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「とりあえず……もうぶっちゃけお前のご両親にも色々話さないか?」


 正直、既に嫁入りさせた娘を気絶させているので手遅れ感が否めないが、それでも俺が彼女へ処断をせねばならないところまで彼女は追い詰められている。

 自分で言うのもどうかと思うが、俺は嘘が苦手だ。レインが報告をするまでもなく、お嬢様に『向こうの実家で何かあった?』と聞かれれば素直に答えるしかないだろう。

 そうなれば、彼女がソペードの直臣である俺に対して『看過できない』行為を実行に移せば、それがたとえ未遂に終わってもお嬢様は許さないだろう。

 それはお兄様もお父様も同じことだ。そのあたり、本当に容赦がないのがソペードの気風だ。まして、自分の傘下である。そりゃあ許せない。


「最悪の事が起こったときの事も考えて……はっきり言うべきだろう。俺も気絶させたこと謝るから」

「……あのお父様とお母様にか?」

「……パパがそういうなら、それでいいけど」


 レインもブロワも、正直期待している風ではなかった。

 確かに、あんなに異常な表情をしている娘に気付かないなんて、前が見えていないんじゃないかって疑うレベルだった。

 しかし、それでもこの家の当主に話を通すのが筋というものだろう。少なくとも、それがソペードの流儀というものだ。


「それに、自分で言ってて説得力に欠けるが、ブロワのお父さんはソペードの前当主様に認められた方だ。信じよう、あの人を」


 それから、俺たちは自室を出てご両親の所へ向かった。朝食がそろそろ始まる段階であり、ライヤちゃんやヒータお兄さんと話をしていた。

 ライヤちゃんもヒータお兄さんも、どちらもシェットお姉さんが出席しないことである程度安堵していた。そんな雰囲気が漏れている。

 そんな状況で爆弾を落とすことは忍びないが、それでも言わねばならないこともある。


「おやおや、サンスイ君! ブロワ! レインちゃん! 待っていたよ、とはいえまだ時間があるがね」

「ええ、お茶を入れましょう。お砂糖はいるかしら?」


 なんというか、俺達が朝食をみんなで食べに来た、という感じではないことなど表情を見ればいいと思うのだが、なんでわからないんだろう。

 少なくとも、ヒータお兄さんもライヤちゃんも、お茶の準備とか朝食の準備をしているメイドの人だってなんとなく気付いていたのに。

 とはいえ、知らない振りをしているのではなく、本気で気付いていないのだ。であれば、教えねばならない。


「ああ、そういえばシェットが庭で立ち眩みをしたそうだね。そこを助けてもらったとか」

「まったくもう、きっと夜更かしをしていたのよ。あの子は昔からそうでねえ、母親になったのにその辺りも直っていなくて……」

「そのことで、お二人にお話があります」


 寝不足、ということは間違っていない。

 その一方で、伝えていない事実があるというだけだ。


「お二人は寝不足の原因はご存知ですか?」

「あれももう嫁いだ母親だ、きっと苦労があるのだと思う。しかし、同時に親離れをしなければならない年頃だ。助けを求めるまでは待つつもりだよ」

「そうね、家の格の事では苦労させていないと思うけど……それでも何かあるのかもしれないわね」


 この時、ご両親以外の面々の心は一つになっていた。

 なんで気付かないんだろうと、本心から恐怖さえ感じていた。

 気配を感じるまでもなく、表情に出ていた。


「そのですね……数日前にお会いしただけなのですが……その……実は」


 オタクのお嬢さんに首を絞められそうになりました、とはいきなりは言えない。

 とりあえず、最初の段階から話していこう。


「その、私は若く見えるものですから、ご存じの通りシェットお義理姉様から秘訣を聞かれたことはご存知でしたね」

「ああ……それはもちろん」


 流石に、メイドの前で婿の秘密に関して言う必要はない。

 濁した俺に対して、そこはちゃんとぼかして受け止めていた。


「その時気付いたのですが、どうやらシェット様は私のですね……若さに対して執着をされているようでした。正直に申し上げて……とても思い詰めていることがわかりました」

「なんと?!」

「まあ!?」


 そこで、ようやくご両親が驚愕していた。

 遅い、と誰もが表情に出していたが、気づいていない。


「おそらく、そのことで気に病んで、自分を追い詰めているのだと愚考します。寝不足に関してはそれが原因でしょう。そして、仙術を操る私は彼女の気配を濃く感じることができるのですが、嫉妬のあまり攻撃的にもなっていました。先ほど眠ってしまったと申しましたが……その実は、凶行に及ぶところを止めた次第です」

