表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/13

新婚旅行

 結婚式の夜、二人は新大阪ホテルに泊まりました。初夜です。うふふふ。新大阪ホテルでの初夜に何があったかは秘密です。その話は18禁となりますんで・・


 それは、おいといて、私達は山陽新幹線で一路九州へいきます。のぞみのグリーン車でーす。たぶん、こんな贅沢は最後でしょう。そこからは、レンタカーで移動し、帰りはサンフラワーの特等船室で大阪に帰ります。


 福岡のスペースワールドや海の中道のマリンワールドを観光して、ハウステンボスのホテルへ行きました。当時は、 まだ、物珍しく結構な人出でした。そこで、スィートルームに泊まるのですから、こんな経験は2度とできません。


 レンタカーを駐車し、ホテルでチェックインします。オランダ風の建物は素敵です。ポーターがさっとでてきて、荷物を運んでくれます。本当に、外国ぽいです。

「いらっしゃいませ。」と髭を蓄えたフロントマンが迎えてくれました。

「予約してた日下部拓也と千香です。」

 カウンターで、名前を調べてもらいます。しかし、フロントマンは予約名簿を見て首をひねっています。

「はい、伺っています。えーと、拓也様はどちらで」

「僕ですよ。僕はこう見えても男なんです!」

 そう言って、切り札の運転免許書を見せます。主人は、短髪でスーツとスラックスで、やや男装メイクしていてもほぼ素顔です。主人としてはおもいっきり男装をしているつもりなんです。

「あ、確かに。そうなんですか。失礼しました。」

 ブラウスのボタンがはち切れそうです。間違えるの当然だとおもいますが・・・。

「ほら、日下部様ご夫妻を302号室へ案内しろ。」

「は、はい。」


 スイートルームは、外国風のベットに豪華な装飾て素敵な部屋でした。

「また、女に間違えられたわね。」とベットで私が笑って言いました。

「何のために、こんなに男っぽい格好していると思っているんだ。失礼なホテルだ。」

 そう言いながら、ムスっとした顔で着替え始めました。ばっと上着を脱ぐと、ラジャーに包まれた私より大きな胸が露わになります。しつこいようですが、私も間違えられも無理ないと思います。

「そのおっぱい。もう、女で通したら?」

「馬鹿なことを言うな。僕は千香さんの夫なんだ。男なんだ。」と自分に言い聞かせるように真剣な顔でつぶやいています。うう、かわいそうになってきました。


 夕食の時間となりました。レストランの受け付けて、部屋番号をいいいます。

「はい、302号室の日下部夫妻ですね。今から案内します。」

 そう言って、窓際のいい席に案内してくれました。

「ご主人様、お飲み物はどうなさいますか。」

「僕は、ビール、千香何がい?」

「私はワインでいいわ。」

「了解しました。ご主人様は、ビール、奥様はワインですね。」

 そう言って、案内役の女性は去りました。

「聞いたか。ご主人様だって。すごい!さすがは1流ホテルだ。もう、連絡が行っているんだ。」と主人は満天の笑みです。

 ナイスボディで美人なのに男と言われたい、はた迷惑なヤツです。そのくせ、こんなことで喜ぶ単純なヤツです。ホントに・・


 その頃、調理場では・・・

「ごくろうさん。これで印象が好転するだろう。」というのはさっきのフロントマンです。

「本当に、男だったんですね。」

「おまえも、信じられるか?」

「普通、オカマは女といわれて喜ぶのに変なひとですね。」

「まあ、世の中いろいろだからな。」


 翌日になりました。目が覚めると、主人はとうに起きてせっせと化粧をしていました。

「おはよう。今日は化粧するの?」

 この声に、スポンジを動かす手をとめて、うなだれる主人です。どうしたんでしょう。

「う・・・・・化粧をしてしまった。」

 無意識にしてしまうなんて考えられません。私なんか、慌てて化粧するのを忘れても出かけることはありますのに。

「まあ、いいか。このホテルは周知してくれているみたいだし。」

 現金な主人です。その日は、ばっちりと、メイクしてチェックアウトしていましたが、ホテルはしっかりと、ご主人様と奥様と呼んでいました。さすがプロです。主人はご満悦でした。


