神様と性転換
「これを見るのだ。」
この言葉が、あの神様の第一声だった。
これとは、身長よりも大きな鏡だ。そして、俺は鏡を見た。
「誰だ、コイツ!?」
そこに映ったのは、俺と同じ背丈の猫耳の生えた、青髪の、かわいい少女だった。
俺は、コイツが俺ではないことを確認するために、体を動かした。なんせ、これは鏡だからな。自分以外が映るはずが無いからだ。
大きく腕を振ったり、ジャンプしてみたりしたが、鏡に映った少女は俺と全く同じ動きをしていた。
「…」
「それはお前だ。」
「はあ?」
「だから、それはお前だと言っているだろうが!」
「はあぁぁぁぁ!?」
俺は、神様にそう言われ、驚きのあまり叫んでしまった。
「はあ!?おかしいよね?ねぇ、おかしいよね?死んだと思ったら、神様が俺の目の前にいて、鏡に映ったこの少女が俺って!ドユコト?」
「ったく…お前はうるさい奴だな。まず、落ち着けよ…」
何言ってんだ?このジジイは…
「誰がジジイだ、誰が!」
「まさかの、考えてることは、全てお見通しパターンですか!?」
「八ァ…今さら何を言っているんだか、ワシは、神様だぞ?そんくらい分かるわ!」
「そ、そうですか…」
えぇ~
「お前が、どうしてこうなったのかを説明する。」
「まず、お前はトラックに引かれて死んだな?」
「はい。そうですが…」
「では、お前は何の為に、道路に飛び出した?」
「足を怪我した野良猫を助けるためですが?」
今さら何だと言おうとした時に、さらに神様は話し出した。
「しかし、助けられず、一緒に死んでしまった。そして、そこから出た魂二つが合体し、一つの魂になった。」
モウワケワカランワァ
「そして、出来た魂に肉体を復活させ、生まれたのが、今のお前だ。」
「じゃあ、性別が変わったのは!?」
「それば、猫がメスだったからに決まっているだろう。」
…ソレダケ?
「そういうことだ。」
「ふざけんなーーーー!」
こうして、俺の新たな人生が始まった。
いやぁ、ここからですよ!本当のストーリーは!
次回は、ついに異世界に!?