登場人物・世界観紹介(60話・番外編6まで)
□ 登場人物 □
日長椿 【ヒナガ・ツバキ】
主人公。特筆するべきことのない高校生。
東京在住だったが、両親の離婚で引っ越した。
あるとき何者かに刺し殺され(未遂)翡翠女王国でリブラたちに助けられた。魔法の教師になれと脅されている。
非常によく死ぬ。
師なるオルドルの読み手。
紅水紅華 【コウズイベニカ】
第十三代翡翠女王の娘。
即位こそしていないものの実質は翡翠女王。王姫とよばれる。
百合白とは姉妹だが似ても似つかないほど邪悪な性格。
玻璃・ブラン・リブラ
紅華の侍医。
医療魔術の腕前は女王国では並ぶ者がおらず《医聖》と呼ばれるほど。
若い頃は田舎の屋敷にて紅華とともに暮らしていたが、当時から医師としても魔術師としても天才的な才能の片鱗をみせていた。挫折を知らないお人好しな性格で、五年前、竜に襲撃された鶴喰砦に取り残された兵と市民を救うために単身乗り込んでいった。
少し垂れ目。
アリス=アネモニ
私立図書館の研究員。
猫耳美少女(32)
かつて黒曜ウヤクの家庭教師をつとめていた。
玻璃・ビオレッタ・マリヤ
リブラの娘。養女である。
雄黄市壊滅の際、孤児となった。
リブラに育てられ、魔法学院で医療魔術を学ぶ。
椿と同じく復讐を望むが……。
***女王府立魔法学園の人々***
星条百合白 【セイジョウユリシロ】
王姫・紅水紅華の姉。
彼女とは対照的に優しく穏やかな性格であり、五年前、竜が侵攻してきたときも竜鱗騎士団を派兵させず長老竜との対話を望んだ。
天藍アオイ 【テンランアオイ】
百合白に仕える美貌の竜鱗騎士。竜鱗騎士団団長。
マスター・カガチから主人公について《協調性》を学べと言われるほど自己中心的で協調性がない。
意外と戦闘狂で、闘争を楽しんでいる節がある。
灰簾柘榴 【カイレンザクロ】
魔法学院理事。
星条百合白派で、紅水紅華とは敵対している。
マスター・カガチ
魔法学院魔法学科教師。元、南方大将軍という肩書を持つ竜鱗騎士。
弟子である天藍アオイと同じくかなり好戦的な性格、二刀流。
怪我によって引退したものの、剣の腕前は確か。性格的にも肩書的にも、生徒や教官らに慕われている。
ウファーリ
真紅の髪をなびかせた、普通科クラスの女子生徒。
海音の能力者。
貧民街出身で暴力的な性格だが料理はできる。
色々なことがあり、魔法学院を退学。椿と友だちになることになった。
真珠イブキ
薄紫色の髪に、水色の瞳の少女。
竜鱗魔術師。
家が貧乏すぎて、いつもアルバイトをしている。
そのせいで、殺人事件の容疑者として疑われるハメに……。
***女王府***
黒曜ウヤク
先代翡翠女王の代からの大宰相。頭脳明晰なやり手で、内政から外交問題まで一手に担う。使い道が多く役に立つという意味で、女王府の黒曜石とあだ名される人物。
その正体は、日長椿と同じく異世界からの来訪者。
かなりの高齢だが魔法薬の力で若さを保つ。アリスとは師弟関係にある。
漫画の収集が密かな趣味である。
黒き月のデナクの読み手であり、海音の使い手。
ノーマン副団長
現竜鱗騎士団、副団長。露出の多い服や軽薄な口調から勘違いされがちだが、非常に常識的な女性。カガチの現役時代にはその副官を務め、《結界のノーマン》と異名をとった。
戦闘能力よりも敵の捜索や仲間たちの能力を底上げするといった変わった竜鱗魔術を好んで使う。
百合白のよい話し相手で、天藍アオイの姉貴分である。
ただし黒曜にはあまり好感を持っていない。
***市民図書館***
黒曜ウヤクが寄付金を出し、《青海文書》の原典を守るために建てさせた図書館。
イネス・ハルマン
私立図書館の警備員。
気さくな好青年。赤毛で、顔にめだつ古傷がある。
雄黄市が壊滅した際、逃げ遅れた市民を匿い鶴喰砦に立てこもった《奇跡の生還部隊》の生き残り。
□ 世界観 □
…翡翠女王国…
翡翠女王によって統治される王国。
十三代女王が斃れ、娘である紅水紅華が王姫として国政に携わる。