「そんな……」

「それは……」

「ドゥーウェお嬢様の耳に入る前に、どうにか穏便に収めたいのです。ご協力願えないでしょうか」


 そこまで言って、ようやくご両親は立ち上がった。

 慌ててシェットお姉さんを寝かせている部屋へ向かう。

 今更慌てているお二人に閉口しながら、俺たちも後を追うことにした。

 最悪、もう一度気絶させなければならないと思いながら。


「あなた……」

「ああ、頼んだぞ」


 部屋の中に入ったのは、流石に母親であるお母さんだけだった。

 お父さんは、なんで気付いてやれなかったのかと悔いながら、部屋の前で辛そうにしている。

 正直、あんなわかりやすく狂気を発していたのに、なんで気付かなかったのかと思っていたぐらいなのだが。


『起きなさい、シェット』

『お母様……』


 中の会話が聞こえてきた。

 病んだ女性が目を覚ましたことで、お父さんと俺以外の全員が嫌そうな顔をするが、しかし俺は中の気配を感じていることで違うと感じていた。

 彼女がいきなり正気に戻ったわけではないが、その雰囲気から攻撃性が失われていたのである。


『ねえ、最近眠れていないの? お庭で寝ていたそうよ?』

『……』

『嫌なことがあったんでしょう? 貴女は昔から、傷つくと眠れなくなっていたものね』


 会話は、正に母親と娘の物だった。

 すでに結婚して子供もいるシェットお姉さんだが、それでも彼女が『娘』であることに変わりはない。


『……あのね、お母様。みんなね、私じゃなくて他の子を見るの』

『そう……それは嫌だったわね』

『うん……みんな、私の事を見てくれないの。あの子は可愛いねって、綺麗だねって、言ってくれないの』


 泣き声が、扉越しに聞こえてきた。

 本来、貴族の家なら扉の遮音性も高い筈だが、それでも涙の混じった声がはっきりと廊下に立つ俺達に聞こえてきた。


『一生懸命お化粧して、歩くのも笑うのも頑張ってるのに、私が一番だって言ってくれないの』

『そう、お母さんは知っているわ。貴女が一生懸命頑張っていることはね』

『いっぱいお勉強して、話し方も頑張ってるのに……』

『ええ、そうね。貴女はお姉ちゃんとして、他の兄妹の前でも弱いところを見せなかった物ね』


 考えてみれば、当然の事だった。

 少なくとも、この場の全員は、扉の向こうの彼女の苦しみをようやく理解していた。

 彼女が才能あふれる鷹だったとして、如何に男性を蕩かせ、女性に嫉妬される美しい偶像であったとしても。

 それでも、才能があるブロワ達弟妹がそうであるように、その才能を生かすために必死で努力していたのだ。

 彼女が加齢によって失っていたものは、つまりは人生をかけて積み重ねた成果だったのだ。

 美というものを、彼女は全力で積み重ねてきたのだ。

 ただ生まれながらに顔がいいとかではなく、その上で全力で自分を磨いてきたのだ。


『いやあ……お母様……私はもう駄目なの? 皆から憧れる女の子じゃないの?』

『そんなわけないじゃない、シェット。貴女は昔も今も、ずっと変わらずに……世界で一番綺麗な女の子よ』


 少なからず、羞恥していた。

 両親の理解の無さに呆れていた俺たちは、両親が娘の事を何もわかっていないと思っていた。

 だが、違ったのだ。この両親だけが、彼女の涙ぐましい努力を誰よりも知っていたのだ。

