序章
ご訪問いただきありがとうございます!心より感謝いたします。
これまではずっと短編を投稿してきましたが、こちらは初の連載投稿となります。
全く別の話となりますのでもちろん単独でお読みいただけますが、これまでの短編の世界観を説明するような、補足的なストーリー展開になっていくと思います。
そして読者様が苦手とする、または不快になるような要素が含まれている可能性がありますので、何でもOKという場合のみ読み進まれることを推奨いたします。
唐突な絶対無の覚醒後、波動とその刺激が起こり無宙が誕生した。
絶対無が意識となったことからわたしになり、わたしとは誰なのか?何者であるのかを知るために、わたし意識が意識を分け、個の意識となってそれぞれ自由に望む場所でわたしを表現してもらうため開放した。
ある個の意識たちは楽星や光星となって無宙空間に浮かぶ物質となり、そのバランスを保つために互いのエネルギーを繋げ合った。また別の個の意識たちはその楽星や光星の中や表面に存在する様々な容姿を持つ物質となったが、もちろん物質として姿形を成さない意識のまま望む場所で好きなように表現をすることにした個も多く存在している。
そして個の意識は望むまま、思考エネルギーによりどんなものでも創造が可能である。
そのうち他の個の意識たちをコントロールして支配する表現を望む個が現れ、逆に他の個の意識たちのコントロールも支配も望まず調和の表現を望む個も現れた。
いつしかその両極の望みを持つ個の意識たちは対立し、無宙戦争に発展してしまう。そのため無宙空間に存在している多くの物質が傷つくこととなった。
その争いにより、ある個の意識体の団体が表現する場所としていた楽星の表面を覆っていたシールドが破壊されてしまい、その修復のためにはゴールドが必要になった。そのゴールドを手に入れるために無宙中を捜索した結果、アクアという楽星にたどり着く。そしてアクアとして存在している個の意識にコンタクトを取り、ゴールド採掘の許可を得たのである。
このアクアという楽星は個の意識たちにアクアの表面上で表現してもらうことを望んでいた。そしてそのための条件が物質化であった。よって無宙から来る意識たちはそれぞれ物質化して表面上に存在していた。当然ゴールドを採りにきた意識たちも物質化させてその作業を行っていた。だがある時、代わりに作業させるものを創造することを思いつき、表面上に存在していた人型の物質を捕らえ、己の遺伝子を使い、得意の遺伝子操作を行って代わりに作業させる理想の人型生物の創造を目指した。何度も失敗を繰り返しながら、時にははるかに想像を超えるとんでもない巨大生物を創造してしまうこともあったが代わりの創造には執着し続けた。そしてついには満足のいく人型の創造を果たすことになったのである。
その人型に個の意識が入るようになり、人型生物として活動し始めると今度はその人型生物をコントロールし、支配できればここでは使われる側ではなく、使う側として永遠に君臨できると考えた。ゴールドの採掘などをさせられている使われる存在としての鬱憤を抱えていたため今度はその計画に執着し始めたのだ。
そして人型の創造すら面倒になり、勝手に増えていくよう生殖機能も付け加えたことで爆発的に増加していった人型生物をついに支配コントロールすることに成功する。彼らは望んだ通りに最初のピラミッド世界を作り上げたのである。
その個の意識たちを頂点とするピラミッド世界は後世ではマトラテス文明と呼ばれることになるが、このピラミッド世界から逃れ離れていった人型生物たちが別に作った後世ではルーと呼ばれることになる調和世界が邪魔になり、ピラミッド世界の人型生物に最強破壊エネルギーの技術を授け、調和世界への攻撃の命令を下した。だが人型生物がミスを犯し、よりにもよってアクアの意識に照射してしまったことで一瞬にしてアクアの表面上に存在していた物質すべてが消滅してしまったのである。
その照射により、アクアはポップコーンのように弾け、膨張してグルグルと回転し続けた。無宙はエネルギーですべてつながっているため、同時に異変を察したアクアの意識エネルギーと共振している他の意識たちが協力して癒しのエネルギーを送り続けた。
そうしてようやく止まった時にはその衝撃で一つの大陸だった陸は一瞬にしていくつかに分裂し、沈んだままになった部分や島ができて、隆起により山や丘などもできていた。なにより真っすぐであった自転軸が斜めになってしまい、すべてが安定するまでにはとてつもない癒しのエネルギーが必要とされた。
