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町田あかり
8:10
その頃、学校欠席していた5人の内の一人『町田あかり』は、自宅で煎茶を飲みながら震えていた。
「お母さん…。皆大丈夫かな…?」
「気持ちはわかるけど、今は自分の心配をしなさい。皆も学校には行ってないと思うから。」
「そうかな…」
「まぁ、あんたたちのクラスは女の子が2人しかいないからねぇ…」
「佳奈子ちゃん(大原)、無欠席を目標にしてたから学校に行って私を待ってるかもしれない…」
あかりの言葉に、母は下を向いて皿を洗うしかできなかった。
…
リビングにはテレビから発される音だけが流れる。
あかりはリビングを離れ、自分の部屋に行き、鞄の中を整理し始める。
゛「私!学校行ってくる!」゛
「家から出たら危ないからダメよ!」
「佳奈子ちゃんが待ってるかもしれないから!」
彼女の母は今までにない、あかりの行動に戸惑いを隠せず唖然としていた。
あかりが母の目の前を通る。
「大丈夫。戻ってくるから。」
あかりは革靴をトントンと履きながら急いで玄関の扉を開いた。外の冷たい風が家の中にスっと入る。