 だからこそ、ここまで適切な対応ができたのだろう。

 彼女の心が安らぎ、楽になっていくことを、穏やかな眠りについていくことを感じていた。それこそ、気配を感じるまでもないことだったが。


「私は……愚鈍だ。娘の苦しみに気付いてやれなかった」


 いやまったくだ、とは思わないでもない。

 しかし、こうなればこの人の事を悪くは言えまい。

 ただ美に執着する女性としか思っていなかった俺たちは、その辺りは自粛していた。


「……言い訳になるがな、サンスイ君。私も妻も、今回の縁談を聞いた時、本当に嬉しかったのだよ。それこそ、一番上の姉の事が見えなくなるほどに」


 先ほどまで部屋でくつろいでいた時の、楽観と歓喜が消えていた。

 彼の表情通りに、ブロワのお父さんは俺へ感謝を向けていた。


「私達などよりも、ずっと君達はソペードの当主様たちにお詳しいだろう。ならば知っているはずだ、あのお二人がどれだけドゥーウェ様を溺愛しているのかということと、職務というものに忠実なのかを」

「はい、お厳しい人です」

「一般論ではあるがね、仮にブロワに何の才能もなかったとして、本家の実力者から娘をよこせと言われれば、我らに拒否権などない。貴族と言っても、そんな物だ」


 それは、帝国貴族の腐敗を知っている俺にはとてもリアルなことだった。


「そう言う意味では、ソペードはまだ情があるのだよ。そうでなければ、タイミングが良かったとはいえ、領地の交換という対価を示すはずもない。お前の娘を自分の娘の盾にする、と命じられても頷くしかないのだ」


 その言葉を聞いて、ヒータお兄さんの顔が沈んでいた。

 妹に嫉妬していたこと自体を羞恥して罪悪感を感じるほどに。


「だから私は娘を送り出した。ドゥーウェお嬢様の盾となると、敵が多いソペードの御令嬢を守る護衛として。正直に言えば……送り出すときは葬式をする気分だった」


 それは、凡庸な貴族の凡庸な判断だった。

 凡庸であってもわかっていたのだろう、才能があるはずのヒータお兄さんがよくわかっていなかったことを、貴族としてわかっていたのだ。

 才能などよりも重要な、当然の覚悟だった。


「だから私は、必死に働いたよ。娘が命をかけて与えてくれた機会だ、それを何がなんでも守らなければならないと思っていた。例えヒータから見れば凡庸に思えても、私は例年通り、前例通りのやり方を貫いた。その結果……なんとか今日まで、土地を取り上げられずに済んでいた」


 与えられたのは良い土地を管理する権利ではなく、良い土地の領主になる機会。

 そう捕えていたブロワのお父さんは、積み重ねていたものを吐き出していた。


「ブロワの手紙が来て、妻と一緒に読んでいた。たまにお嬢様の護衛をしているブロワを見た時、涙を流すこともしなかった。結局のところ、どんな噂を聞いても私は娘が生きて役目を終えるとは思っていなかった」


 その時、ようやく誰もが理解していた。

 このご両親が此処まで能天気になっていた理由が。

 ブロワが生きたまま引退できること、お嬢様の護衛を完遂したことに安堵しきっていたのだ。


「ブロワの噂を聞いても、サンスイ君の噂を聞いても、まったく安心できなかった。もちろん、ブロワの事をずっと考えていたわけではない。仕事の事にだって気を配っていたし、他の子どものことだって気にしていた」


