〜Detour or Shortcut?〜
ノワールはウェルズの森の中で迷っていた。
「塔らしきものもは何処にも見えないわね」
「迷っているようだにゃ」
何処からかあの猫の声だけが聞こえた。
「貴方には関係ないでしょ」
「つれないにゃ、せっかく塔までの行き方を教えてあげようと思ったのににゃ〜」
「貴方に教わる道なんてどうせ正面なものじゃないでしょ?」
「それはどうだかわからないにゃ、君にとっては正面な道じゃなくても僕にとっては正面な道にゃ」
「もう黙っててっ…」
ノワールは突然、足元に地面の喪失感を感じ、身体が真下へと落下した。
「塔までの近道にいってにゃっしゃ〜い」
ノワールは地中を数十分滑り落ち、光る石が乱立して存在する開けた場所に飛び出して地面に背中から落ちた。
「いてて………またあの猫の所為で…」
「おやまたこらまた、珍しいねぇ〜こんな土ん中まで誰かが来るなんて」
騒がしい少女の声が聞こえ、ノワールは身体を起こした。そこには眼鏡を掛け、胸と下半身を隠しただけの露出の高い服装で深緑の長髪を右の後ろで一つに結った少女が立っていた。
ノワールはすぐさま立ち上がり、ブレスレットの薔薇から大鎌を出して構えた。
「何者?」
「それはこっちがこっちも聞きたいと思ったけれど、それも必要がないみたいでみたいね」
深緑の長髪の少女は頭の角度を変えて、髪留めを見せた。
そこには緑色をした薔薇の髪留めがあった。
「お仲間ってことでことだから、それを仕舞った仕舞って仕舞ってよ」
「そんなこと言って私のブラスタルを奪うつもりしょ?」
「もう別の誰かに襲い襲われ襲われたみたいだね、うちはブラスタルを集め集めるつもりはないから」
「そんなこと信じられるとでも?」
「どうでもどうやらうたぐり深いね」
深緑の長髪の少女は髪留めに手を掛け、髪から外した。
「うちのブラスタルをあげてあげてもいいのさ」
ノワールは大鎌の構えを解かなかった。
「これだけ言っても駄目で駄目な駄目なのさ」
深緑の長髪の少女は少し落ち込むと何かに気が付いた。
「ひょっとしたひょっとしてブラスタルが何を示すか知らない?」
「何が?」
「やっぱしやっぱり図星みたいさ」
「何を知っているの?」
「だったらなら、それを仕舞った仕舞って仕舞ってよ」
深緑の長髪の少女は大鎌を示して言った。
「………ちゃんと聞かせてもらうわよ」
ノワールは警戒しながらも大鎌をブレスレットの薔薇に仕舞った。
「これで落ち着いて話す話し話せるさ」
深緑の長髪の少女は髪を結い直した。
「まずはうちの此処での名前はプロフォン・ヴェール、フォンって呼んだ呼んで呼ぶんさ」
「……ノワール」
ノワールも一応自分の名前を答えた。
「ブラスタルは命そのものでそのものなのさ、奪われればこの世界で死んで死ぬんさ」
「そんな…じゃあさっき死ぬ気だったの?」
ノワールはフォンの言葉を思いだした。
「んや、そんなつもりはないけど、あぁ言って言わないと収拾つかないさ」
フォンは軽い感じで否定して続けた。
「でも、ブラスタル集めに興味はないのは本当に本当さ」
「だったらその命、私にくれてもいいんじゃない?」
そこへ二人とは別の声が空間に響いた。