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第9.5話 もしかして不審者は俺?

本編第9話のダン視点です。


第9話と会話文は同じです。

苦手な方はすみません。

 昨日街に帰るのが遅くなったせいで起きるのが昼近くになっちまった。

昨夜のうちに今日は休みと決まっていたので、寝坊しても焦りはしなかった。

朝食というか昼飯を食べに、広場に行って適当に食べる。

もう一度寝るかと宿に戻ろうとしたときに、最近気にかけているニーナが目に入った。

「おう、ニーナじゃないか。買い物か?」

俺が呼んだことでニーナがこちらに振り返ったが、今まで居なかったはずの肩でプルプル揺れているものが気になる。

「ダンさん、こんにちは。街探検中です。ダンさんはお休みですか?」

「昨日、戻るのが遅くてね。さっき朝兼昼を食べてきたところ。聞いていいのかな、ニーナ肩の揺れているのは?」

どうしても気になったから、聞いちまった。

だって気になるだろ。

「偶然テイムできたスライムのルルです。かわいいんです」

どうやらテイム出来たスライムみたいだ。

それにニーナが手に持って名前を紹介してくれると触手を出して返事を返してくれる。

(いいな……)

「確かにかわいいな。俺が持っても大丈夫かな?」

思わず持って大丈夫か聞いてしまったが、ニーナは嫌がらずに大切な相棒を持たせてくれた。

「大きさも変わるんだな。しかしこの抱き心地癖になるな」

もの凄っく抱き心地がいい……。

(あまり長い時間持ってたらニーナが不安になっちまう)

お礼を言って、ニーナにルルをそっと返す。

「ニーナの大事なルルを触らせてもらったからな、ぜひお礼させてくれ」

「いいですよ。この前だってお肉貰っているんですから」

ニーナは遠慮したけど、そこはお礼だと押し切って屋台が多い広場に連れて行った。

しかし、やっぱり以前考えた通りに人について行っちゃだめだと注意しなきゃな。

空いていた席をニーナに席取りしてもらって、苦手なものを聞いて色々買いに行く。

しっかりしているニーナでも苦い野菜が嫌いなのは子どもらしくてほっとする。

ここぞとばかりに、甘い物や野菜も使用されている間食にちょうどよさそうな物等を買っていく。

飲み物に果実のジュースを買ってニーナの所に戻る。

「何が好きかわからないから色々買ってきたよ」

手を出させて、その上に買ってきたものをどんどん乗せる。

「こんなに食べきれませんよ」

ニーナは慌てたが、これでもて減らした数を手に乗せてしまう。

「収納してとっておきな。どれか一個だけここで食べればいいよ」

収納させることが目的なんだから、収納してくれ。

「もらったお肉もまだ残っているのに、申し訳ないですよ」

「何言ってんだ。ニーナの大事なルルをこんなおっさんに触らせてくれたんだぞ。そのお礼なんだからさっさと収納する。そんで好きな時に食べろよ」

この言葉は本心で言ったらニーナに伝わったみたいで、今食べる分を残して収納してくれた。

片手が空いたので、すかさず果実のジュースのコップを渡す。

もうこの段階だとあきらめたみたいで、おとなしく貰ってくれた。

「ダンさん、これ美味しいです」

俺が知る限りこの街に来てから初めての甘味だろう。

ニーナは凄く嬉しそうに感想を言ってくれた。

でも、これだけは言っておかないといけないと思ってついに注意することにした。

「ニーナ、俺が言うのもあれなんだけど、食べ物渡されたりあげるって言われてもついて行っちゃだめだぞ」

ニーナに小さく噴出されてしまった。

でも、とても大事なことだから念のためもう一度注意しておく。

「まさしく俺がやってる行動だもんな。でも、悪いやつもいるから駄目だからな」

「ダンさんは最初っから優しかったじゃないですか。ちゃんと自己紹介もしてくれたし。」

ニーナが笑いながら言うから、照れてしまった。

けど、違う。危ないやつも居るんだって本当にわかっているのか……。

「とりあえず、ちゃんと警戒しろよ!ついでだ、なんか行きたい場所でもあったのか?」

真面目に採取しているニーナが普段いない時間に街に居たので、行きたい場所があるのか聞いた。

「買い物はまだ無理なんですけど、体力が少ないので街の中で走り込みとか運動できる場所があるかなって思って」

ああ、ニーナはまだこの街が不慣れだから知らなかったか。

「ああ、ギルドの1階の奥の扉から出ると、ちょっとした広場みたいになっているんだよ。ちょっと訓練って奴はそこでやってるから広場に行ってみな。ただ、組手や魔法の訓練は壁壊す奴が多いから禁止されてるから気をつけろよ」

ギルドの広場のことを伝え、ついでに禁止事項も教えておく。

「明日から行って走り込みします」

「おう、それがいい。逃げるにも体力が無かったらできないからな。じゃあ、俺はそろそろ帰るよ。ニーナも探検はいいけど、大きい通りだけにしておけよ」

ニーナは本当に真面目だ。

このまま段階踏んで成長していけば森に入ったまま戻ってこなかった新人たちみたいにはならないだろう。

「はい。ご馳走様でした」

飲み終わったコップを回収してニーナに別れを告げる。

コップを購入した場所に返して、今度こそ本当に宿屋に戻る。

しかし、知らないやつが見ていたら完全に俺は少女に声をかけている怪しいおっさんだな。

まあ、ニーナの手持ちの食料を増やせたし、ルルも持たせてもらったいい休日だと思おう。



ダンはおっさん言ってますが、20代前半です。

10才から見たらおっさんなので、おっさん言ってます。

ダンより古参の人達から見たら、新人は脱しているがまだまだ若造です。

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