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浄化


 城に来てくれたドワーフたちの動きは、めざましいものがあった。

 彼らは凄まじいパワフルさで装備を造り始め、あっという間に200人ほどの剣や鎧を作成してくれたのだ。

 しかも、その装備品は、街で購入すればかなり高額になるだろう、一級品のものだった。


 ……この間に、俺の発案した「補給部隊」の計画も着々と進んでいた。

 

 まず、手に入れた20個の“運び士”の結晶を、20人の兵士に分け与える。

 こうして作り出した“運び士”に、警護の兵士を5名ずつ付ける。

 警護の兵士には特別に多くの結晶を与え、戦力として強化しておく。


 こうして造り上げた6人一組の部隊に荷馬車を与え、11箇所に散らばるスポットを往復して貰った。

 そのことにより、スポットに討伐に出かけているパーティーは、わざわざ素材を城に持って変える必要がなくなった。



 「ピギー様、特に南にある岩石地帯を優先的に往復させてはいかがでしょうか!? 」

 とあるとき、ムラサミに助言された。

 「南の岩石地帯……、なるほど……! 敵から鉄鉱石が採れる、というわけだ? 」

 「……はっ、さすがでございます、ピギー様! 」

 ムラサミは丁寧に頭を下げた。


 城の南にある岩石地帯では、岩の姿をした魔物が大量繁殖していた。

 禍岩、歩く岩石、破滅岩と、倒せば「鉄鉱石」が採取出来る魔物で溢れていたのだ。

 

 城に尋ねてきてくれたドワーフたちは、大量の鉄鉱石や、鋳造用の素材を持ち込んでくれていたが、それも早くも尽きかけていた。

 なにしろ、武器や防具は大量に必要なのだ。

 彼らが持ち込んだ素材の数だけでは、すぐに間に合わなくなってしまう。

 この国で、新たに素材を採取する必要があったのだ。


 

 「良いアイディアだ、ムラサミ、そうしよう! 」

 「はっ、ありがたきお言葉! 」

 

 俺はムラサミの助言通り、南に向けて補給部隊を四組送った。

 

 こうすることで、南の岩石地帯から、定期的に魔物の死体が届くようになった。

 それらの死体から俺は鉄鉱石や希少な鉱石を取り出し、ドワーフたちのために用意した「工房」へと運び出させた。


 ……これがルーティーン化し、




 ・岩石地帯から死体が届く 

 

     ↓


 ・死体から鉱石を採取する


     ↓


 ・ドワ―フたちの工房に鉱石を届ける


     ↓


 ・新たに装備品を作ってもらう


     ↓


 ・補給部隊を使って、岩石地帯にいる兵士たちに装備品を届ける


     ↓


 ・ついでに、魔物の死体を回収してきてもらう。


     ↓


 ・始めに戻る。


 


 という流れが出来上がった。


 一度流れが出来てしまえば、効率化は一気に進んだ。

 岩石地帯にいる兵士たちは城に戻ってくる必要がないのだ。

 そのことによって、かなりのタイムロスが削減された。


 ……ドワーフが来てから一週間が立つ頃には、岩石地帯のスポットは半分以上が殲滅を終えていた。


 そしてもうひとつ、決定的に事態が好転する出来事が起こった。



 ……



 ひたすら魔物を結晶化していくなかで、ある結晶が城の倉庫に貯まり始めていた。


 それは、この結晶だった。




 《ボーナス》 固有職スキル上昇(大) ×16


 

 

 基本的には、結晶を保管してある倉庫には俺しか入れない。

 兵士たちには悪いが、希少価値の高いものは俺以外には与えないようにもしていた。

 これは、「結晶化出来るのが俺だけである」という特権のためでもあるが、戦力バランスのためでもあった。

 わかりやすく言えば、俺より強いひとが続々と出てしまえば、結晶の管理が危険にさらされかねないのだ。

 要するに、結晶を狙って反旗を翻す輩が現れかねない。

 それを防ぐためにも、俺は一番に結晶の恩恵を預かり、「強者」でいる必要があるのだ。


 

 「さて、喰ってみるか……」

 

 

 16個の固有職スキル上昇(大)を喰うとどうなるのか、予想がつかなかった。

 

 だが、喰ってみると、すぐにその効能がわかった。

 勘というか予感というか、自分に「なにが出来るのか」が直感的に理解出来るのだ。


 「ど、どうですか、ピギー様!? 」

 隣にいたムラサミが、恐る恐る尋ねる。

 

 「この力は、多分……」

 

 と俺は呟いた。


 そして、魔物の死体を積んだ倉庫に移動すると、その死体に向けて、“修理”スキルを発動した。


 ……すると、


 みるみるうちに動物系の魔物たちが、まさに動物へと、その姿を変えた。


 ……いや、正確に言うと、“魔物化”が解け、“もとの動物”へと、“浄化”されたのだ。


 「修理スキルが上昇して、“浄化スキル”が発現したらしい……! 」

 「すごい……、爛れ馬や、臭い蟹、腐敗蛙たちが、馬や、蟹や、もとの蛙に戻っている……! 」

 ムラサミも驚いて、そう呟く。


 「ムラサミ、これで、この国の食料問題も、かなり解決しそうだ……! 」

 はっとして、ムラサミが呟く。

 「そ、そうか! これで、魔物たちも、喰えるようになる、というわけですね……!? 」

 俺は、喜びの表情を徐々に表し始めたムラサミに、ゆっくりと頷いた。


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