汚物
毎日投稿第14弾
よろしくおねがいします。
生まれた時から私は母に嫌われていた。
母は私の存在そのものが好きではないそうだ。
臭いし汚いから私のことが嫌いなのだ。
私は母のことが好きだった。
母はとても綺麗な人だった。
艶やかな長い黒髪、澄んだ瞳、陶器のような白い肌。
普段は温厚で人当たりもよく周囲の人から好かれていた。
地域でも頼りにされているらしくPTAの役員などもしていた。
夫婦仲も悪くない。
夫は外交官で、給料も高く裕福な暮らしだ。
炊事洗濯は母の役目だった。
母は家事がとても得意で、家の中はいつもピカピカだった。
家族のことも大切に思っているようだ。
料理も上手で、特にカレーが得意だった。
子どもたちの面倒もよくみる人だった。
とても愛情深い人で、母のいるところは常に笑顔に包まれていた。
しかし、母は私のことは嫌いなのだった。
私を見る時の母の目は、いつも汚いものを見るときの目だった。
それどころか、そもそもあまりこちらを見てくれることはなかった。
幸い、直接殴ったり蹴られたりすることはなかった。
私に触るのも嫌なのだそうだ。
私がお腹のなかにいた時から、私のことが嫌いだったらしい。
私はそのことがとても悲しかった。
しかし仕方なかった。
嫌いなものは嫌いなのだ。
私は母だけでなく、その他のほとんどの人からも嫌われていた。
母が自分のお尻を吹いたトイレットペーパーを私に向かって投げつけた。
そして、レバーをひねって私を排水溝へと流した。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ご意見ご感想、誤字脱字の報告、評価、その他もろもろなにかございましたら作者までご連絡ください。