鯨神の祝祭 ~最も罪深い姫と、罪人の俺の選択~
「緋砂姫の血肉を食べると、不老不死になるらしい」
そんな噂が、人々の間で密やかに囁かれていた。
欲望に取り憑かれた欲深き人々は祝祭の場へ訪れる。
だが彼らは知らない。祝祭とは「神の饗宴」――欲深き人間を集めるための釣り餌でしかないことを。
集まった者たちは欲深き罪人として鯨神に喰われ尽くすのだと。
鯨神の神域に暮らす「我らが一族」は、かつて彼女の血肉を食らった人間――”罪人”たち。
神の眷属になることでかろうじて生きることを許された者たち。シノノメもまたそのうちのひとりだった。
祝祭の後片付けという役目に従い、罪を忘れるように日々をやり過ごす。
感情を鈍らせ、日常に紛れて生きていたはずだったのに――
これは、生贄として裂かれ続ける姫と、
何もできずに見ていることしかできなかった罪人の物語。
罪を背負いながら、それでも誰かを想ってしまった時、
人はどんな痛みを選び、どこへ堕ちていくのか――
***
『ノベルアッププラス』に掲載している作品を一部加筆修正したものです。
(ストーリーの展開やキャラクターの設定などに変更はありません)
そんな噂が、人々の間で密やかに囁かれていた。
欲望に取り憑かれた欲深き人々は祝祭の場へ訪れる。
だが彼らは知らない。祝祭とは「神の饗宴」――欲深き人間を集めるための釣り餌でしかないことを。
集まった者たちは欲深き罪人として鯨神に喰われ尽くすのだと。
鯨神の神域に暮らす「我らが一族」は、かつて彼女の血肉を食らった人間――”罪人”たち。
神の眷属になることでかろうじて生きることを許された者たち。シノノメもまたそのうちのひとりだった。
祝祭の後片付けという役目に従い、罪を忘れるように日々をやり過ごす。
感情を鈍らせ、日常に紛れて生きていたはずだったのに――
これは、生贄として裂かれ続ける姫と、
何もできずに見ていることしかできなかった罪人の物語。
罪を背負いながら、それでも誰かを想ってしまった時、
人はどんな痛みを選び、どこへ堕ちていくのか――
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『ノベルアッププラス』に掲載している作品を一部加筆修正したものです。
(ストーリーの展開やキャラクターの設定などに変更はありません)
不老不死の緋砂姫
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