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隣の彼女が目覚めたら~恋をしない彼女に恋をした~  作者: 一会
第1章 クリスマスまで
8/60

7 11月28日(木)



 朝から気分が冴えない。

 昨日の夕方から嫌な感情がくすぶったままだ。

 あの女の子は、本当に別れてくれるだろうか?


 今朝は別れ話などなかったかのように、彼女から「おはよう」と連絡がきた。

 俺は返信しようか迷った末に「おはよう」と返しておいた。

 無視は良くないよな。


 しかし、このままずるずるとつき合いが続きそうな、悪い予感がする。



 昨夜から俺があまり話さないので、「体調悪いの?」と親が心配して声をかけてくれた。

 俺は否定して、朝ご飯を少し残して家を出る。





 今日も雨だ。

 玄関を出ると、冷たい空気が顔を冷やす。


 隣の部屋から彼女が出てきてふわっと空気が変わる。


 「おはよう。」

 

 彼女の顔を見、声を聞いて、俺の心が軽くなる。

 

 「おはようございます。」


 挨拶し、俺たちは連れ立って毎朝のコースを歩いて行く。



 「夜は一人でご飯を食べているの?」


 俺は彼女に話を振る。

 

 「知り合いとの外食が多いわ。」



 「友達?」

 

 「友達も、友達未満も、その他も。」


 俺はどこに分類されているのだろう。

 

 

 「今度、一緒に食べませんか?」


 「いいわよ。いつがいい?」

 

 思わぬ幸運に恵まれた。

 俺は今夜にでも、一緒に食事をしたい。

 

 「今週は、いつが空いていますか?」


 「明日と週末は予定があるけれど、今日は空いているわ。あなたの方の都合はどう?」


 俺の都合? そんなもの、どうでもいい。

 部活は「体調不良」で休めばいいし、課題なんて夜、家に帰ってから朝までに仕上げればいい。



 「俺は今日、大丈夫です。連絡先を交換してもいいですか?」

 

 「いいわよ。」


 よし! 自然な流れで連絡先をきけた!

 駅についてからスマホを取りだし、お互いの連絡先を交換した。

 今は忙しいので、きちんとした登録は後にする。



 

──────


 『こんにちは。ーーーーー。』


 俺は隣の部屋の彼女からきたメッセージを昼休み時間に見ていた。

 もちろん、直ぐに返信している。


 彼女が駅を降りてから、どこで食事しようか考えていた。

 学校の奴らに見られないところがいい。

 でも、俺は制服姿だから、親と行くようなきちんとした店では浮くだろう。

 

 いや、店で服を買って、着替えればいいか?

 しかし、家に帰ったときに私服だと、親が不審に思う。

 親には彼女とのつき合いにいい印象を持ってもらいたい。

 制服のままの方がいいだろう。

 

 結局、女の子が好きそうなカフェがちょうどいいだろうと考えた。


 

 

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