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第四話:「輝に起きたこと」

さて、ちりも積もれば山となる………というわけで、こつこつと積み重ねていってます。

第四話:

「輝におきたこと」

 じーさんがエロそうな顔をして漆を見ているのを知って、漆の前に身体を移動させる。

「ちっ、独り占めする気じゃな?」

 舌打ちしながらマジで怖い顔をしながら俺を見てくるが、ここで負けてはいけないのである。

「独り占めするも何も………」

「元から俺様のにゃんこちゃんってか?」

「違う!」

「え?」

 漆、そこで違うのかって顔をしないでくれ。俺が困るからさ。

 これ以上続けていたらこの部屋が暗黒物質で一杯になるかもしれないのでさっさと話を進めてもらうことにする。

「それより何か話すことがあるなら話してくれよ」

「おお、そうじゃったな」

 いかんいかん、忘れておったわ。そういってじーさんはふところから数枚の写真を取り出して俺らに見せた。

「これは………」

「輝に似てるね」

 赤ん坊などどれも一緒だろうにと俺は写真に写っているサルみたいな幼きころの自分?を見ていた。

「そうじゃ、これは輝が生まれてまもない写真じゃ」

 そういって次に違うものを取り出す。

「これは?」

 見たところそれは一本の短めの木刀だった。

「これが白河家に代々伝わっておった守り刀じゃ」

「木刀なのに?」

「まぁ、守り刀じゃから気にはするなよ。お守り的な意味合いが強いもの………しかし、輝が生まれた時点でのう、頭の固い白河家保守派の者達は輝が白河家にとって災いを生み出すものだと言い出した」

「………」

 黙って聞くことにした。

「そして、養子に出されて黒河家の長男となったのじゃよ」

 神様だといっていたじーさんがそんなことを言っていたが、本当だったのかよ……。

「ありゃ?あまりショックを受けてないみたいじゃのう?」

「いや、まぁ、なんだ?うすうすは気がついていたよ。だって、この家の連中と俺の顔とか性格、ぜんぜん違うんだもんなぁ……」

 まぁ、なんだか少しだけ寂しい気がする。親父が俺にここまで冷たくしてきた理由はこれだったのかもしれないな。こんな、冷たい親父がお前の本当の親父ではないって思わせることでショックを薄くする……そんなところかもしれない。

 身体が小刻みに震えていることにきがついたが、後ろから漆が抱きしめてくれていることのほうが心を占める割合は多く、暖かい気持ちになることができた。

「そして、お前は今、これから先に進む道が二つある」

「二つ?」

 俺ではなく、漆が応えてくれる。

「そうじゃ、白河家に……お前を生んだ親の元に行くか、それでもなお、ここに残るか。お前さんが白河家に行った場合、漆は連れて行けない。じゃが、おぬしは白河家のすべてを握る権限を得ることができる……しかし、それをもってしても漆と会うことなどできないぞ」

「漆と会えない?なぜ?」

 もう俺は大丈夫だったが、漆に甘えて背中を預けている。

「理由はいえない……じゃが、こっちに残れば漆はここにいる」

「ははっ、なんだ、じーさん?それってもう決まってる道じゃねぇかよ」

 俺が白河家にいってもメリットなど何もない。こう見えても俺はまるで寂しいと死んでしまう小動物のような人間だ。そう、か弱いのだ。

「こっちにいるさ。ここの家にとっちゃお荷物だろうが、それでもかまわない……それに、ここに漆を残していってしまったら俺は二度と漆の顔を見ることなんてできやしないから」

「……輝……」

 ぽふっという音が聞こえてきて彼女が俺の背中に顔をうずめたのがわかった。

「そうか、それならそれでいいんじゃよ。ふふっ、今頃連中は歯噛みしておろうなぁ……」

 なぜだか笑う、じーさん。俺は首をかしげてじーさんに尋ねる。

「じーさんは白河だろ?」

「ああ、そうじゃよ」

「何でまた、白河に俺を戻そうとしたりしたんだ?」

「ああ、それは白河家に残したら災いになるとおもっているのが大半じゃったとみなは勘違いをしておったのじゃが、実際は他家へ養子に出すと災いになるということなのじゃよ。まぁ、今知ったわけじゃあない。連中、それを知った時点でここの親父に返してほしいといったのじゃが……ここの親父、頑として首を縦に振らなかった」

「はぁ?」

「こいつは俺の息子だ、お前らとはもう関係のない俺の家族だと言い放った」

「……」

 涙なんて流さないさ、その代わりに目からうろこを流しておいてやろう。

「今頃、あいつは漆を家族に加えるために書類をでっちあげておるだろうな」

 実に面白そうにじーさんは笑っていた。

「え?」

「まぁ、安心することじゃ。あの親父の目が黒いうちはそうそうおきるまいよ」

 そういったあと、ものすごく鋭い瞳が俺と漆を捉えたのだった。

「じゃが、気をつけておくことじゃ。おぬしの親父はお前に立派に育ってもらいたいとおもっておるからのう、わざと、おぬしが傷つくようなことをするじゃろうて」

「……ああ、ありうるな」

「じゃ、わしはこれで帰るが……輝、お前にはまだまだ、おもしろいことがあるじゃろうて。今年の夏休みはおぬしにとって一番の思い出になること、間違いなしじゃ」

 そういって窓から出て行く。急いで漆とともに窓から外を眺めるがそこにはすでに誰もいなかった。

 ボーっと外を眺めていたら漆が俺をじっと見ていた。

「……大丈夫、私ががんばるから」

「え?いや、がんばるのは掃除だけでいいから。これ、漆に関係ないと思うぞ」

「か、関係ない……」

 どよどよと暗くなっていく雰囲気をどうやって緩和させようかと考える。

「ああ、その、なんだ?腹減ったろ?とりあえず飯を食べようぜ?作ってやるから!」

「ほんと!?」

 そういってるんるん気分で漆は階段を駆け下りていった。

「……思い出に残る夏休み……ねぇ」

 すでに龍と、漆に出会えただけで十分だと思っていた俺だったが……


 その考えが甘かったということを次の日の放課後、知ることになる。


今回の話、いかがだったでしょうか?まぁ、毎度のことながら謎のじーさんが登場していたりしますが、そこは気にしないでいただきたいと思います。さて、話は変わりますが実は長期連載とか苦手なんですよ。後のほうになってくるとマンネリ化が進行してしまってにっちもさっちも行かなくなってしまいますから。そういうこと、ありませんか?ですが、他の作家さん達はちゃんと区別できている人たちもいますし、やはり、これは実力の違いなんでしょうね。

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