~優先すべきもの~
~優先すべきもの~
タータンの町を出て、しばらく歩き、町から見えない場所で異空収納にしまっておいたアルファードに乗り込んだ僕たち・・
「さぁ、出発するよッ」
「は~い! ユウトしゅっぱ~つッ!!」
僕の後ろの席のアルはまるで子供のようにはしゃいでる。
ブ~~ン
久々の運転で緊張したけど、やっぱクルマの運転は楽しい!!
だけど、この世界には道らしいものは皆無、なのでクルマの進路には十分気を付けないと、岩とか尖ってるモノを踏んだりしたら最悪パンクの危険もある。
と心配してるのは僕だけで、後ろの乗客?の皆さんはペチャクチャワイワイ、ホントに遠足のよう・・・
「次の町まではどのくらい掛かるのかな?」
後ろのみんなのはしゃぎ様を横目に僕が次の町のことを聞くと、落ち着いて前を見ていたエレーナがいつも通り冷静に、
「このクルマというモノの速度がどのくらいなのか判りませんからはっきりは言えませんけど、歩くとだいたい5日くらいのようです」
「ふ~ん、そうするとクルマだと2~3日くらいで着いちゃう感じかな?」
時速100キロくらい出せればもっと早く着くだろうけど、ここは道が無い、そんな場所ではそれほどスピードは出せない、せいぜい時速30~40キロくらいが限度だと思う。
「それで、次の町でも、なにか異変が起こってるの?」
まだ次の町のことや、異変のこととか聞いてなかった僕は隣のエレーナに聞いてみた、するとエレーナは、少しも困ってる様子。
「どうしたの? 次も支宮から指示は来てるんでしょ?」
「えぇ、ただ支宮からの支持を先にするべきか、カオルの球を探すのを優先すべきか、迷っています・・」
たぶんエレーナは僕のことを気にかけてくれて、それで迷ってるんだろう、嬉しいけど、やっぱり仕事は仕事としてしっかりこなさないとエレーナの立場がなくなっちゃうだろう・・・
「エレーナ、支宮からの支持を優先したほうがイイよ、薫のほうはその後でも遅くないでしょ、アハハ」
「ユウト・・ユウトがそう言ってくれるのなら、支宮の指示を先にさせてもらいます、ありがとう、ユウト・・」
正直言えば、僕は薫のことが一番心配なんだけど、今はパーティとしてのことを優先させるべき、僕個人の感情でわがまま言っちゃダメなときだ!
皆様、今話も読んで頂き、ありがとうございます!
今話はほんのちょっとですけど短めになっちゃいました。
手を抜ているんじゃないのですけど「このくらいで」って
思ったところで切ったら、ちょっと短くなっちゃったんです・・
どうかご容赦下さいませ・・・
では、次話もよろしくお願いします!!!




