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隣の彼女が目覚めたら~恋をしない彼女に恋をした~  作者: 一会
第1章 クリスマスまで
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30 12月19日(木)



 先輩はあれ以来、何も言ってこない。

 年下の彼女も、最近は朝の挨拶を送ってこなくなった。 

 俺は彼女がきちんと別れる心積もりをしているのだと受けとった。


 朝、俺は麗しい彼女と話しながら駅に向かい、教室に着くと親友にからかわれ、とても平凡で楽しい日を過ごしていた。


 家の中は、弟が中学受験ということもあって少しぴりっとした雰囲気だけど、母は隣の家の彼女からクリスマスの飾りをもらったこともあって、今年もツリーを出して飾っている。

 彼女からもらったオーナメントを見る度に俺の頬がゆるむので、弟は不気味がっている。



 部活後の着替えで同じように明日の彼女とのことを想像して頬をゆるめていると、親友が気まずい顔をして忠告してくれた。


 「そんな顔してると、襲われるぞ。顔を引き締めろ。」


 俺は女ではないけれど、身長が平均よりほんの少し低いので、「可愛い」と言われることがある。

 全く納得できないので、言った奴には全力で抗議している。


 10月の学祭の出し物で「女装」させられそうになったときには怒ったけれど、温厚な友達になだめられ、「お前にしかできないんだ」と説得された。

 その時に俺が女だと勘違いした奴が出現して、俺は男なのに体格の良くなった親友と先輩に一時期守ってもらうはめになった。


 俺は男だし、好きになるのは女なので、男なのに俺に恋愛的な意味で好意を寄せてきたら、ばっさり切って、あきらめてもらうことにしている。

 長々と、実らない不毛な恋を続けるよりはマシだという、俺なりの思いやりだ。


 

 明日は終業式だ。これでしばらく学校に行くこともない。

 24日はいろいろ忙しいけれど、先輩や彼女ともめることもないだろう。


 雨の中、傘を差しながら、俺は自宅への帰り道を楽しいことを想像しながら歩いていた。


 

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