれた。

「今のところその異変とされる現象が邪魂によるものか、魔物やそのほかの者の仕業かはっきりしてません」

 その答えに今度はアルが反応して、

「じゃあ、もしかしたらタダのいたずらかもネ、アハハ」

「そうなんです、アルの言ったようにいたずらという可能性もあるので、その場合、私たちが行っても無駄かもしれません」

 僕たちは邪魂を冥府へ送るために集まってるチームだ、でもそのターゲットである邪魂が関わってなければ、僕たちが出ていくことはないんだろうけど、この世界には人間界の警察のような組織が無い町も多い、だから邪魂と関係がないことでも僕たちが呼べれることもあったりする。

「まぁ、いいんじゃない、その町も対処する組織が無い町なんでしょ?」

「そうね、私たちも、ここにいて暇すぎるのも困りものだし、このままじゃアルがずっと寝てたでしょうしね、ウフッ」

 タミーはそう言ってちょっとお茶らけてみせた。

「なによぉタミー、それじゃアルはいっつも寝てるみたいじゃない!」

 ずっと寝てると言われて、アルはちょっとふくれてるけど、ふくれながらも目は笑ってる

「あら、アルの寝顔、可愛くて私はスキよ」

 タミーとアルは時々ケンカするけど、こんな二人をみてると、なんだかんだ言っても仲のイイ仲間だって実感する。

 その後、僕たちは宿で昼食を済ませて、午後イチで本宮から指示のあった町へ向かうことにした・・・

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