 覚悟を感じた。

 ようやく俺は、目の前の彼からソペード傘下の覚悟を感じていた。

 護衛をする以上、死ぬのは当たり前だという価値観は、俺が信頼するソペードそのものだった。


「それでも、ずっと心配だった。何時訃報が届くのか、無言で帰ってくるのか、死体も出てこないのではないかと思っていた……だが、もう終わりだ。ブロワはもう戦死しない、それが嬉しかったのだ……」


 彼は危機感を失わなかった。

 彼は常に緊張感を保っていた。

 凡庸ではあっても、彼は父であり領主だったのだ。

 涙ながらに告白する姿が、俺には格好よく見えた。


「お父様……」

「ブロワ、父を許せ。成人しているのならともかく、幼かったお前を差し出した私を許してくれ……」


 凡庸故に、当然の感覚を持っている人だった。だからこそ、先日まで本当に大変だったのだろう。

 重荷が降りた、心配の種が一つ減った。それがご両親を異常なほど能天気にしていたのだ。


「お父様……私は、私は……その言葉だけで十分です!」


 ブロワの言葉も、本心だった。

 結局のところ、ブロワは両親が心底喜んでくれているだけで十分だったのだ。

 レインの事も、俺の事も、どっちも面倒なことがあるのに、それを一切影がなく全面的に喜んでくれるだけで、十分だったのだ。


「サンスイ君……君のおかげだと分かっている」


 今度は、俺だった。


「君がブロワの事を守ってくれたのだろう、ドゥーウェお嬢様の事を守りつつ、ブロワにも気にかけてくれたのだろう」


 それは、正にあらたまった言葉だった。

 俺へ感謝していることは、ずっと言っていた。

 それが、今は涙が混じっているだけで、歓喜から安堵に変わっただけで。

 だから、俺も凡庸な答えを返していた。


「ブロワは、もう大丈夫です。今後は、俺が幸せにして見せます」

「ありがとう……ありがとう……」


 涙を切って、お父さんは雰囲気を入れ替えていた。

 つまりは、自分の妹の情報が入る度に嫉妬していた、感謝しつつも武の才能故に死ぬことがないだろうと思っていたヒータお兄さんを見ていた。


「ヒータ……この際だ、お前にはっきり言おう」

「……はい」

「私は、お前に領地を任せられなかった」


 凡庸、という事実は曲がらなかった。

 多分、ここまではっきりとブロワへの想いを語ったのは、今が初めてだったのだろう。

 別に台本を考えたわけでもなく、周囲への影響も考えなかったのだろう。

 つまりは、ヒータお兄さんは父親の言葉を真剣に聞こうと思ったのは、今が初めてだった。


「……今は、わかります」

「ああ、そうだ。会ったこともない遠い昔の先祖ではない、幼い姿を知っている自分の妹が滅私奉公してくれたおかげで手に入ったこの土地に、骨を埋める覚悟がお前にはない……!」


 才能があふれる息子を、凡庸でしかない父親が叱咤していた。

 しかし、どちらが正しいかなどわかり切った話だった。

 それを、ソペードの権力者たちは察していたのだろう。

 ブロワの兄であるヒータの才能を認めつつ、領地を譲るようには言わなかったのだろう。

 今の当主であるお父さんの判断に任せていたのだろう。


「この際はっきり言ってやる。お前には才能があるのだろうが、領地経営に才能など必要ない!」


 内政チート、という言葉を思い出す。

 そういう物語があったことを思い出す。

 物語でしかないことを、あらためて実感していた。


「領地経営に才能が必要ならば、ソペードの前当主様は間違っても私にこの土地を与えてくださらなかった! 領地経営に必要なのは節度だ! 所詮ソペードや王家からお預かりしている土地でしかない、ということを忘れない節度だ!」

「……はい」


 感情が極まっているからだろう、お父さんの口から出てくる言葉はとても重かった。

 それを受け止めているヒータお兄さんは、その言葉で殴られているようだった。


「お前にはなかった、この土地に骨を埋める覚悟が! ソペードからお預かりしたこの土地を守り、次に伝える覚悟が! 才気のあるお前にとって、妹から与えられた土地に甘んじたくなかったのだろう。その想いが私にもわかるほどだったぞ!」

