表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/31

第一話:「その手に龍を」

さて、プロローグはいかがだったでしょうか?まぁ、自分で思い返してもすこしさわりだけなのですが………まぁ、だからプロローグだろうにと思った方、すみません。評価、感想、メッセージ………その多もろもろ、お待ちしておりますのでお暇なときにぜひ、お願いしたいと思います。今年の目標:誰かに面白いといってもらえる小説を書いてみる。

第一話:

「その手に龍を」

 家に帰りつき、鍵を手にガチャリと回す。ここで上からたらいが降ってきたら面白かっただろうが、毎日鍵を回しているが一度もそういったことはない。

「?」

 いつもだったらいやな手ごたえがして扉を開ける準備が整うのだが幸運なことに鍵を持っていない人たち、主にどろぼうさんとかにはお堅いはずの扉が今日はあっさりと鍵を回してくれた。

「?」

 いや、もう面倒なんで先に進むが俺が帰ってきた時点ですでに扉が開いていたというわけなのである。

 俺の両親が家に帰ってくるのは月初めのみ。今日は七月十九日。ついでに言うなら双子の妹がご帰還召されるのは春休み、GW、夏休み、冬休みといったところか?そのたびに俺を『駄目兄貴』と二人揃ってののしった挙句にあごで使いやがる。親の顔がみてぇよ。

 とにかく、そんな下克上姉妹や両親は用事とかがあったら基本的に俺のケータイにちゃんとメールなりなんなり送ってくる。そう、たとえ、名ばかりだけの家族だったとしてもだ。

 いや、別に一人が寂しいわけじゃないぜ?高校生にもなってママ、パパ言っている場合じゃないのだ。妹たちのおもりをするのも中学まで。

 優秀すぎる家族にとっていまや俺はどう考えてもお荷物的存在なのだろう。まるで他人の子であるかのように俺に接してくる母親に、妹にはめちゃくちゃ甘いくせして俺が武術の練習を怠るとそりゃもう、雷落とすわ、井戸に落とすわ、おじゃまぷよ落とすわ、いろいろと親父はしてくるのである。

 さっきも言ったが双子の妹だって俺のことをどう考えても蔑むし!いい忘れたがこっちに帰ってきたときは俺の後には風呂に入りたくないとか抜かしやがる!誰が風呂を沸かしているんだって思ってるんだ!一番風呂は風呂を沸かしたやつが手に入れるに決まってるだろ?大体、宇宙までいけるようになった時代なのになんでうちは五右衛門風呂なんだ?誰かをかまゆでしようって魂胆か?それって俺か?

 ボーっとそんなことを考えていると庭へと続く道から一人の爺(じじい、おきな、好きなほうで読んでほしい)が出てきた。

「ほぉ、こりゃまた大きく育ったの」

 俺を見ているが、このじーさんを俺は持ちろん知らん。

「誰だ、あんた?」

「忘れたか?お前の祖父じゃ」

 こりゃまた怖いじーさんが出てきたと思ったね。だって、母さんの両親、父さんの両親はすでに死んでいる。俺が生まれる前だから俺も双子も写真でしか顔を見たことがないんだぜ?しかも、その写真が白黒であって映っている人たちはすべて若い人たちだった。指を指されてこれがお前の祖父母だよといわれたところでわかるわけがない。

「母方か父方かどっちかしらねぇが、さっさと成仏しやがれ!じーさん!」

 そういって肩をたたいてみるが骨ばった感じの肩は当然物質であるということを証明させてくれている。

「何だ?最近の幽霊は触れることができるのか?」

「失礼なくそがきじゃな」

 心外そうにじーさんは首を振る。

「孫にくそがきっていうじーさんがどこにいる?」

「ここにおるわい」

 一言言わせてくれ、変なじーさんだ。

「ところで、俺に何か用か?俺はこの後、馬鹿な父親の特訓とやらを自分でやらないといけないんだが?してなかったらどっかで見張っているのかは知らんがこの世の地獄が俺を待っているんだ」

 改めて考えるが、この家に防犯カメラなどないはずなのに、なぜあのくそ親父は俺がサボっているのを知っているのだろう?七不思議のひとつに違いないね。俺はじーさんをむしして玄関をまたごうとしたのだが、じーさんは俺の手をつかみ、さらにじーさんは俺の前に踊りでて、にやけた表情でG3は言ったのだった。

「おお、そうじゃった。お前さんを連れて行かなくてはいかんのじゃ」

「どこに?天国?」

 じーさんが死んでいるのなら天国か地獄のどっちかにおくられるんだろうなぁ……地獄にいきそうな顔をしている気がするのは俺だけか?

