頼む!協力してくれ!
「変なことを言わないでよ馬鹿兄貴!あたいを改造人間にでもするつもり?そんなスキルもないくせに!変態!」とカズミに水着姿のままで罵られた。俺はひるまず「そうじゃないいんだ、お前を素体にするといってもロボット機ぐるみを作るんだ。それをお前は着て学園祭に出てくれ。お願い頼む!」といった。
妹のカズミの方が頭がよく口もたつので正直頭が上がらない。ここで説得するには「伝家の宝刀」じゃなく「取って置きの秘密」を出すほかない。「お前、この前の日曜日。うちの大学の望月をこの部屋に招いて二時間出て来なかったんじゃないか。本当はあの時お前の一番大事なものをあげたんじゃないのか?この事親父に言ったらどうなるかな?」といった。そう、うちの親父は専制君主のように恐ろしい存在だった。
「そんなんじゃない、望月君は。話をしていたら盛り上がって長くなったのよ。でも親父には言わないで。一度聞き間違ってしまうと思い込んでしまって誤解を解くのは難しいのよ。変な事を言わないで。でも条件次第では協力してあげてもいいわよ」と言った。そう、カズミに頼み事を聞かせるには先ず先立つものだ。そこで高橋先輩のお金のことを話し、機ぐるみのことを話した。
するとカズミは急に乗り気になってきた。「そういう話ならいいわ。あたいも昔から一度メタリックなロボットの衣装を着てみたかったんだ。協力してあげるわ。それと条件を飲んでくれるよね?」と言い寄ってきた。「今度、欲しいお洋服があるのよ。買ってくれるならいいわよ」とねだってきた。しかたがないカズミの条件を飲み事になった。