朝早く。人生の喜びに私は目覚めた。
じゃばー。
「…ふう」
扉を開ける。がちゃり。閉める。ばたん。
「…ふう」
私はため息をついた。この感情を何と伝えればいいだろうか。
この感動をどう伝えればよいだろうか…?
(よし)
私は一人決意する。この感動を伝えるために言の葉を紡ぐ。
そう、感動。
(心穏やかに…。)
その心。明鏡止水。
早く早くと攻め立てる自分を戒める。
ただ、言の葉を紡ぐだけでも雰囲気は大事だ。
(………)
私は考える。考えに考える。
(!)
そして天啓が舞い降りた。これ以上はない。
「今、話そう…。この、感動を!感情を!す・べ・て・を!」
部屋に声が染み渡り、自身に跳ね返り、空気が張りつめた。
周りに木々があればざわめきを起こしたはず。
「……………………こほん」
しまった。緊張してきた。いいや普通に言おう。普通に。普通に。
「………………………………………………………………………………………」
……………。
「…………………………………………………………………………………………」
言えよ。
「あー、うん。こほん。こほん。マイクテスト。マイクテスト。本日は製麺なり」
何で、マイクテスト!?製麺って何だ!晴天だろ!
「黙れ!」
私はあなたにそんな日本語教えた覚えないわよ!!
「ビークワイエット!」
すいません!日本語でお願いします!
「静粛に。」
しーん。
「こほん…………。」
………………。
「あさばやに…」
やっと言い始めた。まじ締まらねえ。
「………」
あっ、はい。黙ります。すいません。
「今日も快便…。」
(えっ!これなに!?ツッコミだめ!?ノン!?)
「人生が!」
………。
「あさばやに、今日も快便、人生が」
…………。
「私の、私の最上の喜びを表した、いい句だと、思わないか!」
…………………、いいかとです。
「あさばやに!」
もういいよ!
「ウンコ!」
うるせえ!!!!