三話
もちろん下りないわけがなかった。
階段を降りると犬の顔を持つ小人の魔物が二匹いた。
一匹は魔法で燃やす。もう一匹のクビを剣でたたく。
叩いた方が生きていたのでもう一回今度は頭をたたく。
視界に入ったゴブリンを魔法で燃やす。
リバーは夢中になってダンジョンを奥へ奥へと進んでいく。
レベルが5に上がってからもしばらく進むと下へと進む階段を見つけた。
「魔法はいつまで打てるんだろう?」
ふと気になってステータスを見る。
リバー(9)
大魔道
レベル 5/120
ステータス 50p
HP 625/625
AP 423/815
力 180
敏捷 225
器用 225
装甲 195
魔力 300
スキル
ファイア サンダー
まだAPに余裕があることを確認したリバーは階段を降りることにした。
4階層に降りると、ゴブリン、犬、スライム加えて豚人間がいた。
豚にファイアを打つと豚人間は絶命した。
やはり私は強いんだ!こんなに弱いやつらじゃ相手にならない!
そんなことを思い、魔物たちを燃やしながら進む。
そうすると遠くに今までより強そうな魔物が見えた。
大きな植物で体中に棘が付いておりとても長いいばらの手と大きな口をもっていた。
とても強そう。だがそれと同時にとても炎が効きそうでもあった。
少し耐えることを期待しながら植物の魔物にファイアの魔法を放つ。
が、耐えることはなかった。代わりに今までに感じたことのないほどの経験値が入ってくるのを感じそれと同時にレベルが6に上がった。
近くを見ると下へと進む階段があった。
きっと今の魔物はここから上がってきたんだ!
そう思い階段を降りようとすると、
「おーい、リバー!いるかー!」
という声が聞こえてきた。お父様の声だ。
まだ冒険を続けたい私は急いで階段を下って行った。
階段を下りきるとそこには魔物がいなかった。
不思議に思いつつもお父様に追いつかれるわけにはいかないので真っすぐに進んでいく。
一分くらい進むと正面から狼の遠吠えが聞こえてきた。
よく見ると遠くに一匹の狼が見えた。
黒い毛に赤い目。とても強そうだった。
あれには勝てないかもしれない。
そう思った。
さっきの植物はきっとあの狼から逃げてきたのだ。
あれにはきっと勝てない。
でも。
あれに勝てたらきっとさっき以上の経験値が貰える。
もしかしたらレベルもたくさん上がるかもしれない。
いや、きっと上がる。
そう思ったらとる行動は決まっていた。
ファイアを打つ。
できるだけ大きく。
そうして作り上げたのは1mを超える大きな火の玉。
狼もこっちに気が付いて走ってきている。
絶対に外さないように。動きを見る。
狼は火の玉が気にならないとでも言うようにまっすぐに走ってくる。
あと3mといったところでできる限り大きくした炎の弾を狼にぶつける。
当たった!!!
見事狼に命中し.........私の右手から血しぶきが舞った。
「うああああああああぁっ!!!!」
左手を使い狼に向かってもう一度魔法を打とうとする。
それを見た狼が左手に嚙みついてきた。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!
なりふりなんて構わず暴れて暴れてひたすら暴れた。
狼の腹を蹴って蹴って蹴りまくった。
暴れて泣いて気が付いたころには、狼は地面に転がっていて後ろからお父様が歩いてきていた。