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次の生は  作者: Y,S
6/6

憧れへ

―ボクは……―

―ボクの最期には……たくさんの人がありがとうと言ってくれた……―

そう思うボクの周りはとても騒がしく、話し声や笑い声が聞こえる。たまに怒号や悲鳴も聞こえる。


「ボクはまた、桜の木だったね」

遠くのようで、近いところでボクを見守ってくれてる誰かさんに言ってみた。

っぷ、ははははは

遠くで笑い声が聞こえた。

ボクも笑った。


「何笑ってるんだい?」

誰かがボクに声をかけてきた、あたりをきょろきょろすると、キレイな天使さんがボクに笑顔を向けて立っている。

「ちょ、ちょっと思い出し笑いしてただけ。なんでもないよっ」

そう言ってその場から離れようとしていた時、

「まぁーた、教えてくれないのかい?お前さん。」

今度はいたずらっぽく笑いながら、ボクに言う。

―お前さん……?あ!―

「おばあさんなの!?」

驚いた、この前の死後の世界の時に少し話したおばあさんだった。

「おばあさん!天使になれたんだね!良かったねっ……でも……ボクのこと忘れなかったの?」

「忘れるもんかね。お前さんの近くにずぅーといたんだから。気づけなかったかい?」

「そうなの?全然知らなかったっ」

おばあさん……もとい、天使さんといろんな話をした。

話をし終えると、

「お前さん、もう人間道へ進めるのかい?」

「うんっ やっとゼンコウがたまったからね。次は人間になれる。」

天使さんが嬉しそうに笑ったが、そのあと少し表情を暗くしながら言った。

「人間はみんながみんな良い奴じゃない。中には悪い奴もいる。それでも人間になるかい?」

ボクは少しも迷わず言った。

「人間になれば、やっと人間とお話できる。悪いやつがいるのもわかるよ。だって、今まで人間を見てきたんだもん。それでも、ボクは人間になるよ。人間になって、もっと多くの人間を笑顔にさせるんだっ」

天使さんは嬉しそうに笑ってくれた。

「そうかいっ じゃあ行ってきな! きっとキレイな女の子になるよ! あたしみたいにねっ」


おばあさん天使さんが見送ってくれたあと、人間道を進んで、前みたいな問答をして人間として生を受けることができた。


「パパ見て、可愛い女の子よ」

「おぉ~ママに似て、キレイな顔立ちだ。こりゃ将来は美人だぞ~」

「パパったら……あ。そう、名前。名前は決めてあるの?」

「もちろんだ。4月の満開の桜の季節に生まれたからね。

 この子の名前は桜だっ」





 命の営みは、魂の営みも輪っかのように終わりが無く続いてゆくものです。

 この桜の木だった魂は、また新しい命の営み、魂の営みを続けていくでしょう。どんな一生を送るかは……また別のお話。


 あなたの一生はまだまだ続くはずです。来世に望みをかけるためにも、『今』善い行いをたくさんして、良い来世になるようにしておくのがいいかもしれませんね。


なんとなく考えたお話なので、いろいろ不備はありますが……

ぜひぜひ、皆様のご意見をうかがいたく思いますので、ご感想よろしくです。

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