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第三話:「日和」

ええと、評価、それとご指摘いただきました愚者様、誠にありがとうございました。場違いではございますが、一応、ここでもお礼の言葉を述べさせていただきたいと思います。ええと、始まる前ではなんですので、今回はあとがきにて、色々と話をさせていただきたいと思います。

第三話:

「日和」

 家に連れ込み、学ランを着せたままでベッドに寝かせる。下は急いでタオルをかぶせたが、これからどうしたものだろうか?

「ん……」

 寝返りをうったところで足がかなり危険な角度まで動き、見えるか、見えないかというぎりぎりの……たとえるならジェットコースターでもうおちる!というぐらい……ところまで動かし、俺の心臓がばくばくと鳴り響き始めた。

「おわっ!!」

 そして、徐々にまぶたが上がっていくのをスローモーションみたいにみていて、なぜだか瞳に光が宿って起きるという瞬間に俺は机の下に避難してしまった。理由はわからない。もしかしたら彼女は前世がライオンで俺はシマウマか何かで本能的なものだったかもしれない。いや、いいわけだな。

「……ここは……」

「お、俺んちだよ」

「あなたは……?」

 不思議そうな顔をするが、その目には先ほどまで俺を殺そうとしていたものの瞳などしていない。大体、その瞳は紅く染まっておらず真っ暗だった。

「俺?俺は黒河輝……あんたは?」

「私は……名前…もってない」

 そういって目を伏せる。

どうやら聞いてはいけないような話題を振ったようだ。徐々に部屋の中がなんだか光が消えていくような感覚を覚え、外ではめちゃくちゃせみが泣き叫んでいるというのに背筋を震わす寒気が部屋を覆い始めていた。はっとしたそのとき、この部屋だけい空間になっていることに気がついた。もはや、音など聞こえてはいない。

「えっと、だな、名前がないならつけてやるよ」

「え?」

 明暗が明よりに傾き、再びうっとおしいほどの湿気と熱が俺の部屋にやってくる。そして、俺の緊張も徐々に緩和されていっていた。せみの鳴き声がこれほど心地よく聞こえたのは生まれて初めてだと実感できた。

「名前、ないと困るもんな……えっと……えっとだな」

 期待がふくらむその表情になぜだかプレッシャーを感じ、適当な名前では駄目だと考える。そこでふと、あの暗闇が俺の脳裏にさっとよぎって薄れていった。

「漆……漆でどうだ?」

 膝とよんでしまった諸君、ちゃんと読もうね?

「漆?」

「そう、漆」

 理由を聞かれたときのために俺はきちんとこの意味を知っている。確かに漆と聞いたら木の種類のほうを思い浮かべるかもしれないが黒を表す言葉でもあるはずだ。ごめん、実はうろ覚えだ。

「漆……それ、私の名前?」

「ああ、そうだ」

「ありがとう」

 はにかむ顔がかわいいなぁと思う。少し暗そうな感じを受けるのだが、まぁ、それはそれでポイントをあげているのでほうっておくとしよう。

「とりあえず、今服用意してやるから」

「……うん」

 前は第二ボタンだけが留められているので二つの山が寄り添っていてなんつーか、一言で言うならエロい。そして、その、なんだ?下のほうは両手で押さえるように隠していてこっちは一言では言い表せないし、俺の鼻から紅い液体が出てきそうな気がしてならない。

 とりあえず、応急処置として俺の小さくなったTシャツやらなんやら取り出して俺より少しだけ背丈が小さい漆に渡していく。

「?」

 それを着せてみて思ったことを言ってみる。

「なんだかきつそうだな……その、特に胸が」

「……うん」

 めちゃくちゃ刺激がおおいな、Tシャツってさ……やっぱり、ある程度の大きさを持ったTシャツでお茶を濁して妹の部屋に侵入してフリーサイズのスカートを入手。

「下着も持って行っとくか」

 適当に選んでとってくる。まぁ、あの胸が収まるブラジャーなぞ俺の妹たちの部屋におかれているわけなどないな。ああ、それなら親のブラジャーもってこいって思った人。ちなみに父さんと母さんの部屋は存在していないとさきに言っておこう。部屋は確かにあるのだが、何も入っていない空き部屋だ。

「ほれ、下着とスカート」

 扉を少しだけ開けて中に投げ入れて俺は扉を占めて廊下で待機。さすがに中で着替えをじろじろと見るわけにもいかないだろう。

「ありがとう……ところで、これ、どうしたの?」

「とってきた」

 そこで漆の顔が驚愕に染まる……のが手に取るようにわかった。もちろん、覗いて顔色をうかがったわけではない。

「お、お隣の洗濯物から?」

 お隣の若い奥さんの下着を取ったら最後……この前、下着泥棒が奥さんに家に引きずり込まれてから行方不明になったのを俺は知っている。

「いや、普通に妹の部屋から」

「それも……問題があると思う」

「ん?でもブラジャーはとってきてないぞ。どう見てもサイズが小さいだろうしな。パンツぐらいだ」

「……」

 着替えが済んだところで俺は中に入り、聞きたいことをたずねることにした。

「漆、じーさんの知り合いいるか?」

「えっと……どんな?」

 首を大きめにかしげる。それだけで胸が揺れるって……すげぇ、とだけ言っておこう。

「えっとだな……怪しそうなじーさんだ」

 なるべく胸を見ないようにして応える。

「……その、私はずっとあの場所にいたから……人間に会うことはほとんどないよ」

 それだけいって再びくら〜い雰囲気を滲み出し始める。それに寒気を覚えた俺は話題を変えることにした。

「わ、わかった、それはいいとして漆にちょっと話したいことがあるんだ」

「何?」

 どうやら切り替えは早いらしいほうですぐさま寒気は身を潜める……よかった。

「この家でとりあえず生活してくれ」

「え?」

 一瞬驚いたように頭を後ろに動かしたので胸が揺れる……すまん、さっきからむねにばっかりきをとられすぎだな、俺。戦国時代とかで武将やってたらくのいちに殺されていたに違いない。

