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音り(オトリ)
意を決した俺は、体育倉庫の扉を開けた。
その時だった…
「おい!ずっとそこに閉じこもってたのか?」
俺は急に発された声に過剰に驚いてしまった。
「そこで突っ立ってないで、こっちに来い!早く!」
呼び掛ける声の方には見知らぬ男性が立っていた。俺は、その男性と協力して生き延びるという道を悟った。呼び掛ける男性の方へ…
そう駆け寄った時
"ギィエェェェェェ"
向こうの校舎にいたはずの鷹の群れが一斉に、男性の方へと襲いかかった。
「うぁ゛ぁぁぁぁぁっ!」
俺は腰に着けていたスターターピストルを急いで取り出し、鳴らした。
"カチッ パァン!"
しかし、鷹の目は男性の血肉へと向いていた。鷹は立っていた男性の肉を食いちぎり、遂には、こめかみにクチバシを突き刺した。
「何で俺がこんな目に゛ぃぃぃ!お前が死ねばよかったんだぁ!ハハハハハァ゛」
喉をクチバシで裂かれ、男性の声は次第に金切声になっていた。
俺は決心した。あの男性が襲われているうちに、ここから脱け出すんだ。
そして俺は、外へ通じる門へと向かった。