第1話 Once upon a time there where.......
今日も空は曇ってる、まさに曇天。
真っ白のキャンバスに濃い灰色の絵の具を殴り描いたような、って感じで例えればいいんじゃないだろうか
曇りの日は何か一出来事起きると感じるのは俺だけだろうか。
人はよく晴天が好きと言うが、俺は断然晴天や雨天より曇天が好きだ。
電車のドアのところにもたれ、電車に揺られながら藤堂鼎19歳はそんなことを考えていた。視線は街に重くのしかかる雲を捉えていた。
俺は今年の4月に九州から上京してきた。
憧れの都会で煌びやかな生活を送っている、といいたいところだが、思い描いていたウェイウェイキャンパスLIFE!!とは違った生活が待っていた。
高校生までは両親と一緒に暮らしていたのだが、両親ともども学歴主義なため、昔から習い事をいろいろさせられたり、塾に通ったりしていた。
まるで鳥かごに閉じ込めらているようなそんな生活から脱出したいがため、そして華やかな都会で生活してみたいという地方勢なら誰しもが思うような思いから大学は東京の学校を選んだ。
しかし、いざ大学生になって東京で一人暮らしを始めてみたが、『暇』だ。
時間割は自分で決めることができるため、講義はほとんど午後からしかいれておらず、朝はつねにゴロゴロしている。
サークルはしているものの肩書きはテニスサークルは実質は飲み会サークル。おそらく、日本の大学のサークルは半数以上が飲み会サークルであろう。
初めは、やることも特になにもやりたいことが決まっておらずそのサークルに入ったものの、酒は不味く周りのテンションになじめないということでもうあまり顔を出していない。バイトもしておらず、講義が終わるや否や友達とちょっと遊ぶかそのまま家に帰り、適当にテレビを見ながらコンビニ弁当を食べるという毎日だ。
今日も13時からの3限のために、昼からの登校。
大学は、家から電車で15分程度のところにあるそこそこ頭の良い大学だ。いままでずっと国公立の学校なため、そこそこ親孝行なんじゃないかって思う。
中学や高校と違い、大学はクラス制ではないため、友達と呼べる人間も少ない。キャンパス内ですれ違うときに「よっ!」と挨拶するレベルの友達、すなわち「よっ友」ばかりだ。高校のクラスの友達とそのままキャンパスライフを送りたいとどれだけ思ったことか。
大学の講義は1コマ90分と長い。
みんなスマホをいじってるか寝てるかの二択だ。教授も特に注意はせずただ淡々と講義をすすめる人ばかりだ。
こういうとき、時をはやめる能力があればどれだけ楽だろうか。もしくは、透視できる能力で近頃の女子大生の下着をチェックするのも素晴らしい。
大学に入学して2か月__________
これならまだ高校のほうが多少の刺激があったのではないか、と疑問に思うことがある。
高校の友達といたほうが楽しかったし、高校のときに所属していたバスケ部でもそれなりの青春を謳歌さs・・・
『まもなく~渋谷~渋谷でございます。』
おっと、そうこう考えているうちにもう渋谷か。
俺はいつもの日常になんの期待もせずにいつも通り電車から降りた。