~トレンスへ~
~トレンスへ~
せっかくの好意なので、遠慮なく二頭のサラブーを借り受けることになり、それぞれ二人づつ跨ってトレンスに向かって進み始めた。
「何かの役に立つかもしれないから、もしなにかあれば我々を呼んでほしい」
と、最後に族長のマッカイが言ってきたのを聞いてタミーはニヤニヤしながら。
「ばっちり、思惑通りになったわ、恩は売っておくものよ、ウフフ」
「それにこんな便利な乗り物も貸して貰えたし、ラッキーだね、ユウト」
「それにしても、やけに好意的だったし、言葉もしっかり使ってた、ゴブリンといっても、あの種族は人に近い種だったのかもしれないわね」
「まぁいろんなゴブリンがいるのでしょうね」
パカパカと軽快な音色を奏でながらサラブーは進んでいく。
そんなことは気にも留めなてない様子の僕の後ろのアル、僕と同じサラブーに乗って上機嫌な様子で、僕の背中から抱きついてきてニコニコしてる。
「アル~、ちょっと離れてよ、苦しい・・」
そんなアルの態度を見てエレーナが。
「アルはユウトが大好きなのですね、一緒に行動するどうし、仲が良いのはイイことです、フフフ」
エレーナがそんなことを言ったもんだからアルはそれまで以上にギュ~っと僕に抱きついてきた。
「ちょっ、ちょっとアル~苦しいよ~、エレーナも変なこと言ってないで助けてよ~」
すると今度はタミーまでも余計なことを言ってきた。
「アルばっかりズルいわ、私もユウトと一緒に乗りた~い!!」
「まったく二人共、頼むから真面目にしよう、ねッ!」
こんな感じのグダグダのまま僕たちはトレンスへ向かって進む・・
しばらく進んでいると、視界のずっと先のほうになにかが見えてきた。
まだまだ先のほうだから、陽炎の中で揺れていてはっきりは見えないけど間違いなく何か人工物が見えてきた。
「あれ? もしかしてあれってトレンスの町かな?」
僕はおでこに手をやり、ひさし代わりにしながら先に見えてきたものを見て、エレーナに聞いてみた。
「ユウトは目がいいですね、そうです、あのずっと先に見えてきたのがトレンスの町です」
「やっとトレンスが見えてきたのね、はやく横になりたいわ~」
タミーはかなり疲れてる様子。
「エヘヘ、僕は視力だけは自慢できるんだ、両目とも1.5あるんだよ、スゴイでしょ」
視力とか1.5とか3人ともまったく判らず「?」が頭に浮いてるっぽい顔をしてる。
「あっ、判らなかったか・・」
「ユウト、シリョクって何? イッテンゴも判らないよ、説明して」
案の定、アルが僕の顔を覗き込むようにしてストレートに聞いてきた。
「う~んとね、ざっくり言うと・・目の良し悪しを示す言葉かな?・・」
僕も自分で言っといて、説明しろと言われるとなかなか難しい・・
「じゃアルもイッテンゴだね、もうトレンスの町がしっかり見えてるもん!」
「いや、それ1.5以上あると思う・・」
するとエレーナも中途半端にノッてきて、
「アル、イッテンゴで良かったですね^^」
「ウン! イッテンゴだよっ!!^^」
今日も投稿できました!
これで4日連続投稿!すご~い!!(自画自賛^^)
でもその代わり誤字脱字がめっちゃ多いかもしれませんけど、
どうかご容赦ください・・・
また、次も頑張りますので、よろしくお願いします!




