~暗い感じのする街~
~暗い感じのする街~
泊ってる宿のオーナーであるエルフ族のマリノさんからの頼みで、この町の市長の変貌の原因を探り、できればその横暴ぶりをやめさせるため、僕たちはとりあえず調査を始めることになった・・・
「この町の庁舎ってここから遠いのかしら?」
「遠いようなら、ホーサーの馬車とかチャーターしちゃうほうがイイよね」
タミーの心配にアルがサムズアップしながらホーサー案を出してきた。
これには僕も迂闊にも「イイ案かも」って思っちゃったんだけど、すぐに「ちょっと贅沢かな?」と考えを修正、でも意外にも・・
「ホーサーかぁ、イイんじゃないかしら、ねぇエレーナもそう思うでしょ?」
と、カリーナもわりと吝かでない感じ・・
ここでエレーナが、マリノさんに庁舎の場所を聞くと、
「庁舎までは歩くと10分くらいですから、アルさんのいう通り馬車で行かれるのもアリです」
市庁舎まで10分くらいとは、また微妙な距離感・・
「10分くらいなら町の見物も兼ねて歩いて行ってもいいですね」
と、ドーラが言うとさっきホーザー案を出した当人のアルまでもが、
「そうだね、街の観光しようッ!」
「アル、さっき言ったホーサー案はイイの?」
「え? あぁ~、あれは無しッ!」
「あ、そう・・」
このアルのザ・手のひら返しには僕も唖然、ただ、ため息しか出なかった・・
そんな感じで僕たちは徒歩で市庁舎まで行ってみることになった・・
途中いろいろな店が並んでいて、街の感じは普通でイイんだけど、肝心の人の様子、特に表情がみんな暗い感じがしている。
「ここの人達、なんだか暗い感じだよね・・」
「うん、だれも笑ってる人がいないよ」
僕が何気なく言ったことにアルが反応してくれた、するとそれに続けてベルタとエミールが、
「市長の突然の変化が関係してるんじゃないでしょうか?」
「わたしもそう思うわ、税金を払え、さもなければ子供を差し出せなんて言われれば、誰だって不安でニコニコなんてしてられないでしょ」
歩いてる僕たちに気付いた人は、そそくさと家に入ってしまって、会話すら出来るような空気感じゃないようだ。
さらに歩を進めると、視線の先に他の建物より一回り大きい建築物が見えてきた。
「あれが市庁舎かな?」
僕に悪い先入観があるせいか、その市庁舎は見るからに他を睥睨するかのように聳えていた・・・
今話も読んで頂いて、ありがとうございます。
今話もちょっと遅くなっちゃいました、ゴメンナサイ・・
他の作者先生方のようにサクサク書き進められる才能を
持ってないので、こんな感じが限界なんです、ご容赦下さい・・
そんなわたしですが、できるだけ2日に一度の更新ペースを
続けていきたいと思っていますので、これからも
よろしくお願いします!!




