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SADIST―サディスト―  作者: 火火王珠
4/4

幕間

暗い。暗い。暗い。

なにも――見えない。

自分がどうなってるかも、自分がなんなのかも、なにも見えないし知らない。

これからどうなるかも知らないしこれからがあるのかも知らない。

心も失くし、瞳の色も失くし、生きる意味もわからない。

その瞳には広がる混沌を映す。あるはずのない、霧のような悪夢を。

そして過去を映す。夕張の赤く染まる空に、墨のように真っ黒の世界が広がる。


「……」


その時、どうしたのか、どう思ったのか……それは、


「……こわ、い…?」


反射したように言葉となり空気に消える。

そう怖い。なにもかもが。広がる黒も、赤く染まる空も、この状況の今さえも……。

すべてが、自分と周りに起こることのすべてが怖い。


「……そう。こわいんだ」


そう呟いた。

その時――


『じゃあ助けてあげる』


――だれ?

声が頭に響いた。

それは突然で。

それに問う。


『ボク?ボクは君の見方さ』


――みかた?


『そう、見方。ボクが君をそのなにもない寂しい牢屋から連れ出してあげるよ』


――どうやって?


『簡単さ』


段々と声は近付いて来た気がした。

言葉は失ったはずなのに、その声を聞いてると、なぜか言葉が出て来る。

不思議だった。


「――“魔法”を使うのさ」


そして自分を囲っていた壁が、光の扉によって崩された。



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