「いきなりで悪いんだが……そのじーさんと約束っていうか、不条理な条約を結ばされたんだわ……それとだな、あの家実は取り壊しが決まっててあそこで暮らすことなんてもうできないんだ……だから、ええっと、それで、家事分担とかお願いしたいんだが……って、そもそも家事とかわからねぇよな?」

 ずっとあんなくらい場所に住んでいた……しかも、人間じゃないのなら……くわしくわからないだろう。

 しかし、俺の予想に反して漆はうなずいて見せた。

「家事?それならまかせて、私は何をすればいいの?お掃除?お洗濯?お料理?」

 残念ながら添い寝?とは聞いてくれなかった……いや、忘れてくれ、彼女がいないやつの妄言さ。

「え?あ、そ、それなら料理は俺がするから掃除をよろしく頼みたい。掃除をするところは俺の部屋とリビングだけでいいから」

 自慢じゃないが、この家はほかの家より大きな家だ。しかし、使用している部屋は俺の部屋とリビング、風呂場……といったところで豚に真珠といっていいだろう。

「まかせて」

「掃除機の使い方はわかるか?」

「大丈夫!輝は休んでてね」

 そういって駆けていった漆の後姿を見送ってなんとなく、ああ、こういうのっていいなぁと考えていた。

「にやけておるぞ」

「……ほっといてくれ」

 気がつけば窓のところにあのじーさんが立っていた。おいおい、ここは二階だぞ?どうやって上がってきたんだろう?とはもうすでに思わない。きっと、ひとっとびなのだろう。

「で、今度もまたどこかに連れて行ってくれるとでも?」

「いいや、少し世間話をしにきただけじゃ」

 よっこらせと床に腰を下ろしてベッドの下に手をつっこむ。

「その一連の動作が何で手馴れているんだ?」

「そりゃ、あれじゃよ。家とかでよくベッドの下に手をつっこむほうじゃから。ツバメが雨が降る前に低空飛行を繰り返すのとなんらかわりのないことじゃ」

 嘘つけ。

「まぁ、わしのばあいは嵐がおこってしまうがのう」

「じゃあ今すぐに手をそっから取り出せ」

 ベッドの下にエロ本があるとでも思っているのだろうか、このじーさんは?ふっ、甘いな、俺はそんな安易なところにそのようなA級危険物を隠していたりはしないのだ!もしも、もしも誰かが家に帰ってきて好奇心という恐ろしい気持ちでそれを探してもみろ。いい屈辱以外何もないぞ。

 もし、家に帰ってきて、部屋をあけたら強盗が金品探す前にエロ本を見つけて、そのエロ本を読んでいた……あなただったらそのシチュエーションでどう行動する?

「ちっ、最近の小僧どもはデータ化してパソコンとかに忍び込ませておるのか………やりおるな。自宅には誰もいないくせしてパスワードをかけているとは臆病じゃ………じゃが、その考え、正しいのう」

「っておい!勝手にパソコンをいじるな!」

 パスワードを適当に入れ込んでいるじーさんの魔手からマウスとキーボードをひったくる。すばやく移動したじーさんは机の上に立っていた。

「しっとるか?走行中に車の窓を開けて風をもむと速さにもよるが、おっぱいを触ったときの感覚ににているそうじゃぞ」

「どうでもいいだろ、そんなこと」

 そんな話をしていると階段を上がってくると音がする。

「あれ?輝、その人は?」

「じーさんだ」

「え?輝の?」

「そうじゃ」

「おいおい、そもそも俺の祖父だって話、それって本当か?」

「違うの?それじゃあ、不審者?」

 確かに、それは納得できるだろう。

「確かに、不審者じゃがマジで輝の祖父じゃ」

 堂々とそういうが、俺としてはこんな不審者な祖父が欲しいわけではない。

「ところで、おぬし、名前は?」

「私?私は漆。輝につけてもらったとても大切な名前。ね?」

「え?ああ………」

 ね?といわれてこちらを見られるとものすごく、恥ずかしい気持ちになってしまっていた。これで、どれだけ彼女が自分の名前を大切に思っているかまるで心がつながっているかのようにわかってしまう。

「ほほう、よもや三十分程度でここまで仲良くなれるとは……やはり素質かのぅ?」

 じーさんはじーさんでなにやらぶつぶつ言った後に再び床に腰を下ろしたのだった。

「そうじゃ、そろそろ話してもいい時期かもしれんな」

「はあ?」

「?」

 俺と漆は首をかしげてそんなじーさんを見ていたが、二人して顔を合わせてじーさんの目の前に正座して座る。

「これからいうことはだれにも言ってはならんぞ?」

 よいか?というその顔を物凄くゆがめて笑いながらじーさんはそんなことをいったのだ。


今回もお読みくださり、ありがとうございました。輝のもとに漆がやってきて、さて、これからどうなるか………そういえば、龍シリーズもはやこれで何作目だろうかとふと思いましたがシリーズを通して基本概念が全て同じになっているのではないかとご指摘いただきました。まぁ、今回の作品は言い訳となってしまいますがこれまでとは若干違ったものとなる予定ですので………そうですね、例えそれが読者の方がそれはないだろう?といわれるものだとしてもですが………そういった方向へと転がして行こうかなと考える所存でございます。エンジェルシリーズも新しいの書こうかなと考えている途中ですがいかがなものでしょうか?何かしらの応援のメッセージなど、お待ちしておりますのでよろしくお願いします。

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