~準備~
~ 準 備 ~
老人に邪魂退治の作戦を話してキーウェたちを別の場所に移動してもらい、空になったキーウェ小屋で僕たちはいろいろ罠を張る準備に入った。
小屋に罠を仕掛け終わり、僕たちは小屋を出た、エレーナの提案で僕たちのニオイやオーラのようなもので感ずかれないようにするためだ。
さらにまだ陽があるうちは邪魂にさとられないように、僕たちは小屋に近寄らずに、老人の家で過ごすようにした。
夜になるまで特にすることも無かったけど、なんとなくみんな緊張してるのが分かってぎこちない感じだ。
「ねぇ、町まで戻って食べ物とか買ってこようと思うんだけど、なんか欲しいものある?」
アルが買い物とか言い出した、まぁ緊張してるみんなを和ませようと、アルなりの気配りなんだろう。
「それなら私も行くわ」
タミーも買い物について行くということで、二人には僕やエレーナの分の食料も頼んだ。
老人にサラブーを借りて二人はトレンスの町に向かった。
僕とエレーナは今夜の邪魂退治についていろいろ話した、けど、結局は邪魂がホントに地下から来るかどうかも分からない状況では、確かな対策も立てられずとの結論で終わった。
「まぁ、どうにかなると思うよ、罠も張ってるんだし、もしかしたら僕が邪魂接近を察知できるかもしれないしね」
「そうですね、あとは4人がそれぞれ全力を出すことですね」
「うん!」
「ただ、できれば邪魂の接近が分かるようなものがあれば更にイイのですが・・」
「接近が判るものかぁ・・」
まぁ確かにはっきり接近が分かれば、迎撃体制を整えやすい。
「そうだなぁ・・そうえいばそっちに竹林があったけど、あの竹使って簡易センサー作れないかな?」
「タケバヤシ? カンイセンサー? なんですか?」
「竹ってのは、あそこに生えてる木だよ」
「あぁ、バンビーのことですね、バンビーをどう使うんですか?」
「竹はバンビーって言うんだね、バンビーを切ってできるだけ深く地面に突きさす、
それを等間隔で何本も刺して並べる、土の中に刺さってる部分に何かが触れれば葉っぱの部分が揺れて知らせてくれるって、まぁこれ全部僕の妄想だけどね、へへ」
一応僕の思いつきのアイデアを言ってはみたものの、エレーナが同意してくれるとは思ってなかったんだけど、まさかの・・
「やってみましょう、そのセンサーとかになるかは判りませんが、なんとなく役に立ちそうな気がします」
なんと! エレーナが僕の思いつきにノッてきたっ! 奇跡だ・・
「まぁ、うまくいくかどうか微妙なんだけどね、それでもやる?」
「はい、やりましょう、ユウトのせっかくのアイデアですし」
僕とエレーナはさっそくアイデアを実行。
二人でバンビーを切り出し、地面に穴を掘り、バンビーを挿していると、アルとタミーがトレンスから戻ってきた。
「ただいまぁ~、二人とも何してるの?」
「あぁ、おかえり! これはちょっとしたアイデアを実行に移してるんだよ」
簡単に僕のアイデアを説明すると、すぐアルは興味を持ってくれて、手伝い始めてくれた。
タミーも同じように手伝い始めた。
切り出したバンビーは50本、それをキーウェ小屋を中心とした円に等間隔で地面に挿していく。
「できたっ! こうして見るとなかなかキレイなバンビーの壁だね」^^
4人で作業をしたので、予想以上に早く完成したバンビーの列を見てアルがキレイと喜んでいる。
「みんなご苦労さん、けっこう早く出来たね、しかもキレイに並んでる」
「私の作業ですから、適当なことは許さないわよ」
そう言ってタミーがドヤ顔をしてる
「なんでタミーがドヤ顔してるの? アルだってきっちりやったもん」
キレイに出来上がったことが、まるで自分の手柄のようにアルとタミーが言い合ってる。
邪魂退治の罠作りもアルとタミーにとってはイベントのひとつみたいだけど、こんな状況でも楽しんでるふたりがいるから僕たちはあまり暗くならずに済んでるのかもしれないと思う。
するとエレーナが、
「タミーにアル、そろそろお食事にしましょう、なにを買ってきてくれたのですか?」
エレーナも二人のじゃれ合いを上手くとめる技を持ってるようだ。
その技にかかったアルは即座に頭がお昼ご飯のことに切り替わったようで、ニコニコ顔で僕とエレーナにお昼のメニューを教えてくれた。
「今日のお昼はね、カニュのサラダサンドとコウ丼だよ!」
「あら、カニュのサラダサンドは美味しそう」
「ユウト、一緒に食べようね♡」
アルがサラダサンドを持って僕に駆け寄ってきた。
「いや、アル、僕だけじゃなくて、みんなの食事も用意してよ」
「ユウトがそう言うなら、準備するね」
不思議と僕が頼むとアルは素直に頼みを聞いてくれるので、最近は僕がアルのコントロール係になってるようにも感じてる。
「アルはユウトには素直ですね、できれば私やタミーにも素直になってくれるとありがたいのですが・・」
「アルにはユウトは特別だから! エレーナやタミーとは違うの、フフフッ」
アルはエレーナのお願いを適当に受け流して、僕のほうを見てニコニコしてる。
「僕が特別って何だよ・・」
そんなことを話してるとタミーが寄ってきて。
「私もユウトのことは特別に思ってるわよ、ウフフ」
「タミーまでふざけないでよ」
「まぁまぁ、そろそろ食事にしましょう」
エレーナのひとことでやっと食事になった。
アルとタミーが買ってきたカニュのサラダサンド、コウ丼はなかなかの味でみんなペロッと完食してしまった。
午後はエレーナの提案で夜に備えて休息することになった。
エルフのタミーは近くの大きめの木に上がって、自身の心のメンテをしてる様子。
アルは相変わらず、僕のそばを離れようとせず、僕のそばで身体を丸くして眠っている。
エレーナは神術を使って他の巫神と連絡を取りあって、邪魂について新しい情報などを共有してる。
僕は4人のなかで僕しか持っていない邪魂を察知する能力が夜しっかり機能してくれるように、やったこと無いけど目をつぶって精神統一みたいなことを必死にしてみた。
精神統一しようとするとなぜか呼吸を止めてしまって、めちゃ苦しくなって。
「グハッ! ハァハァ、苦しッ、今度こそ死ぬかと思った・・ハァハァ」
とまぁ顔が真っ赤になって、他人が見たら爆笑しそうなくらい不細工になってたと思う・・・
ここまで書いて、ちょっと困ったことに気づいちゃいました。
それはサブタイトルのつけ方です。
自分で書いた文章なのでサブタイトルなんて簡単!っておもってたんですけど、
実際に付けてみると、なかなかイイタイトルがつけられないんです・・
わたしのセンスの問題っていうのがハッキリしてるので、余計につらいんです・・・
センスのいいサブタイトルをつけられる人が羨ましいです。




