表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

〜奥山輝久〜


【奥山輝久殺害現場の声】




「お疲れ様です。」


「ありゃひでえな。写真だけでも滅入るわ。被害者の名前は?」


「奥山輝久、44歳です。」


「犯人はほんとに人間か?」


「人間じゃないですよ。こんなことできるやつは。」


「千堂、簡単に状況教えてくれ。」


「今わかっているのはバイクに括り付けられていたものが首下から脇下までの胴体、メットインには奥山輝久の免許証と奥山輝久名義での登録証。そしてここに至るまでの約20kmの間に肉片や臓器が落ちています。」


「ちょっと待て、免許証とかだけで奥山って断定してんのか?」


「いえ、防犯カメラに奥山が何者かに連れ去られた状況が映ってました。」


「なんだそりゃ。じゃあそれ追ってけば分かんじゃないのか?」


「いえ、やつが奥山をさらった場所から先にはカメラがなく、また人通りもない場所で追えず行き詰まりです。」


「それにやつはわざと奥山と分かるように映っていたようにも見えます。」


「じゃあなんだ、そのバイクについてるのが奥山って分かるようにしたってことか?」


「あくまでそういう風にカメラでは映っているということです。」


「まぁよく分からんがそうなのか?」



「おい!千堂!ちょっと来い!」


「うわ〜、なんかやらかしたか?すいません、ちょっと行ってきます、、、」


「おう。」





「千堂!お前この報告書のここんとこ賭場になってんじゃねえか!」


「え、あ、すいません!」


「お前打ち間違えて地下のギャンブル場みたいになってんじゃねえか!確認したのか?」


「すいません、してませんでした!」


「作り直してすぐ出せ。」


「はい、すぐ出します!」




「はぁ、、、」


「千堂、忙しそうだがすまん、さっきの続きを片手間でいいから聞かせてくれ。」


「木田係長〜、課長やっぱよく見てますよね〜、、、」



「どれどれこの付箋とこか?あぁ〜、課長は出身同じ市だから知ってたんだろうな。」



「はぁ〜、、それでさっきの話ですけど、犯人は何らかの方法でカメラの場所に奥山を来させてそこで暴行し気絶させてます。」



「で、そのわざとわからせてるってのは?」



「あれさっきの報告書どこに保存したっけ、、、あ、で、やつは奥山の髪の毛を持って顔をカメラに晒してるんです。そのあとバイクに括り付け走り去ってます。」



「なるほどな、犯人に繋がるものは何もないのか?」



「ないです、、、が、課長が新米刑事の頃に少し関わった旅行先拉致強姦殺人事件の手口に似てるそうです。」



「ああ、あの高校生達が犯行を動画に撮ってた胸糞事件か。」


「なにが似てんだ?」



「女性を最後殺害する際殺害現場までバイクで引きずっていったそうです。約1kmも。」



「バイクで引きずったか、、、」



「それだけじゃありません。その事件でも引きずる前に髪の毛をもって女性の顔を映したそうです。」



「じゃあそいつがまたやったってか?」



「わかりません。ただ当時少年グループに大物政治家の息子がいたそうで、かなり圧力がかかり、全員証拠不十分で不処分になってます。そいつらのうちの一人の可能性はあるかと。」



「全員?何人だ?」



「圧力で名前はおろか何人かもわかっていません。」





「お話し中失礼します。千堂さんすいません。」


「おう、どうした?松井。」



「被害者のお父さんが来られたんですが、受付で刑事を出せと喚いてまして。」


「まじかぁ、、めんどくせえなぁ。ん〜、、」



「いい、俺が行く。お前は報告書直し作らないといけないしな。」


「係長!いいですいいです!僕行きますし。」



「いいから座ってろ。ここの雰囲気も良くないし逃げたいんだよ。」



「そゆことすか、、、ありがとうございます、お願いします。」






「うぅ〜冷えるなあ、、、、」





「息子に会わせろ!遺体はどこにあるんだ!」



「お〜お〜。かなりヒートアップしてんなあ。」




「こんばんは。刑事課の木田と申します。奥山さんのお父様ですね?今回の件はお悔やみ申し上げます。」



「そんなお役所挨拶いらん!息子はどこだ!」



「まだ捜査中でして会わせてあげたいのは山々なんですが、こちらもそういうわけにはいきませんで、、。」



「何を言っとるか!親が子に会えん道理などあるか!まずお前ら警察はなあ、、」



プルルルルルルル



「どうぞ、お出になって下さい。」



「ふんっ、もしもし?あぁ和子か。うん、刑事が会わしてくれんよ。そうだろ?うん、警察署だ。わかった待ってる。」



「妻も来るからな!」






「(嘘だろーー!めんどくせぇ!!!)」










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