~タミーの目、リベルタ ~
~タミーの目、リベルタ ~
アルとエミールを囮にする作戦が功を奏して、作戦実行二日目で早くも衛兵が二人に接触してきた、さらにその衛兵が二人を市庁舎へ連行していこうとしていた・・
「じゃあ、僕たちも追跡しよう」
僕がこう言って二人の後を追おうとするとタミーがそれを静止して、
「ちょっと待ってユウト、追跡のメインは見えてないカリーナに任せましょう、わたしたちは、少し離れて追うことにします」
「ん? なんで?」
「相手は衛兵よ、用心したほうが無難だわ」
おぉ~、タミーがここまで注意することなんて今まで無かった! 仲間を囮にしてるだけに、細心の注意を払ってるってことか・・
「そうだね、では僕たちは少し離れてついて行こう」
衛兵に連行される当人のアルとエミールは遠目に見ても、ぜんぜん緊張もしてないし、それどころかニコニコすらしてる・・
「あのふたり、もうちょっと怖がるとかしないと、逆に不信がられるよ・・」
「まぁ、アルにとってはあの程度の衛兵のひとりやふたりわけないけど、エミールもなかなかの肝の持ち主ってことが判ったじゃない、これからの旅も面白くなりそうね、フフフ」
ふたりはそのまま市庁舎の中へ連れていかれてしまった。
そんな二人を中まで追跡できるのは、ステルス化してるカリーナだけ、僕とタミーは市庁舎の見える場所で待機するしかない、モブで小心者?の僕にとっては気が気じゃない時間が過ぎていく・・
「タミー、これからどうする? エレーナに連絡したほうがいいんじゃないかな?」
僕が不安げに聞くとタミーは、ぜんぜん不安なんて無いっぽい感じで、
「大丈夫よ、本人たちもそこそこ強いし、いまはカリーナもついてるのよ、最強のボディーガードが脇でスタンバってるようなものなんだから、動きがあるまでゆっくり待ってればいいのよ、ユウトって心配性かしら?」
とタミーはいたって平静、でも僕的には、どうもこの場にエレーナがいないってことだけでかなりの不安要素なんだよね・・
「でもさ、一応エレーナには伝えておいたほうがイイと思うよ」
「まぁ、ユウトがそう言うなら」
と言ってタミーは渋々エレーナにツナギをとってくれた、タミーたちエルフのツナギの取り方は以前にエレーナが使っていたハリアーと似てて、やっぱり鳥を使うらしい、でも鳥の種類はハリアーみたいなサイズじゃなくて、すずめほどのサイズのかわいい小鳥といった感じだった。
「じゃあ、お願いね」
こう言ってタミーはツナギ役の鳥を空に放った・・
「あれ、タミーの伝令役の鳥? 小さくてかわいいね」
「そうよ、もう何年もわたしに仕えてくれてるわ、リベルタっていうの、エレーナが使ってるハリアーのように遠くには行けないけど、わたしたちエルフにはあれで十分なの」
「短距離専用なんだね、でも、長距離はどうするの?」
「そんなときはわたし自身で飛んでいくわ」
「それはそれは・・」
そういえば、リベルタってどこかで聞いたことがあるな? そうだ、むかし親戚のオジサンがそんな名前のクルマに乗ってたっけ・・・
今話も読んで頂いて、ありがとうございます。
今話の更新は遅くならずによかったです^^
今話には小さい鳥を登場させました、わたしの小さいころ
ウチでは文鳥やカナリアを飼っていて、かわいい声でさえずってくれたり、
手や肩に乗ったり小鳥ッてかわいいので、お話の中にもと登場させちゃうんですよネ^^
では、次話もよろしくお願いします!!