「お前、今とても失礼なことを考えなかったか?」

「いや、常識的なことを考えてた」

 今、気がついたがこのじーさん、普通の爺じゃない。か細い腕をしている割に強く、それなりに訓練というか、そんなのをしている俺の力をもってしてもびくとも動かない……。

「そうか、それならよいわ。わしについて来い」

 そういってさっさと歩き出す。気がつけばじーさんは俺の手を離していたのだった……跡が残っているところを見ると非常に力が強かったことを改めて思い知らせてくれた。

「おいおい、せめて着替えさせてくれよ」

「……これから死地へと赴くのじゃ。礼装として制服でよかろうに?」

「……はぁ?」

 言っている意味がよくわからなかったがとりあえずかばんだけを玄関の中に放り込んで鍵をかける。この家にあるもので価値があるものといえば、玄関先におかれている招き猫ぐらいだろう。

「ふむ、それならいくぞついて参れ」

「……いやなじーさんだな」

 命令口調だし、なんだか怖い……怖いというのは次に来る動作がよくわからないということだ。

 人はえてして理解できないものとかを怖がる性質を持っているに違いないだろう。お化けが怖いとか言う人の中には絶対、それがどういったもので自分に危害を加えてくるものなのかわからないからこわいという人がいるのだから。

「ここじゃよ」

 じーさんに連れてこられたのはすでに取り壊しが決まっている家屋だった。友人から聞いた話なのだがこの家屋はものすごく古いもので町長がこれをこの町のシンボルにしようとか言っていたがあるとき、どうやらその町長が実際にこの家に入ってからを境にそういったことを一切言わなくなったそうだ。そして、怖がるように家屋を壊す計画を推し進めたのである。

 毎晩、奇妙な叫び声を聞いたといっている人が数人いるが過去にそれを確かめるために一度友人と忍び込んでみたのだが特に何もなかった。

「で、ここに来てどうしようってんだ?肝試しか?」

「そうじゃな、肝試しじゃよ……実は、ここには地下があるのじゃ」

 なぜか、頭の上に千佳(俺の双子の妹の片割れ)の生意気そうな面構えが現れる。

「地下ぁ?以前ここに来たときはそんなのなかったぞ」

「ついて参れ」

 俺の質問には答えずにそういって歩き始める。ちょっとカチンと来たがじーさんの顔がにやけているところを見ると少し面白いことが起こりそうだったので黙ってついていく。


 肝試しで何も起こらない……それが一番いいことなのだが、人は何かが起こってほしいから肝試しをするのではないのか?


 正面突破はすでにロープなどが張られていて立ち入り禁止のということなのでできない。よって、近くのブロック塀を飛び越える。

 きがつきゃじーさんはすでに庭に侵入して歩き出していた。かるがると上ったところをみるとこのじーさん、相当の手練のようだ。

今度は割られている窓ガラスや、裏口など目もくれずに玄関から素直に入って……なんと、下駄箱の近くの床を足で壊し始めた。

「お、おい何してるんだよ!取り壊すって言ってたがこういうのはいけないんじゃないのか?」

「ここに階段がある」

 指差す先には闇が広がっているだけだ……しかも、それを闇と一言に捉えてはいけないような気がしてならない。

 それは、近づくだけで寒さを感じさせ、周囲のものに心を不安にさせる何かを発しているような気がする。そうだな、たとえるなら……

「ぼっとん便所みたいだな。あれに匹敵する存在感だ」

「雰囲気を台無しにするな」

「すまん……で、階段なんて見えないが?」

「よぉく、近づいて見るがよい」

 じーさんに言われて俺はもっと穴に近づく。ぼっとん便所のにおいはしなかったのだが、徐々に背筋をはってくるような寒気が外でそれまでないていたせみの声を消していく。

「それ!」

「うわっ!!」

 気がつけば俺はじーさんにけられ、俺の身体はその闇へと吸い込まれていく……

「気をつけてな!喰われるなよ!」

 まとわりつくような闇に、いやな浮遊感と落下しているという事実が混ざって俺の脳を混乱させる。闇が俺の身体を値踏みするかのようにまとわりつき、離れていく……。


 思ったよりも短い時間で地面についたようだが、はるか上には光が俺を照らしてくれていた。

「あいたた……ん?」

 そして、俺の目の前、五メートルほど先には二つの紅き光があった。

 それが何なのか……

「キシャァア!」

「ぎゃぁあっ!?」

 俺が学んだ教訓はひとつだ。


 知らない人にはついていかないようにしよう♪



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