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5,気持ち

今回の話は出来るだけ主人公の内面を探りました。

 夕方とも言うべき時刻に暗闇が教室の空間、時間認識能力を低下させる一方……




 僕はたったひとり教室の片隅にひっそりと佇んでいた。



「今日もいないのか」




 図書室のあの一件があってからまもなく二週間が過ぎようとしていた。僕はどうしても彼女の願い(本を見つけ出すこと)を叶えたいという自分勝手さに嫌気が差しても自分の気持ちに嘘はつけなかったのだ。




「僕の気持ちってなんだ?」



「なんでここにいるんだ?」



「誰のためにいるんだ?」




 僕は自分の行動理念がどこにあるのかもわからず、自問自答し考え続けても答えが見いだせないスランプに陥っていた。










 翌週のことだった。冬を喚起させないそのあたたかな日差しと明るさに纏われた教室に見慣れた、久しぶりでなつかしい彼女の姿が……





「今日も元気そうだね」



 僕は学校にこなかったのはどうしてとか、そんな踏み込むことは出来なくて……

いつも通りで何気ない会話を始めるきっかけしか作れなかった。唯一違ったのは彼女の具合を確かめたことだけだった。




「平気だよ……」




 ただそんな弱く悲壮な言葉を紡ぐのだけは僕の心に棘のように刺さってくる。僕がやはり彼女の体について聞こうと思った瞬間、それは刺さるだけでなく、打ち砕かれた。




「もう放課後に残らないで……早く帰りなよ」




 彼女は僕が委員会の仕事が全て(今年度)終わっていることに気づいていた。それなのに僕は帰らなかった。特別な用事があるわけでもなく。




「いきなりどうしっ……」




 理由を聞けなかった。彼女は泣いていた。ただ涙を溢れ溢さんとばかりに両手で顔を塞ぎながら。




「さよならっ……」




 そう言って彼女は教室を後にした。












 その日を境に彼女が再び学校に来ることはなかった。





あと少しで終わります。

どうぞ宜しくお願いします。

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