「おっしゃる通りです……」

「お前にとって、この土地など更なる立身への通過点としか思えなかったのだろう! ここで成果を出して、もしもソペードや王家から声をかけてもらえば、と夢見ていたのだろう!」

「……はい」


 領地を良くしたいとは思っていた。

 偽ることなく、成果を上げたいとも思っていた。

 自分なら、もっとこの土地を富ませることができると思っていた。

 それは領地に悪い事ではない。

 しかし、それは俺の素人考えなのだろう。


「……私は、お前の知っているように凡庸な男だ。才気あふれるお前に上手く言葉を伝えることができず、今言ったことを今まで伝えることができなかった」


 こういうきっかけがなければ、ブロワのお父さんは本心や熱意を息子に伝えることができなかった。

 ブロワのお父さんは、その凡庸さを呪っていた。

 自分が何を言っても、息子を説得しきることができないと思っていたのだろう。


「もしもの事があれば……その時は、ライヤの婿に任せるつもりだった。お前にはソペードの中心へ行ってもらう形でな……だが、お前が何を期待しているのか知らないが、立身出世をしたところで、何も変わりはしない。そこにはやはり、仕事があるだけなのだ」


 自分の可能性を信じている息子に、辛いことを言う父親。

 その言葉は、頂点とされている俺にはよくわかることだった。

 この国最強とされる俺でも、結局は護衛と指導しかしていない。

 それはつまり、他の剣士がやっていることとそこまで変わらないのだ。


「ライヤはともかく、お前は当時から利発だったから憶えているだろう。前の領地の良いとは言えない暮らしはな。」

「……はい、お世辞にも良いとは言えませんでした」

「そうだ、そこでの凡庸な仕事を認められて、私はこの土地を任された。しかしだ、領主である私の仕事そのものは、そこまで変わることはなかった。少々位置が変わっただけでな」


 貧乏だったが、裕福になった。

 それは大きな違いだろう、少なくともお父さんは軽く思っていない。

 しかし、今ここにいる面々は既に裕福なのだ。それこそ、周囲から羨まれるほどに。


「お前に才能あるとしても、それが文官の仕事であるのなら……規模が大きいか小さいか程度の話だ。そんなことは、それ相応の地位に生まれた者に任せればいい」


 その言葉は、ソペードの実力主義に反するようで、しかし違うものだと俺たちは知っている。


「お前がブロワに対して抱いている対抗心は捨てろ、お前に才能があることなど、知恵があることなど全部忘れろ。お前はこの家の跡取りとして生まれたのだ、その役割を全うしろ。その仕事を全力で成し遂げるものこそが……実力があるということなのだ」


 世間に名が知られることも、歴史に名を刻むことも、全部些細なことだと切り捨てる。

 

「お前が真に有能なら、どの立場でどのような仕事に就くとしても、この国のために最大限の努力ができるはずだ。良いか、ソペードの実力主義とはな……与えられた役割をまっとうできないものを落とすという意味であって、『才能』だけさえあれば上に登ることができるという意味ではないのだ」

「……肝に銘じます」


 解決した。

 結局、何もかもが解決してしまっていた。


 おそらく、ソペードの前当主であるお父様程に有能であれば、そもそもここまで問題がこじれることはなかった。

 しかしそれでも、一家の主としてブロワのお父さんは、家族の問題のなにもかもを解決していた。

 それがつまるところ、ソペードの語る実力なのだろう。

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この親父さんほんとうにかっこいいな
この話が読みたくて戻ってきた
[一言] 本当に良い両親。この親なら鷹を産むのも納得しかない。 お前が何を期待しているのか知らないが、立身出世をしたところで、何も変わりはしない。そこにはやはり、仕事があるだけなのだ ここ本当にそ…
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