~デッカイ岩のその奥は・・~
~デッカイ岩のその奥は・・~
異変の元凶に近づきつつある中、相手に悟られないよう巫神のエレーナたちに僕好みのコスプレ?をしてもらって、さらに馬車で進むこと数分・・・
「なんだか、岩だらけになってきたね、馬車進めなくない?」
徐々にではあるけど、それまで普通の土や砂だった地面に鋭く尖った岩が現れるようになってきた。
その岩は進むにつれ、どんどん増え、さらにサイズも大きくなってくる・・
「そうですね、この岩の状況では馬車で進むのはムリなようですね」
「そうねぇ~、馬車はここらへんで置いておくしかないかしらね、残念だけど・・」
「えぇ~、もう馬車ダメ~? 歩くのヤダなぁ~」
エレーナとカリーナが真面目に言ってるのに対し、アルは子供がダダをこねるように素直にヤダなぁ~って言っちゃってる・・
(ホント、アルは素直過ぎて羨ましいよ・・)
「みなさん、ここに馬車は置いて行きます、我慢ですよアル」
「は~い・・」
(いまの会話、なんだかお姉ちゃん〇花が妹〇葉をなだめてるって姉妹の会話っぽくてグッドッ!! まぁ今のエレーナは五〇分の〇嫁の〇花じゃなくてコ〇〇キ飛〇隊のザ〇なんだけどね・・^^)
僕たちは馬車が使えない岩ばかりで歩きづらい道なき道を徒歩で進む・・
「少しづつ木が生えてきました、木陰があれば少しは楽になりますよ」
めんどくさそうに歩くアルを気遣うようにエレーナが優しく言った。
(やっぱエレーナって気配りの女神だな・・)
木が木陰を作って、日差しを優しくして、エレーナの言葉もあって、アルの機嫌も少しだけどなおってきたみたい・・
そんな森の木々の枝をぬうように生気の流れはさらに奥へ続いている。
「生気の流れがどんどん強くなってるわ、ここまで強いと見たくなくても見えちゃうわね・・」
さらに進むと、森が切れて、その先に巨大な一枚岩らしきデッカイ岩が現れた。
「デッカイ岩ねぇ~、なんなのよ、まったく~」
その岩はザっと見ても高さは20メートルくらい、横幅は30メートルくらいに見える、圧倒的な存在感だ。
生気の流れはその岩に開いている穴に吸い込まれてるようだった。
「生気が岩に吸われてる」
「いえ、しっかり見て、あそこの穴に流れ込んでるのよ」
「穴?」
岩の下のほうに人が通れるくらいの小さな穴のようなものが見える。
「ホントだ! じゃあ、あの中に生気を吸い取ってるヤツがいるってことかな?」
「ここからじゃ中が見えないから、ハッキリは言えないけど、たぶんそうね・・」
「でも、これを使えばここからでも見えるよっと!」
僕は異空収納から暗闇空間で拾った双眼鏡を取り出して、それで岩の穴を覗いてみた・・
「う~ん、穴の中が暗すぎて、はっきり見えない・・」
「ちょっと貸して!」
僕から双眼鏡を取ってカリーナが覗く。
「う~ん、見えない・・でも、こうすれば・・」
なにやらカリーナがボソボソと詠唱らしき言葉を言うと・・
「見えるようになったわ、穴のずっ奥に光が見える、もしかするとあの岩は中が抜けてる形なのかもしれないわね」
カリーナの神術でも、岩の向こう側の様子ははっきり把握できない。
「向こうがハッキリしないうちは、むやみに中に入らないほうがいいようですね」
「そうね、でも、このままじっとしてるのも、わたしの性格的にちょっとね・・」
「じゃあ、こうしましょう」
「何?」
エレーナ、カリーナ、そしてタミーのやり取りにちょっとヤバい予感がしたんだけど、この場合、任せるしかない・・
エレーナとカリーナが考えた方法、それは・・・
「あの穴を塞いじゃいましょう、そうすれば生気の流れを邪魔された相手は、怒って向こうから出てきてくれるかもしれません」
「穴を塞いじゃう? どうやって??」
3人が考えた作戦はなんと、岩に開いてる穴を塞いで、奥にいるっぽいヤツを、言い方は悪いかもだけど、あぶりだす作戦だった!・・・
今話も読んで頂いて、ありがとうございます。
ここ数回の文字数が前に比べて少し多くなってしまっています。
できれば1000文字前後に揃えたいと思っているのですけど、なかなか
ちょうどいいところで切ることができず、文字数が多くなっちゃって、
読んで下さってる皆様にはご迷惑なことと反省しています・・
できるだけ各話1000文字前収まるよう、努力しますので、
次話もよろしくお願いします!!!




