ネオンと星明かり【That's 田舎ぐらしシリーズ】
先日友人の結婚式があり、久々に大阪の街に帰郷した。
式自体は奈良で行われたため、ほろ酔い気分で、日が落ちてから電車に揺られ、出席していた友人とともに近鉄電車に揺られながら実家を目指した。
生駒山から眺める夜景が綺麗だとはしゃぐ友人。電車から眺めるのは久しぶりだった。函館や、神戸など、きらびやかな夜景は沢山あるけれど、私の中では大阪の夜景が未だナンバーワンだ。
翌日、高速バスに揺られながら、帰郷。
ネオンが徐々に薄らいで、真っ暗な闇に吸い込まれていく感覚は、何年経っても寂しい気持ちになる。動物に注意の標識も見慣れたけれど、改めて、とんでもない田舎に嫁いだもんだと実感した。
バス停に迎えに来た主人と息子たち。辛うじて目視できるほどの暗闇。そのシルエットが笑いを誘う。
「おかえり」
嬉しそうに次男が手を握ってくる。
ああ、私の居場所はここなんだ。
ふと空を見上げる。わあ、と、自然に感嘆の声がもれてしまった。夜空一面の、星空がきらめいているではないか。
あんなにも夜景が恋しかったさっきまでの私は、贅沢な星明かりを前にして一瞬にしてどこかへいってしまった。人は、ないものねだりな生き物だから、きっとまたあのネオンが恋しくなる。でも今は、愛する家族と、この星空で充分だ。