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荒原の先





 その後もティスタさんたちのパーティーと西のムールの洞穴を目指して前進していった。


 (近くで見て気づいたけど……)

 (このひとたち、全員強いな……)


 怪我で負傷してから大手ギルドに所属できなくなったと聞いていたから、キースさんもユリも戦闘面では役に立たないのかと思っていたが、全然そんなことはなかったのだ。


 (というか、どこが弱くなっているんだ、このひとたち……? )


 ユリは右手の指が数本無くなっているが、歯を使って上手く弓を引き、素早く敵を倒していた。

 キースさんは右手が失われていたが、左手で槍を振り回して敵を殲滅していた。


 (キースさんは利き腕じゃないから弱くなったと言っていたが……)

 (むしろ普通の冒険者より遥かに強い……)


 器用に左手で槍を操作し、あっさりと魔物たちをなぎ倒しているのだ。


 (逆に言うと、傷を負う前のこのひとたち、どれだけ強かったんだ……??? )


 

 「ピギー君~、私たちが戦うから、どんどん剥いで良いからね~」


 長い剣をひゅんひゅんと振り回しながらティスタさんがそう叫ぶ。


 「は、はい! 」

 

 そう答えたときには、すでにティスタさんは砂埃の向こうで黒い影となって別の敵と戦っていた。


 (じゃあ、お言葉に甘えて魔物の素材を剥いでいくか……)


 辺りには16匹の魔物の死体が転がっていた。うち爛れ馬が4匹、腐り木が8匹、不気味花が2匹、ヘドロ岩が2匹だった。

 採取できた素材は、爛れ馬の結晶、肝、胃腸、尻尾がそれぞれ4個ずつ。

 腐り木の結晶が8個。

 不気味花の花びらが10枚、雄しべが10本、雌しべが2本。

 ヘドロ岩からは結晶が2個と、ヘドロ玉が2個採れた。


 採れた結晶については、

 《レベル》は14のものが7個、13のものが3個、12のものが6個だった。

 《ランク》に関してはCが3個、Dが8個、Eが5個採れた。


 《ボーナス》に関してはこんな感じ。



 《ボーナス》 魔術量増加(小) 

 《ボーナス》 薬草調合時効果アップ(小)

 《ボーナス》 調理師スキル上昇(小)

 《ボーナス》 皮剥速度上昇(小) ×2

 《ボーナス》 防御力アップ(小) ×4

 《ボーナス》 マヒ耐性 ×2

 《ボーナス》 スタミナアップ(小)×4


 

 (皮剥速度上昇があるのが結構嬉しいな……。剥いでいるときは無防備になるから、速度があがると助かる……)

 (ん……、これは……? )


 そこには、


 《ボーナス》高ランク結晶獲得率アップ(小)


 の文字があった。


 (高ランク結晶獲得確率アップ……? )

 (ランクの高い結晶が採れやすくなるということか……)

 (これを集めたら、そのうち高ランクの結晶ばかり採れるようになるということか……? )


 と、そのとき、突然風が止んで、俺たちのいる荒原の砂埃が一気に晴れた。


 「おぉ~、荒原を抜けたね~」

 と、少し先でティスタさんが声を挙げた。

 

 砂埃の先は美しい野原が広がっていた。

 少し先を川が流れ、その先に薄っすらとした道が続いている。


 「川辺はまた少し敵が強くなるから気をつけてね~」

 とティスタさんが言う。

 だが、本人は至って呑気というか、まるでピクニックに向かうような口ぶりなのだ。

 「ほら、ピギー君、こっちおいで、私のそばにおいで~」

 と、半ばからかうような口調でティスタさんがそう叫ぶ。

 「今、行きます~! 」

 と俺はどたどたとティスタさんのもとに駆け寄っていった。



 ……



 確かに川辺の魔物は荒野の敵よりさらに強かった。

 敵の種類も別のものが現れ始めた。


 川辺に着いてすぐに(くさ)(かに)5匹に襲われた。

 臭い蟹は身体の大きさが馬くらいで、紫色に腐食している。

 その身体は硬く、簡単には刃物を通さない。

 ティスタさんたちが4匹を引き受けてくれたが、残りの一匹が俺たちの方に漏れてきた。


 「マトイ、魔術を頼む! 」

 「……了解。“麻痺(パラライ)”」


 硬直した臭い蟹に近づき、その頭部に向けて思いっきりクレイモアを振り下ろした。


 ……だが、


 ガキィ


 という嫌な音とともに、刃物が蟹の表面で止まった。


 (一応食い込みはしているが……)

 (完全には通らないな……)


 そして、「ギギッ」と鳴くと、臭い蟹が動き始めた。


 (まずい……)

 (マトイの麻痺の効果がもう切れ始めている……)