女王国は魔術の盛んな国家であったが、現在は竜鱗魔術と天律魔法の二つしか許されていない。
…翡翠宮…
女王の住まい。王宮
…女王府立魔法学院…
女王国首都、海市にある高等教育機関。
魔術の専門コースのほかに、普通教育を行う科も揃えている。
◇ 魔法 ◆
…天律魔法…
全ての魔法を律する魔法。
翡翠女王、またその不在のときは直系の子のみが扱う。
万能の魔法とされているが種類がある。
紅華の天律は《閉鎖》と《解放》、百合白の天律は現在は《閉鎖》のみ。
…竜鱗魔術…
竜にまつわる戦闘系の魔術。竜の鱗を体に移植することで使用できる。
使い手のうち、王族に仕える者は竜鱗騎士とよばれる。
使い手の強さは、移植された鱗の元の持ち主(竜)と、移植された枚数によって決まる。
とくに強い竜を七天三海と呼ぶ。
〈竜鱗魔術の使い手〉
・天藍アオイ…七天のひとつ、白鱗天竜の五鱗騎士。物質を、竜鱗の硬度と同じ(またはそれ以下の)結晶に変化させる。
・マスター・カガチ…竜の名は不明。数少ない十鱗騎士である。
・真珠イブキ…雄黄市を壊滅させた銀麗竜の三鱗騎士。
《竜鱗狂瀾》
全ての竜鱗騎士が使用できる。
体内で竜鱗をつくりだし、竜鱗の枚数を一次的に増加させる。
これによって使用できる魔力量は飛躍的に増加するが、《竜化》も進行してしまう。
竜人となって、人間に戻れなくなる危険性を高める危険な技だが、竜と戦うためにはほとんどの騎士が習得しなければならない。
《竜騎装》
十鱗騎士以上の全ての竜鱗騎士が使用する対竜魔術。
竜鱗による防御・攻撃・魔法において隙の無い全身装甲をつくりだす。
鎧の形状は竜によって異なり、《竜騎装・白鱗天竜》と、竜の名で呼ばれる。
…医療魔術…
医師・治療師ヒーラーが用いる専門魔術。
《治療》(クラル)
初歩の治療魔術。
誰にでも習得できるが、術者によってその効果のほどは変動する。
《玻璃の天秤》
玻璃家に伝わる禁術のひとつ。死者をもよみがえらせる癒しの魔術の究極形。
だが、そのためには第三者の魂が必要。
…海音…
いわゆる超能力。
あくまでも個人が持つ特殊能力であり、魔術ではないとされる。
ウファーリが持つ《海音》は、物体を触れずに動かすサイコキネシスとよばれるもの。黒曜ウヤクの能力は言霊である。
…青海文書…
読み手が登場人物と《共感》することによって、登場人物たちの持つ魔法が発動する特殊な魔法書である。
発動する際、魔法についての知識や技術は必要としない。
ただ、それぞれの魔法を使うためには何かしらの《代償》が必要で、その内容は登場人物ごとに異なる。
文書には様々な形式が存在するが、日長椿が古本屋で購入した小説がそれである。また、同じものが翡翠女王国にも伝わっており、その原本が紅華によって椿に与えられた。
原本は現在、黄金のリンゴの姿になって、ツバキの金の杖にくっついている。
〈青海文書の物語と登場人物〉
・師なるオルドル―主人公・日長椿
食人を行う半身半鹿の化け物。偉大な魔法使いとして恐れられているが、自らが育てた勇者によって殺される。
幻術や水、金銀にまつわる多彩な魔法を駆使する。
そのための高い代償として、読み手は内臓など肉体の一部を失う。
文書に書かれた魔法の全ては彼が考えた魔法、らしい。
・黒き月のデナク―大宰相・黒曜ウヤク
詳細は不明だが、優秀な弓の使い手と推察される。
闇の中でならどんな敵にも必中する、魔法の弓を用いる。
代償として、読み手は視力を失う。
・サナーリア―???
・湖の名の魔法使いと勇者…王国を襲う竜を討伐するため、旅立つ
・アイリーン…青海文書の世界に迷い込み、湖の名の魔法使いと出会う。翡翠女王国の伝説的魔女と同性同名。
■ 五年前 ■
雄黄市が竜に襲われ、竜鱗騎士団が出動せず全域が壊滅した事件のこと。
星条百合白はこの事件の責任をとり、王位継承権を失った。
…鶴喰砦…
逃げ遅れた市民と、黄市の部隊が立て籠もった。
竜の大群に襲われて多大な被害を出し、生還者はごく少数だった。




