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AI小説 《最強ドラゴンだけど、この世界の闇が深すぎて詰んでる》  作者: Draculaura
《第一章:目覚めの竜、王都に立つ》
4/6

【第4話】潜入 ― 背信の聖堂

前書き


神を信じる者が、闇に堕ちるとき――。

王都に根を張る宗教団体《聖光の輪》の正体に迫るべく、クリスは騎士リオネルと接触する。だが、互いをまだ信用しきれない中、無防備な潜入が始まろうとしていた。

「このままじゃ、街そのものが飲み込まれるぞ」


リオネルの言葉が、霧のように重く、空気を凍らせた。王都で信仰を集める《聖光の輪》。その内情を探っていた彼は、数日前に消息を絶った同僚騎士の存在を口にした。


「神の名を借りて民を集めているが、裏では“浄化”と称して人を消しているらしい」


「……どこまで掴んでる?」


「証拠はない。だが俺は、仲間の死体を礼拝堂の地下で見た。神官の衣を着せられ、まるで生贄のように……」


クリスは拳を握った。

この世界は、善とされるものが、最も醜く歪む世界なのか。


「潜入は俺がやる」

そう言いかけたとき、リオネルが眉をひそめる。


「お前も十分怪しい。だが、あの夜――お前が化け物を一撃で倒したのを見た。正直、放っておくには惜しい力だ」


「じゃあ利用するつもりか?」


「互いにだろ」


にらみ合いの末、二人は無言で頷き合った。



その夜、《聖光の輪》の礼拝堂に灯がともる。

クリスは信者を装い、静かに列の最後尾へと加わる。堂内には神秘的な香が漂い、十数名の信者が座して祈りを捧げていた。


「兄弟姉妹よ……今宵、神の啓示が降りる……」


神官が壇上に立ち、ゆったりとした口調で語る。その笑みは不気味なまでに滑らかで、演技じみた威厳をまとっていた。


リオネルは一足先に、神殿内の別室に侵入していた。

その手には、失踪した騎士の紋章入りのペンダント。


『間違いない……ここが奴らの巣だ』


だが次の瞬間――鈍い音。背後で扉が閉まった。


「ようこそ、“外道の騎士”」


振り向けば、仮面をかぶった数名の神官が立ちふさがっていた。



礼拝堂では、クリスが頭痛に襲われていた。


(……妙だ。人間の気配が、不自然に“整いすぎて”いる)


まるで全員が、同じリズムで呼吸している。

そのとき、壇上の神官が彼を指差した。


「そこの君……」


ぞくりと背中を冷たい刃物がなぞったような感覚。


「君に……“神の選定”を受ける資格があると、我らは視た」


その瞬間、礼拝堂の空気が変わる。信者たちの目が、異様な光を帯びる。理性のない、狂信的な輝き――。


(……やばい、これ、“都市伝説”じゃない。カルトそのものだ)


とっさに立ち上がるクリス。


その瞳が、ゆらりと金に染まった。

あとがき


闇に光を灯すのは、信仰か、それとも力か――。

第5話では、礼拝堂の真実が暴かれます。

裏切り、囁き、そして龍の咆哮。ご期待ください。

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