 

 ――と、そのときだった。

 俺の頭上になにかの影がよぎったと思うと、



 ズバァァッ


 という音とともに、臭い蟹の身体が真っ二つに裂けた。


 そしてその影は臭い蟹の真横に降りてくると、「大丈夫? ピギー君? 」と余裕たっぷりの笑みで言った。


 「ティスタさん、ありがとうございます! 」

 「いいの、いいの。ここからは強いから、戦闘は私たちに任せて~」

 

 振り返ると、すでに残りの4匹の臭い蟹は地面に伏していた。


 (すげえ……)

 (これが元A級冒険者の実力か……)


 ティスタさんは素早く剣を振って臭い蟹の血を払うと、「ふふ~ん♪」と機嫌良さそうになにかの音楽を口ずさんでいた。

 残りのふたりも、いかにも気楽そうに遠くの風景を見ている。


 (ていうか、強すぎないか……? )

 (なんでこんなに強いひとたちが、大手ギルドで仕事を受けられくなったんだ……? )

 

 そう訝しんでティスタさんを見ていると、俺の視線に気づいたティスタさんがニコッと微笑みかけてきた。

 「どうしたの? そんなにお姉さんの顔をじっと見て」

 「い、いや、なんでもないです」

 と慌てて目を逸らす。

 

 (やべ……)

 (ついじっと見ちゃった……)

 (あまりにも顔が整ってるから、気を許すと見惚れちゃうんだよな……)


 「じゃあ、どんどん行こ~」

 とティスタさんはすたすたと歩き始めていた。



 ……



 その後、俺たちは日が沈むまで道なりに進んでいった。

 その間に現れた敵は臭い蟹が24匹、鬱魚(うつざかな)が11匹、ドロ(がい)が9匹だった。そのすべてをティスタさんたちが討伐してくれた。

 採取できた素材は臭い蟹の結晶が24個、肝が24個、……ハサミもすべて持ち帰りたかったが、あまりに荷物になるので2個だけ採取した。鬱魚からは結晶が11個、(はらわた)が11個。ドロ貝からは結晶が9個。殻も9個採取した。


 採れた結晶に関しては、

 《レベル》は17のものが21個、16のものが19個、15のものが4個だった。

 《ランク》に関してはBが2個、Cが26個、Dが14個、Eが2個採れた。


 《ボーナス》に関しては以下の通り。


 

 

 《ボーナス》 皮剥速度上昇(小) ×2

 《ボーナス》 魔術量増加(小) ×8

 《ボーナス》 薬草調合時効果アップ(小)

 《ボーナス》 調理師スキル上昇(小) ×3

 《ボーナス》 防御力アップ(小) ×4

 《ボーナス》 攻撃力アップ(小) ×2

 《ボーナス》 スタミナアップ(小)×4

 《ボーナス》 所持荷物量上昇(小) ×5

 《ボーナス》 所持物腐敗速度減少(小) ×4

 《ボーナス》 調理品質上昇(小) ×2

 《ボーナス》 毒耐性(小)×4


 

 (調理師関係のものが増えてきたな……)

 (戻ってきたら調理してみるか……)

 (あとは所持荷物量上昇と、所持物腐敗速度減少が手に入ったな……)

 (たくさん物が持てて、腐敗もしにくくなるということか……)

 (結構、ありがたいな……)


 あとはBランクのものがふたつか……。

 水晶を覗くと、Bランクの結晶には、


 《ボーナス》 呪い耐性(小) 

 《ボーナス》 固有職スキル上昇(小)


 と書いてあった。


 (固有職スキル上昇か……)

 (修理士の技能がより向上するのか……?)

(あとは……呪い耐性か……)

 と、そのときにふと思った。

 (待てよ……。これをマトイに喰わせたら、今からでも呪い耐性が付いて、少しでも呪いの力が弱まるんじゃないか……? )



 「じゃあこの辺りで、野営しようか~」

 とそのときティスタさんの声が聞こえた。

 

 顔を上げると、すでに遠くの地平には夕陽が沈みかかっていた。




 

 現在のステータス


 

 愛称:皮剥のピギー

 種族:人間

 同伴者:マトイ(忌み子) ティスタ、キース、ユリ

 所持金:金貨3枚、銀貨45枚

 所持品:クレイモア、ブロードソード、バタフライナイフ

     腐り木の結晶×18

     爛れ馬の結晶×26 尻尾×26 胃袋×26 肝×26

     不気味花の結晶×6 花びら×40 雄しべ×40 雌しべ×8

     ヘドロ岩の結晶×2 ヘドロ玉×2

     臭い蟹の結晶×24 肝×24 ハサミ×2

     鬱魚の結晶×11 腸×11 

     ドロ貝の結晶×9 殻×9







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