 長崎の眼鏡橋やグラバー亭を観光し、車で高千穂高原をドライブです。

「運転するかい。」

「本当!?」と私は歓喜の声を上げました。

 主人は大胆です。運転免許を取ってから、弟の車で1回走っただけです。両親は命がけだったとか勝手なこを言っていました。べつに事故はありませんでしたが2度と乗せてくれといいませんでした。


 スカイラインです。車はほとんど走ってませんし、人も歩いてはいません。危険はないようです。

 まずは、ペダルの確認から、アクセルは右、クラッチは左と唱えながら、まず、クラッチを踏んでアクセルを軽くふんでエンジンを掛けます。

(いちいち、声で確認するかよ。大丈夫かな・・・)

 不思議なことに車が動きました。本当は不思議でもないんですが・・

 結構、体が覚えているものです。次々とチェンジをして快適にドライブできました。主人の内心は知りませんが・


 高原の緑が綺麗です。白い道がうつくしいカーブを描いています。窓から入る風も爽快です。

「わあ、きれい。」と主人がいいました。

「・・・・・」

 私は必死です。答える余裕はありません。

「わわわ、綺麗!見て見て」

「・・・・・」

 脇見する余裕がありません。

「脇見をしては・・・・全然しないじゃないか。」

 当然です。

「うるさい。そんな余裕ない。」

「何だ、つまらん。代わりに景色を見てあげると言いたかったのに。」

 東北旅行での復讐をするつもりだったのですが、あてが外れたようです。


 レストハウスが見えました。

「おっ、あそこで、トイレ休憩しよう。」

「わかった。」

「どこに止めてもいいよ。」

 駐車場はがら空きですが、他の車と少し離れて止めました。


 緊張していたので、トイレ休憩は助かりました。女子便所に駆け込みます。見ると主人も一緒です。

「あんたも女子トイレ?」

「本社に異動してから、女装しているからね。ずっと、そうだよ。」

「へえ。男子トイレじゃないんだ。」と驚く私です。

「久しぶりに、行ってくるかな。この格好だから大騒ぎになるぞ。」とにこやかに女子トイレから出ようとしました。

「いかなくていい!」と私は必死でとめます。


 私がトイレからでると、もう、洗面所で化粧を直していました。

「早いわね。」

「洋式の便器に立ちションだからね。」

「なるほどね。」

 私が手を洗ってでると、しばらくして主人がでてきました。一緒にトイレに入って、おしっこするのは早いのに、私より時間がかかるなんて、ちょっとなんか変です。


 最後は、別府温泉の地獄巡りと温泉旅館でした。ここでも、主人は男だと主張し、ご主人様と奥様と言われて悦に入ってました。単純なヤツです。

 別府の地獄は初めで、面白かったです。私は主人に抱きついていれば満足なので、べったりと散策しました。


 お風呂は、主人は個室浴、私は大浴場の女湯にが定番でが、温泉旅館には個室浴がありませんでした。涙をのんで、浴衣への着替えだけです。私が風呂からでると浴衣を着た主人がにこにこした顔で土産物をみていました。

 また、ちゃんと呼ばれたようです。さすが1流旅館です。まだ、化粧をしており浴衣です。常識的に男だと呼ぶのは無理だと思うのですが、顧客サービスとあればやるのがプロです。


 二人で夜の温泉街を仲良く歩きました。最後は、船旅です。船からの夜景を楽しみにしていましたが、あっというまに寝てしまい。気がついたら朝でした。


 ちよっと短いですが、次は新婚生活のどたばたとしたいので、これできりました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