それでも無宙からの愛のエネルギーで完全復活を遂げたアクアはやはり以前と変わらず愛のエネルギーのまま、表面上で表現を望む個の意識たちを再度受け入れ歓迎し続けたのだ。
そしてピラミッド世界に執着する彼らもまた、当然のようにアクアで人型生物を創造したが、今度はテレパシーを使えないよう超感覚を除去した。その後予定通りに次のピラミッド世界を作り上げたが、後世ではシマール文明と呼ばれるそのピラミッド世界も最終的には崩壊に向かってしまう。それは人型生物が彼らの下の地位を争うことでそうなっているのであるが、彼らは都合よく動いてくれるものであるならば誰でもいいので、争いと破壊の重いエネルギーを何より好む彼らにとっては結局のところ無問題なのであった。そしてピラミッド世界に執着する彼らは代わりのピラミッド世界を次々に誕生させ、その都度戦略も変えながら望み成就のために邁進しているところである。
だが実はその裏で、アクアの意識が彼らと彼らが創造した人型生物のあまりにも重すぎるエネルギーにバランスが保ちづらくなってしまい、仲間の無宙存在たちにどうにかならないかと相談を持ち掛けていた。当然無宙存在たちは彼らにアクアの窮状を訴え、その計画を止めてもらえないかと話をした。だがやはり彼らは人型生物たちが従うという表現を選択していること、彼らも支配の表現を選択しているだけですべては自由であると計画の続行を宣言した。個の意識たちはそれぞれが好きなように自由に表現することを求めているため無宙存在たちも強制はしないしできない。そのため彼らに関してはもうそれ以上のことは何もできないが、アクアと無宙全体のバランスのために思考し動いていた。
ルーが沈む前、テレパシーでのコンタクトにより、アクアの中に移っていたルーの人型生物たちに表面に出てきてもらい、そこで生活してもらえないだろうかと相談を持ち掛けたのである。ルーの人型生物たちはそれを了承し、唯一残ったルーの一部であった島で生活する存在となった。後世ではジョーモンと呼ばれることになるルーの民が作った楽園の軽いエネルギーのおかげで少し楽になったアクアであったが、バランス的には圧倒的な重いエネルギーで満たされている表面の苦しい状況は変わらず、そのバランスをなんとかしようとその島から他の地へ移ってそこで生活してもらえないだろうかと再度相談が持ち掛けられたのだ。そしてジョーモンの民たちも再度了承し、無宙存在たちの誘導でまだ人型生物がいない数か所各地へと移っていった。
移動した先のその地で長く生活するようになったジョーモンの民たちは、重いエネルギーの人型生物たちからは距離を置き、静かに目立たないようにして暮らしていた。だがそれでも見つかってしまい、侵略される前にそこから逃げ、別の地で同じように目立たない静かな暮らしを続けていた。しかしどこに逃げたところで重いエネルギーの人型生物たちの侵略行為が止むことはなかったのである。そのため最終的には無宙存在のアドバイスを受け、パラレルを移行したことで見えなくなって消えたと思われた存在と、移行せずその地で対立し、争いで殺されてしまった存在とに分かれることになってしまったのである。
そうして現在彼らは物質化せず、神という名の目に見えない尊い唯一の存在として人型生物の精神に刷り込むことに成功し、ほぼすべての人型生物のトップに君臨している状態といえるだろう。そして増えすぎて収集のつかなくなった人型生物を彼らと共振している他の無宙存在たちに指定した場所と共に管理を任せることにした。
彼らは物質化すると蜥蜴系容姿を持つ人型になるが、ある場所を任せた意識たちが物質化すると金髪碧眼の人型になり、また別の場所を任せた意識たちは蛇系容姿を持つ人型になる。そしてそれぞれが人型生物たちとも交わりどんどん人型生物の容姿も変化していった。
彼らのコントロール下にいた人型生物の重いエネルギーで満ちていた場所も、そこから逃れた人型生物たちの調和の軽いエネルギーで満たされていた場所も一瞬にして沈んでしまってはいるが、実は残った陸と島のエネルギーはそのままである。
その唯一残った調和の軽いエネルギーで満たされていた島は後世ではサンライズ王国と呼ばれ、長い歴史を持つ国として認知されるようになるが、アクアからすべての生き物が途絶えてしまう前のルーの民から始まった国であるという真実を知る人型生物はいない。