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3人家族のある日常

ノーマルゲーマー・夫

「あぁ、アララ◯ト日食が起きないかなあ?」



 暦を見ながら想いふける夫は、突然誰にも伝わらない言葉を口にする。

 そんな夫に対し、妻はうっかり反応してしまう。


「は? 何それ?」


「え? 知らない? アララ◯ト日食と言ったら、『部分日食』、『金環日食』、『皆既日食』に並ぶ、四大日食のひとつで……」


「そういう嘘はいいから。で、何なのよ? 急に想いふけったと思ったら、よく分からない事を言い出して」


 いつもの夫のバイオレンス・アンサーを妻はさらりとかわし、話を続けさせる。


「……アララ◯ト日食と言うのはね、昔、カルチ◯ーブレ◯ンと言うメーカーがフ◯ミコンで出した、シェラザ◯ドというゲームがあって、その中に大魔法というのがあって、その大魔法を使うためにはアララ◯ト日食が必要なんだ」


「随分とざっくりとした説明ね」


「君はあまりゲームに詳しくないから、こと細かく説明しても、途中で意味がわからなくなるだろう?」


「何か、苛つくわね……」


 夫の心無い言葉に妻は苛立ちを覚えるが、夫は構わず話を続ける。


「それで、その大魔法の中にエロヒムーンというのがあって、それを使うと一気に大金持ちになれるんだ!!」


「それで、アララ◯ト日食が起きて欲しい……と」


 妻は夫の子供みたいな発想に呆れ、ため息をつく。

 それでも夫はまだ話を続ける。


「因みにそのゲームRPG何だけど、他のゲームと違ってお店で値切ることが出来たり、借金が出来るんだ!」


「は!? 借金!?」


「早く借金を返さないと、利子がついて最終的にはgame overになる所何かも、現実的だったね。」


「それで、あなたはそのゲームはクリア出来たの?」


「いや、それが駄目だったんだ。たまりにたまったつけが最後の最後で回ってきてね」


「あなた……、まさか……」


 夫は深いため息をつくと、妻の想像通りの言葉を口にした。


「あの時、返せるときに返しておけば……」


「現実世界ではgame overにならないでね……?」

ごめんなさい、

あぁ、ごめんなさい。

ごめんなさい。

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こちらの方も連載しているので、よろしくお願いします。

ほのぼのほっこり子育てファンタジー、ここに始まる?

「お母さんは異世界でも強いのです。(お父さんも強いよ。)」


洞窟を探索していた四人は、ある日を境に、永遠とも思える時間をさ迷う事になる……。
地上に生還するのは、叶わぬ夢となってしまうのか……。


「一年後、宿屋で目覚めた四人は……。」
― 新着の感想 ―
[良い点] どうも、お気に入り登録ありがとうございました、八刀皿 日音です。 初めまして……な気はしませんね、しょっちゅうお見かけしてますので。ウィザードリィネタに被せて下さった記憶ありますし。 ええ…
[一言] カルチャーブレインのゲームですか。 これ、ファミコン時代のゲームですね。まだ、飛龍の拳なら分かる人も結構いらっしゃるかも知れません。 年齢あぶり出し用に使われそうですね。 カルチャーブレイ…
2019/03/06 23:42 退会済み
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