作戦実行!してもいいよね?
ようやく作戦実行です。
「では、行ってまいりますね、レイお嬢様。」
「うん、きおつけてね、ぱめらしゃん。」
「はい♪レイお嬢様も、お気をつけてくださいね。」
「だいじょーぶ!」
ボクは両親を見送った時と同じように、腕をふりふりと振りながら、パメラさんを見送ったのは数分前の事。
今は目的を果たすため、とある一室の扉の前にいる。
この部屋は書斎になっており、ボクが、どんなに懇願しても入る事が出来なかった部屋だ。
理由をパメラさんや、両親に聞いた所『本が沢山あり、それらが崩れてきたら危険だから』 の一点張り、それに負けじと交渉?をし続けたものの、結局『ボクが10歳になった時、入っていいから、それまで我慢するように』とのことで話が決まったのだけれど…。
我慢?何それ、そんなの出来ませんよ、こんちくしょうい!
と言う訳で、さっき父の自室から拝借〈もちろん無断で〉した鍵を扉に差し込み、前もって盗み聞きしていた、合い言葉を言う。
「われは、う゛ぉりゅへいむけのものなり、このかめーに、おーじ、いま、なんじがふーを、ここにとかん。」
うん発音に難有りだな…、これで開くのかな?
“ガチャン”
おぉ~ちゃんと開いたZE!それじゃあ早速、お邪魔するとしましょう!
「お~。」
部屋に入ると思わず声が出た、そこにはボクの思っていた以上の大量の本があったからだ。
右を見ても本、左を見ても本、もちろん正面を見ても本、それは、もうウフフと笑えるぐらいにね。
ウフフフフ……。
はっ!危ない!妄想の中に意識が飛びそうになった。
確かに、ここにある大量の本達が、最大で最終の目的なんだけど、今回の目的は別にあるのだ!
考えても欲しい、今この部屋に入れたのは、珍しく両親がいない事と、パメラさんに対する作戦が、たまたま上手くいっただけで、今後こんなチャンスが巡ってくる事は、ほとんど無いだろう。
たまに数分ぐらいなら、一人になれる時があるが。
その間に父の自室に行き、父がいないのを確認してから鍵を取る→
玄関近くの父の自室から、奥の方にある、この部屋に来る→
扉を開け中に入り、欲しい本を取って人目に付かない場所に隠す→
扉を閉め、再度父の自室に行き、また父がいない事を確認し鍵を戻す→
元居た場所に戻る。
この工程を、やらなければいけないのだ。
果たして出来るだろうか? ははは無理だね♪ うん無・理・☆
つまり早い話が、無断で鍵を使って、この部屋に入るチャンスは、今以上は無い可能性が高いのだ。
だからこのチャンスを使って今回やる事は…。
そう、鍵を使わずに、この部屋に入る方法=この部屋への抜け道を探す事なのだ!
な・の・で。
「よし!しゃがすか!」
気合いを入れて、抜け道を探し始める。
“カサカサ”
“モソモソ”
うーん見つからないなぁ。
“パタパタ”
“ゴトゴト”
やっぱり無いのかな…?
“ガタガタ”
“ゴソゴソ”
ん?風が吹いてる?
“ゴットンゴットン”
“バッタンバッタン”
あ、あった~☆
見つけたそれは、ボクが通るには充分すぎる大きさの通気孔だった、風も吹いて来ているので、間違いないと思う。
しかし大事なのは、行き来が出来るかどうかなので、確認するために四つん這いで、中に入ってみる。
「よいしょ、よいしょ、…あれ?」
そこで、ボクは拍子抜けをした、なぜならイメージ的に長いと思っていた道のりが、さほど長く無かった事とーーー
「もしかして、ここボクの、へやの、ました?」
だったからである。
虫除けの金網越しになるけど、プポルの小屋が見えるので間違いはないだろうね。
て言うか、この金網が邪魔で通られないよ…。
「……これ、こわれりゅかなぁ?」
ボクは反転してから、金網を足で思い切り蹴りつけてみた。
“ガシャ! ゴシャ! グシャ!“
何度も蹴ると、金網は少しずつだが外れているようだ!たぶん、もう少しで外れるだろうよ!ウヒヒ
「ふー、てぇーーーーい!」
気合いを入れ、最後の一蹴りを入れると、金網はガシャリと外れた。
「ふぅ、てごわかったぜい。」
プポルが何事かいと、こちらを見ているが気にしない。
『百里を行く者、九十を半ばと思え』だ、ここで気は抜けない、まだ証拠隠滅が残っているのだからね。
ボクは再度、通気孔に入り証拠を消すため〈証拠隠滅っても鍵を父の自室に戻すだけだけど〉素早く行動する。
もちろん、金網を元に戻すのも忘れない。
早く本を読みたい一心で、頭がいっぱいなボクは、鼻歌を歌いながら父の部屋へと向かった、………まだ問題を抱えているとも知らずに。
レイお嬢様は、ことわざがお好きなようですね。




