新たな出会いと新たな能力
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(…ん?)
目が覚めた。
白っぽい布の屋根があり、地面は揺れている。
(ここは?)
「あ!」
誰かの声がした。
「よかったー!気がついたんだね?君、林の中で倒れてたんだよ?大丈夫?」
俺、目の前には、一人の少女がいた。髪色はピンクで、心配そうに、俺を見ていた。
「…ここは?」
「ここは、馬車の中だ。」
と、銀髪の筋肉質な男の人が言う。
「君、一人で林に入ったのか?
手に、穴が開いていたが、なにがあったんだ?」
「おr…私は、森の方から街を探して歩いてきまして、その途中で拾った石で怪我をしまして…。」
「あ~。
君が、手に持ってた石か~。
まさか君、魔法陣がある方を自分に向けたとかじゃあないよね?」
(…っ!)
「おいおい、いくらこいつが小さいからって、一人で森の中歩く位なんだぜ?
いくらなんでもそれはないだろ。」
「…私、魔法陣がある方を手のひらに向けて持ちました…」
「えぇ!?」
「おいおい、まじかよ…」
二人共、凄く驚いているよ…。
「ねぇ、君、なんでそんなことしたの?」
異世界から来て、石で実験と言う名の遊びをしていた。とも言えず、俺は、こう答えた。
「実は、魔法陣の使い方、あまりしらなくて…」
二人共呆れていた。
「…勉強しろよ。」
「ゴメンナサイ…」
なんか、なごやかなやり取りだった。
すると、突然ピンク髪の少女がこう言った。
「…突然で悪いけど、君…名前、なんて言うの?」
「私は、クロネと言います。
あなた達は?」
「私は、アイラ。冒険者をやっているの!よろしくね?クロネちゃん!」
「俺は、レイルだ。アイラとペアで冒険者をやっている。」
アイラとレイルは、簡単に自己紹介を済ました。
すると、レイルは深刻そうな顔をして、こう言った。
「なぁ、クロネ。
お前は、少し特殊だ。」
「…え?」
突然過ぎるよ…。
「お前の手の穴、どうやって治ったと思う?」
「うーん。
回復魔法とか?」
「いや、違うな。」
だったら、一体なんなのだろうか?
「私ね、クロネちゃんの手に穴が開いていたから、“キュアー”を使おうとしたんだけど…。少しずつ穴が塞がっていったの。」
どういうことだ?
「お前は、自動回復をする特殊な体質なんだ。」
「えぇ!?」
(俺に、そんな能力があったとは…。)
だけど、どこか不思議に思い、レイルにこう聞いた。
「それが、なんで深刻な顔する必要があるの?」
「それはな、お前のその能力はとても珍しい物なんだ。それ故に、それが周りの奴ら、特に奴隷商人や貴族に知られたら面倒な事になる。」
「も、もしかして…。
捕まえられて、貴族に売られるとか?」
「…そういう事だ。」
「…。」
俺は、とんでもない能力を持っていた。
それは、自分が貴族とかに狙われるかも知れないと言うことだった。
馬車イベントです。
このまま街へGOします!