死後の世界へ
小説書くのは初めてです。
出来心で書いているので、何卒ご容赦ください。
皆さんは、『輪廻転生』という言葉を聞いたことがありますか?平たく言えば、生き物は死ぬことと生きることを繰り返し、何度も生まれ変わってこの世に生を受けるという考え方です。
そんな輪廻転生のお話。少し宗教的なお話が入るかもしれません。不快にさせる表現や、よくわからない表現があるかもしれません。あまり難しく考えずに、1つの魂を見守ってあげましょう。
―……ボクは……―
―あんまり最期を覚えていないな……思い出せないや……―
そう思うボクの周りはとても騒がしく、話し声や笑い声が聞こえる。たまに怒号や悲鳴も聞こえる。
「お前さん、どうかしたかい?」
おばあさんのような、おじいさんのような話し方をする魂に話しかけられた。
ここは死後の世界。
死んだ魂が次にゆく道を選ぶ場所。生き物は魂という形でこの場所に連れてこられる。
連れてくるのはもちろん死神だ。
「なんでもない、おばあさん」
私は老いた魂に言った。すると、おばあさんは話しかけてきた。
「そうかい。初めてここに来たのかと思ってね。これからどの道に進むんだい?」
「ボクは……ゼンコウが少なくて……選べるだけの道が……」
道。
道が6方向に分かれてる。天使たちが魂を誘導している。
「はーい。こちらは天道への行きでーす。」
「人間道行きはこちらです。」
「餓鬼道こちらでーす」
「修羅道に行く方は、証明をご提示ください。」
「こちら畜生道です。お間違いのないようにー」
「地獄道行きです。しっかり並んでー!」
それぞれの道で、生まれ変われるものが異なっている。
天道へ行けば、神様や仏様のお手伝いができ、いずれは神格化するできる。
人間道は人間へ。餓鬼道は餓鬼になり、マイナス値のゼンコウをゼロにする。
修羅道は、限られた魂しか行くことを許されない道のため、行くための証明が必要らしい。
畜生道は、人以外の生き物に生まれ変わることができる。地獄道は言うまでもない。
生まれ変わるには、ゼンコウというポイントが必要になる。
この世に生を受けると、無条件で10のゼンコウが与えられ、善い行いをすると1ずつ増えてゆく。
逆に悪い行いをすると、2ずつ減ってゆく。生涯をまっとうした時のゼンコウで、生まれ変わる道を選ぶことができる。
「はーい。そこのお兄さーん。他の人からゼンコウを掏っちゃだめだよ。お兄さん地獄行きねー」
監視員の天使がメガホンを使って、大声を出す。スリが見つかった魂は騒ぎ出した。
「え、いや、こ、これは、つ、つい、出来心で……うわぁぁぁぁ!!!嫌だぁ!!地獄なんか、もう行きたくない!!離して!!誰か!誰か助けてくれ!!あ!そこのばあさん!助けて……!オレの、オレのゼンコウ全部あげるから!!助けて!」
おばあさんに向けて、助けを求めるお兄さん。しかし、おばあさんは、残念そうな、無念そうな表現をして見送る。
ボクは何もできず、あっけにとられていた。しかし、自分のゼンコウをしっかりと、確実に手放さないようにした。