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0:初まりの終わり
わたしは君の名を何度も呼ぶが君からの返答は無い。わたしの涙は目から頬を伝い地に落ちる。わたしの声は君には届かず天に消える。いつもは騒がしい森も今日は死んでしまったように静かで、お蔭でわたしの声はよく響く。響いた所で君に届かなくてはそれは虚の言葉等しいもの。君以外の全てにこの声が届いても君に届かなくては意味が無い。君に届かぬわたしの声は世界に谺した。
わたしの声が招いたのは他の誰でも無いワタシだった。ワタシは薄気味悪い笑みを浮かべ嘲笑した。『人間の恋愛ごっこは楽しかったですか?女王様。ですが貴方様のごっこ遊びもこれで終わってしまいました。遊びに必要な最も大事な駒が壊れてしまったのですから。ですが女王様の御力さえあれば、この遊びを続けることも可能です。貴方様がそれを望むのであれば世界を変えることだって可能なのですから。さあ女王様、望むのです。そして創るのです。貴方様の望む世界を』ワタシの差し出した手をわたしが掴むとワタシは薄気味悪い笑みを浮かべた。