初めての戦い。そして遭難。
「はぁ、はぁ、はぁ…」
(だいぶ歩いたよな、これ。)
あれから、数時間歩いたのだが全く街が見えない。だいいち、ここがどこなのかもわからない。
「疲れた…。なんで街が見えないんだ?確か、東のはず…。」
(ん?東…?東ってどっちだ?)
「…!
ヤベー、そもそも東ってどっちかわかんねー!」
俺はおじいさんの家を出て、ずっと自分が東に向かっていると思っていたようだ。確認もせずにだ。
しかも、辺りはうっそうとした森の中。もうどこから来たのかもわからない。
ここにいるとしても、もう空は紅く染まっている。
「どうするか…。」
もうどうしようも無いので、袋から寝袋を取り出して…
(いや、まだ早いか…。)
俺は、少しの希望を胸に、また歩き出した。
まぁ、その後も街らしきものは無く、辺りはもう夜。
「暗くて視界がない、か…。もう今日は諦めて寝るか!」
俺は、袋から寝袋を出して就寝した。
その夜
“ガサガサ…”
(…ん?何の音だ?)
「ガルルル…」
「…はっ!」
俺が起きた時、目の前には、鋭い牙を生やした白いオオカミのような動物に囲まれていた。
「ガルルル…」「グルルル…」
「やっ、ヤバい!」
俺はとっさに袋の中から、魔法陣が描かれた石を取り出して、それをオオカミに向ける。
「グルルル…」「ガルルルル…」「グルルル…」「グガァァァ!」
オオカミが俺に襲ってくる。
(見た感じ、三体か!)
「いけーーー!」
俺は石に力を込める。
“キイィィィン”
眩しく光ったその石から、光線がオオカミに発射される。
「ぎゃぅん!」
一匹のオオカミに当たった。
そのまま、連射する。
「グギャアァァ!」「ギャン!」
「た、倒した!」
オオカミの死体は、魔法で開けた穴から鮮血が出ていた。
「うわぁ…。気持ち悪い。てか臭い!コイツ!」
オオカミは凄い臭かった。生ゴミみたいだった。
(少し…いや、かなり離れて寝るか。)
俺は、袋を持って死体から離れてから就寝した。
街はいつになることやら…
え?前回に街と言ってた?
ソンナノワタシシラナイデスネー