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漆編:黒き龍、暗闇を知りて。

最近ふと思ったことですが、他の作者の方の小説を面白い〜とかいろいろと紹介できたらいいですよね?そうしたらあの小説とかあの小説を大々的に進められるんですけどね………まぁ、ぐちぐちいっていても仕方ありませんがね。今回で漆編も四話目。きりが悪いですが今回で一旦漆編はオヤスミですね。久遠編も次回でオヤスミ………それじゃあ、何をするんだと?と思った方へ………見てのお楽しみということで。決して考えてないということはありませんので、安心してください。ああ、最後に………評価とか感想とか、そういったものをもらったら飛躍的に更新スピードが一時的にあがります。

漆編:黒き龍、暗闇を知りて。

 いきなりすぎて俺は何が起こってしまったのかよくわからない。漆とともに夕食の買い物に出かけた帰りに黒塗りの車が近づいてきたかと思うとあっという間に漆を車の中に入れて走り去ってしまったのだ。

「………」

 言葉も出ない俺だったが、誰かに背中をたたかれてようやく気がついた。

「バカ者!しっかりせんかっ!!」

「じ、じーさん!?」

 そこには白河のじーさんがつえを持って立っていた。どうやらこの杖で叩かれたようだと認識するまでにいつもの三倍ほど時間がたってしまっていたのだ、それだけ今の状況に俺が混乱しているということがおわかりだろう。

「あれは一体なんだ?」

「白河のものじゃよ。これ以上あの黒い龍がお前と親しくなる前に始末しようと考えたんじゃろうて」

 始末という言葉を聞いて不穏ならざるものを感じてしまっていた。

「ぼうっとするな、行くぞ」

「あ、ああ…」

 まだ漆に嫌われたままだ………あれから一度だって俺の目を見て話してくれない。俺はそのことに不満がありまくっている………その状況で、どこの誰だか知らないが漆を連れていくなんて勝手すぎる。

 どっからどう見てもじじいには思えないような足の速さでじーさんは道路を突き進む。俺もその手に夕飯の材料を持ったまま走っているのだが………

「なぁ、いったいなぜこんなことが起こったんだ?」

「先日、老中会議で決定したのじゃよ」

 老中会議って………江戸時代じゃあるまいし。まぁ、そういった制度をとっているところを見ると白河は古い考えのものが多いと考えてしまう。

「わしだけのけものにした挙句、勝手にわしの孫を振り回す…………いい加減、わしもあたまにきたところじゃ…………輝よ、おまえは白河のものだが本家のものではない」

「はぁ?」

 走る途中でそんなことを言われても首を傾げるしかない。酸素を体のほうに送っているために頭のほうまで、詳しいことは考えられないのだ。

「分家筋の娘が授かった子供じゃがお前を生んで行方知らず………よって本家の養子となったのじゃがこの前話した通り黒河のもとへと送られたというわけじゃ」

 タライ回しされている感じがしないでもないというか、完全なタライ回しだろ?

「じゃ、あの時俺に嘘をついていたんだな?」

「そうじゃな、結果的にはそうなるが………お前の生みの親は案外近くにいるかも知れんぞ………話を続けるがおぬしの力が本物であると先日の会議で決まり、初めてお前が解き放った黒き龍、漆は依然白河が封印したものなのじゃ」

 あけてはいけないという扉を子どもは開けたがる………俺はそんな子どもではなかったはずだがどうやらそういったやんちゃなことをやらかす子供らしい………。

「えっと、漆を封印から解き放って問題ないのか?世界が滅ぶとか………」

 今の漆は確かにおとなしい………だが、漆がキレればどういったことが起こるのか予想がつかない…………

「いや、断じてそういったことはない。漆は人の感情がエネルギーとなってまとまったものに命が宿ったものじゃ」

 首をかしげざる負えない。つまり、理解できない話だった。

「ともかく、あの漆が命をもってなにがあったかしらんがその当時人の心をめちゃくちゃにして暴れまわっていたのじゃよ…………もちろん、その中には白河のものも犠牲者の対象に入っていたし、そういったことがあったそれ以降、黒き龍は白河ではご法度となったのじゃ」

「…………」

 過去のことはもはやどうでもいい………今の事実としては漆が連れさらわれてしまったということだ…………。

 駅前までやってくるとじーさんはここから三駅離れた所の切符を買っていた。

「じーさん、そこに漆はいるのか?」

「ああ、たぶんな………孫のフィアンセを誘拐する無粋な輩を成敗するしかないじゃろうて」

「いや、フィアンセって………」

 俺も同じようにして切符を買って電車が来るのを待つ。

「………輝、ひとつ面白い話をしてやろう」

「なんだ?」

 じーさんはこちらを見ることもなく対岸の駅のベンチに座っているOLと思われる人のスカートの中を覗こうとしていた。

「その輝という名前自体、実は過去の白河頂点に立つ者の名前なんじゃよ」

「へ、へぇ」

 昔の、しかもいつの時代かもわからない人の名前を俺につけたといってももはや俺には関係のない話だろう。

「その時は中睦まじく人と龍が共存していたそうじゃ、じゃが、輝が死ぬと同時にこれまで欲望を押さえ込まれていた他の白河は龍をあろうことか商業目的に使用したと聞く………じゃが、龍はやさしく、ある程度までは我慢していたがどうやら故人である輝の墓に何か細工をしたのが龍たちにばれてしまいそれが白河崩壊へと率直に言って向かわせてしまったのじゃ………それから、時が経って白河者は無理に龍を探さなくてもいいように自分たちで龍を作ることにしたのじゃよ。そして数年前、それを請け負っていた、そして漆の封印を見張っていた白河のとある組織が何者かの仕業によって壊滅。まぁ、組織は滅んだのじゃが結果として龍を人為的に作るのは成功した」

 そこまで話してから俺らを運ぶべく電車がやってくる。この時間帯は利用者が極端に少ないのか朝とは比べ物にならないほど人の姿がなかった。

 あっさりと椅子に腰かけてじーさんは先ほどの続きを始める。

「その人為的に作られた龍………それがお前さんのところにいる久遠じゃ」

「!?」

 ここにきて驚いていた。これまでは確かに漆の話も少しは混ざっていたがそれほど重要なことではないような気がしたからだろうか?人為的にそんなことが可能なのかはわからない…………

「ウソだろ?」

「いいや、不完全じゃったがもう完璧な龍となっておる。誰かが久遠にちょっかいを出したのかは知らんが覚醒し、その気になれば空を泳ぐことも可能じゃ」

 なぜか、知らないが隣の奥さんのウインクしている顔が頭の中に作られる。


 腕相撲で?


「ああ、それと輝…………」

 じーさんは俺のほうを見てから言った。

「いつ死ぬかわからんからできれば早くひ孫の顔が見たい」

「…………ヴぁっ」

 電車は俺たち二人を乗せて、そのまま何事もなく目的地へと運んで行ったのだった。


いつもいつも後書きを読んでくれている方へ、ありがとうございます。今回が初めての方、読んでくれてありがとうございます。一回以上、三回以下の方には明日しょぼい不幸が訪れます………さて、小説書いて投稿しているとやはり気になるのは読者の方々の感想なんかです。ある意味、どういった反応をしてくれるのかが気になるものです。評価、感想を作者が求めるのもこれでわかっていただけるかもしれません。もっとも、他の方の中にはランキング一位を目指したい方もいるでしょうが、作者雨月にはそこまで実力がないのはわかっていますので気が向いたときで結構ですので感想をよろしくお願いします。

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